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2025.02.25
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カテゴリ: 坐禅
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「沢木興道 この古心の人」より

p.82-86

永平寺の玄関で、応接係の坊さんに目的を話すと、坊さんは呆れて早く帰れ帰れと言って追い払う。

もう動く気力も尽き果てたから、ここで死なせてくれ、と本気で答えた。

2日2晩、飲まず食わずに、時々出て来て様子を見ては帰れと叱り続ける坊さんに頼み続けた

「お粥を食わしてやるから、食ったらすぐ下山しろ」
「そんなら食わしてもらわんでもいいです」

見かねた年長の坊さんが炊事部屋に連れて行ってお粥を食わしてくれた。
寺においてくれると思うと嬉しくてたまらず、食べ終わると早速寺男の仕事の手伝いをした。



才吉の働きぶりを見ていた典座(袖田正元和尚)が自分の寮に移らせて、正式に給仕の手伝いとして使ってくれた。

家出のときに来ていたままの縞の一重の才吉を憐れんだ門前の柏樹庵の庵主が、坊さんたちの捨てた破れた衣を綴り合せて法衣の形に作ってくれた。
生れて初めて着る坊さんの衣に才吉は涙を流した。

同じ寮の先輩で自分と同じくらいの年頃の修行僧にこき使われ「おい、テツゲン、肩をもめ」など言われ、ハイと言って肩もみした。いつしかテツゲンと呼ばれるようになった。

「お前、坊主になりたいと思うなら、何はともあれ坐禅しないといかん。
わが宗門では、そういうことになっている。」と坐り方を教えてくれる若い坊さんもいた。

坐り方を習ったばかりの頃、典座寮で急に砂糖が入用になって倉庫係の寮に小走りでいくと、4、5人の坊さんの坐っている姿が障子に影絵のように映っていた。一瞬、テツゲンは電撃を受けたようにすくみあがって、足音がしないようにそっと歩いた。不思議な経験であった。





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最終更新日  2025.02.25 19:03:44
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