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January 14, 2007
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テーマ: 戦争反対(1197)
カテゴリ: よしなしごと
ベルリンには壁がある、ということを知ったのは、いつの頃だったか…。

その壁が壊れたのだ、それはとても喜ばしいことなのだ、というニュースは、
東西ドイツが統一された、というニュースとごっちゃになって、私の記憶の中にあります。

東西ドイツ統一の時には、何が起こったかを知りたくて、
それがどんなすごいことなのかを理解したくて、新聞の関連記事を、
ひたすら切り抜いていました。

ソ連の崩壊も、その後あったはずなのですが、それについては、
そう熱くなった記憶がありません。

他の東欧諸国の変化の流れの中で、何だ、今度はソ連か、


=====
ベルリンに到着した日、ミュンヘンで知り合ったM氏に出迎えてもらい、
二人でまず向かったのはチェック・ポインド・チャーリーでした。

途中、残している壁に、「テロの歴史」が屋外に展示されています。
これについては、またいつか語りましょう。

そこを抜けて、少し行くと
あなたはアメリカ地区を離れようとしている
という看板が。

ここの近くのビルの中に、チェック・ポインド・チャーリー/壁博物館はあります。

=====
ただ、国境と呼ばれる線がある。
それだけのことが、多くの人の命を奪った事実。



必死になって、例えば 川を潜って、地下道を掘って、ビルから飛び降りて、
空を飛んで、トランクに隠れて
、逃げようとした、あるいは、家族に会おうとした人々。

ただ、国境と呼ばれる線がある。
それだけのことが、多くの人の命を奪った事実。

引き裂かれた ベルリンの地図。
ある日設置された 鉄条網


しかし、緩衝地帯を挟んだ2重の壁を突破するのは、 命がけ の行為なのです。

ただ、国境と呼ばれる線がある。
それだけのことが、多くの人の命を奪った事実。

同じ言葉を話す人々。
引き裂かれた 家族。
生活の 格差 。自由の意味。

ただ、国境と呼ばれる線がある。
それだけのことが、多くの人の命を奪った事実。

「芸術作品」も多く展示されているのですが、壁がある時代の作品は、暗く、 叫び声 が、
なにかの軋み が聞こえてきそうな、重苦しい作品ばかり。

最後の部屋、壁が崩壊してからの作品は、一転、明るい喜びに満ちた、楽しい作品に変わります。

おそらく、これが、「自由」の意味なのでしょう。

-----
壁が崩壊することを、そして東西ドイツの統一が行われる日が来ることを、
当時の人達は、夢見ることはあっても、想像していなかったはずで、
だからこそ、命を賭けても、脱出という選択を行わざるを得なかった。

ただ、国境と呼ばれる線がある。

それだけのことが、人に命を賭けさせたのです。
それまで一緒に暮らしていた人々の生活を、分けてしまったのです。
そして、国民の命を守るべき「 」が、国民の命を奪ったのです。

=====
グッバイ、レーニン! 』は、ここ数年観た映画の中でも傑作です。



この映画、壁崩壊の前夜から、東西ドイツ統一、通貨統合、
ワールドカップでの「一つのドイツ」の活躍と、ドイツ統一の流れを背景に、
母親思いの息子の「活躍」を描いた作品。

冒頭、母親が、東ドイツの政府に向けて、配給品についての意見を述べるのですが、
それが、エスプリが効いていて、とても面白い。

「壁の向こう」について、我々は想像するしかなかったですし、
逃げてくる人が多いことを考えれば、苦しい生活だったと思ってしまいがちですが、
そうではない「普通の生活」があったのだ、という、当たり前のことに気付かされます。

そして、その生活が、統一により、徐々に変わっていく中で、失われていくもの、そして、主人公が守ろうとするもの。

ラスト近くの「演説」のシーンでは、「もう一つの理想社会」が語られます。

-----
そう、「 国家というシステム 」が、 人の命を奪う ものなのだとしても、
生活者は、人の命を奪いたいと思っているわけではない。

むしろ、理想を追い求めて生きている。

=====
ミュンヘンで、同世代のY氏と、壁崩壊とドイツ統一の思い出を語り合った時、
次は、もうすぐ韓国と北朝鮮だと思ったけどなぁ。
という話が出ました。
そう、私も、当時そう思っていました。

しかし、あれから何年もの月日が流れたにも関らず、
同じ言語を持つ2つの国家は、統一の夢を語りながら、
いまだに統一されてはいませ。

ベルリンの話と同じように、 ただ、国境と呼ばれる線がある
それだけのことが、何十年にも渡り、家族を引き裂いたりしている事実は、
隣国においては、遠い過去の話ではないのです。

どうしても、現在の論調からは、北朝鮮批判になってしまいがちですが、
元を辿れば、アメリカなり、ソ連なり、中国なりが、
かの国を引き裂いた事実があっての状況であることを忘れてはなりません。
(日本の責任については、今回はあえて語りません。)

いつの日か、平和的に2つの国が統一され、1つの国として、
世界の檜舞台で活躍することを、私は期待し、また楽しみにしています。

=====
世界には、多くの国境と呼ばれる線があります。

しかし、それが人の命を奪うために存在するというのなら、
それを動かすために人の命が要求されるというのなら、
そんなものは、いらない。

=====
人間はどこまで残酷になれるのだろう。
人間はいつまで愚行を繰り返すのだろう。

「宗教」が人を殺すなら、私はそんな「神」を信じない。
「権力」が人を殺すなら、私はそんな「政治」を認めない。
「利権」が人を殺すなら、私はそんな「会社」を許さない。
「民族」が人を殺すなら、私はそんな「民族」に属さない。
「思想」が人を殺すなら、私はそんな「言説」を肯定しない。
「国境」が人を殺すなら、私はそんな「国」を認めない。

私は「不偏不党無所属」。
神にも悪魔にも喧嘩を売って、それでも私は生き抜いてやる。

私は「不偏不党無所属」。
権力にも世論にも喧嘩を売って、それでも私は幸せに生きてやる。


 初出; 『大アンコール・ワット展』@そごう美術館
 改訂; 『ホテル・ルワンダ』
 掲載; 『人間の未来へ - ダークサイドからの逃走』

=====
常設展
@チェックポイント・チャーリー/壁博物館
[Museum Haus am Checkpoint Charlie]

http://www.mauermuseum.de/

会期:-----
作者:-----

★★★★☆





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Last updated  February 28, 2007 09:46:23 PM
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RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
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