離人症の器

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凪2401

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2013年02月24日
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カテゴリ: 読書メモ。
先月から読み続け、やっと1冊読了であります。
ずーっと前、ほぼ日で紹介されたときからずっと気になっていた本。
タイトルがもう、ひきつけますもんね。

日清戦争から太平洋戦争にいたるまでの日本のエリートたち、
つまり、高等な教育を終え「頭がいい」はずの日本の知識人たちが、
何故「戦争」という手段を選んだのか、というところを、
様々な歴史的資料にあたりながら、丁寧に丁寧に紐解いていく1冊です。

今の政治を見ていて、何でいわゆる「頭のいい」大学を出たエリートと呼ばれる人たちが、
(このあたりの方々を「頭がいい」とみなすことに私は懐疑的ですが)

首を傾げたくなる人は、結構いるんじゃないかと思われます。

しかし、勝手な印象として、昭和の時代の方が「日本のために」というところに、
熱く燃えて政治家になる人たちが多いような気がしていまして、
(というか、そもそもその志から違うような気がして)
そんな人たちが何故、日清戦争や日露戦争のみならず、
あまりにも勝ち目のない太平洋戦争などの戦いを選択したのか、
というところはずっと疑問でした。

私の感想などよりも、帯の文句の方がずっと的確なので(当たり前ですが)、
いくつかあげておきますね。ちなみに第9回小林秀雄賞受賞作品でもあります。

<橋本治>
結論を一方的に提示するのではなく、結論へ続く扉の方向を明示する。


<堀江敏幸>
口当たりのいい参考書の対極にある、十二分に過激な読みである。
私はその表面には出てこない過激さに惹かれた。

<加藤典洋>
この本は、歴史学の醍醐味というものを教えてくれる。(中略)

そういうひとのふさわしい受賞を、心から喜ぶ。


もう、絶賛ですね(帯だから当たり前ですが)。
しかし、この絶賛された内容にふさわしい、とても興味深い本でした。

この本の内容は、歴史に興味のある中高生に特別講義として開かれたものを、
加筆して1冊にまとめたものであるらしいのですが、
この内容を中高生のときに聞けるのと聞けないのとでは、
その後の進路選択や歴史学というものの捕らえ方に大きな差が出てしまいますね。

歴史が単なる暗記強化ではなくて、
過去の人たちが歩んできた歴史という迷宮を、
過去の人々が残した様々な資料を武器に丁寧に解き明かしていく、
歴史学の面白さというものが、私にも響きましたから。

とても面白い1冊でした。








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最終更新日  2013年02月24日 19時16分21秒
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