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May 1, 2007
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カテゴリ: 美術
古い街並を保存する、ということが、
不便な生活を強いる、ということになれば、
それは「過去の遺物」の保存になってしまいます。

昔の良さを採り入れつつ、「現代」の道具をどう使いこなすか。
昔の生活の知恵と、「現代」の生活の良さを止揚していく。
正に、活きた「温故知新」を達成する。

難しいことですが、これからの時代創りのキーになるのは、
こういうことなのだと、私は考えています。

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今、広島県の「 鞆の浦 」でも、このような論争が起こっていますが、
本来「便利な生活」と「街並の保存」は、(難しくても)対立するものではない。

鞆の浦にも、足を伸ばしたことがありますが、
風光明媚で静かな、とても素敵な街です。

あの風景を、「経済効率」「生活の利便」だけで
失ってしまうのはあまりにも惜しい。

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「歴史」「文化」を持っている、ということは、限りなく豊かなことです。
失ってから取り返すのは、より一層甚大なコストと労力がかかります。

「歴史」「文化」がもとよりない、ないがしろにする人々が、
どれほど「貧しく」なるのか、そんな環境で生まれ育った子供がどうなるのか、
わざわざ太平洋の向こうの国を例を挙げるまでもありません。

これからの日本が活きていく道は、
「環境立国」「観光立国」「文化立国」
でしかあり得ない、というのは、度々このblogで主張してきました。

そのための投資をすることこそが、将来的な経済優位をもたらすのです。

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今井町で行われているのは、まさに、この将来のための投資であり、
将来のための街創りと呼べるものでした。


=====
その象徴と言うべき施設が、 今井まちづくりセンター

「昔ながら」を活かしつつ、「現代」の生活をするためのリフォーム・アイデアが、
実際に建てられて、形を成しています。

採光のための格格子なんてのは、、内庭に向いた壁を、
太い木の格子にしたことで、違和感なく、光を室内に採り入れる工夫になっています。
しかもこれ、耐震上、非常に強いらしい。

アイデア、ですねぇ。


受付のおじさんと、街づくりについて、色々話を聞いたのですが、その話は省略。
詳しくは、下記の本をご参照ください。



今井町 甦る自治都市 八甫谷邦明 編著

この本、滅法面白い。
地方分権とは何か、地方自治とは何か、について考えさせられます。
そして、戦後日本が失ってきた、何か大切なものについても。

=====
続いて、街づくりセンター向かいの、 称念寺 にお邪魔します。

今井町寺門

入って正面に、明治天皇がお泊りになった記念の碑が立っています。
その奥の神殿っぽい所に、机が出て、二人座ってらっしゃるわけですが…。

-----


それにしても、門構えの立派さに比べて、なんだこの本堂の傾き具合は?
屋根の重みで、歪んでしまっているとしか思えません。
うーん。何だかなぁ。
障子も閉まって、奥も見えないし。

-----

帰る前に、あのお二人を無視するわけにはいきませんわねぇ。

こんにちは。
こんにちは。
こんにちは。

このお二人、このお寺の檀家さん。
瓦寄進の受付をされているそうです。

瓦寄進? 本堂を修復する、ということですか?

そう。この本堂、建替えが予定されているのですが、そのための費用、なんと20億円!
国や地方から補助金が出るそうですが、1割は檀家負担…?

1割って、2億円って、えっと、大金じゃないですか。
ええ。そうなんですよ。

この瓦寄進、檀家さん達が、持ち回りのボランティアで 受付をされているそうです。

うーん。
日頃、「地方文化こそ大切」「文化と環境を守れ」と言っている身が
ここまで話を聞いておいて、はい、さよなら、とは…いかねぇな。

分かりました。一口、お願いします。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
では、2千円。

-----
寄進の瓦への名前の書き方には、このようなパターンが、とパターン帖を見せて貰います。
オーソドックスに、県名と名前かなぁ…。
あ。「書いてもらう」っていう選択もあるのか。なるほど。

悪筆なので、「書いてもらう」で良いですか?
せっかくですから、ご自分で書かれたらいかがですか?
いや、字が綺麗ではないので。
心のものですから。是非書いてください。

筆ペンはしばらく愛用していますが、本物の筆は久しぶり。
そういえば、奈良は筆の名産地でもあったよな、
などと思いつつ、筆を握ります。

心を込めて…
……うわ。悪筆だ。
筆ペンと筆って、こんなに違ったか。
はぁ。書道もなぁ。いつかやらなきゃ。

-----
それにしても、今回は、自分の懐から個人で出しているわけですが、
源泉の場合でも、申告すれば、寄付金として控除対象に出来るのかしら?

今はサラリーマンの立場にはないので、関係ないとはいえ、
日本文化に理解のない議員の「水道代」に消えるくらいなら、
こういう所に寄付をする方が、よっぽど有意義なんですけど。
(↑上記文章は、該当議員の自殺前に書いていたことをお断りしておきます。)

=====
お寺を出て、自転車で街を流します。
この風情、良いなぁ。

今井町街並

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軒先に、杉玉を3つぶら下げた 河合酒造 さんに到着。

今井町杉玉

日本酒ですよ、日本酒♪

とは言え、うちの「家」では日本酒を飲まないんですよね。
買って帰っても、友達呼ぶことないし…。

なので、入り口の「奈良漬」をチェック。

あ、試食できるんですか。
ええ。どうぞ。
ありがとうございます。頂きます♪
それは、瓜の深漬。
へぇ。いや、いやみがなくて美味しいです。
こっちは、浅漬ね。
うん。分かります。私は深漬の方が好きかな。
これは、西瓜。
スイカですか!あ。瓜とはまた違いますね。
これは、胡瓜。
歯応えが良いですね、キュウリ。初めてかも。

奈良漬は、アルコールのいやみがきついのもあるのですが、
ここのは味が優しい。てか、美味しいです。
迷いに迷って、瓜の深漬と胡瓜を購入。

酒粕は、洗わずに、そのまま切れば良いですから。
もちろん、酒粕を落として、別なもの漬けても良いですよ。


ええ。是非そうさせて頂きます。

=====
いやぁ、堪能しました。
これで今井町は一通り回ったことになるのですが、最後に告知。

5/20(日)に、 今井町町並み散歩 があります。

これには「茶行列」も伴うということ。
そう、今井町は茶人 今井宗久の出身地でもあるのです。

この「茶行列」についても、
「はやりのフリーマーケットにしないと、人が来ないのでは?」
という意見があったのを
「フリーマーケットに“今井町らしさ”があるか?」
という意見が上回ったとのこと。

しびれますね。

-----
今井町でしかやっていない、だからこそ、人が集まるんです。

ただのフリーマーケットなら、「わざわざ」今井町に行く必要はない。
「たまたま」やってたら行きますけどね。

「茶行列」、今年は東京に行っていたため、参加できませんでしたが、
是非来年にでも足を伸ばしたいと思います。

=====
関連HP
 ・ 今井町並み倶楽部
 ・ 重要伝統的建造物群保存地区 (wiki)
 ・ 今井町バーチャルウォーク







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Last updated  June 15, 2007 01:36:33 AM
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RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
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