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2010年09月04日
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※直接的な表現はございませんが、大人の雰囲気ですからご承知を。※

















(まいったねえ……)

 腕の中の柔柔としたものは甘く疼く細い声を上げていたけれども、友雅の手の動きにいつも以上に熱がなく、ただ習慣的に喘がせているだけだった。

「少将様……」

 声の主がじれったそうに小さく囁いた。

「ああ……」

 表敬的な口づけ。それでも腕の中のものは満足したらしく、熱い体を友雅にすりつけてきた。身に澱む欲を吐き出すためだけに愛撫を加える。友雅の思惑など知りもしない体は更に高ぶった喘ぎをもらし、感極まった小さな叫びとともに小刻みに体を震わせたところを見ると、どうやら極に達して果てたらしかった。ぐったりと力をなくした体に遠慮なく欲を吐き捨てる。気怠さの後に残る物は……むなしさ。何一つ満たされない……。

(まったく……) 

 欲しい物はこれではないと不満げに呟くもの。封じるように忘れていたこれが最近とみに存在を主張し始めた。おそらく、これは龍神の神子のしわざ。集めでもの「心のかけら」とやらを熱心に集めるから……。


 快楽の余韻に浸っていた体が不意に頭をもたげて、ねだるように顔をすりつけてきた。

「少将様……」

 無遠慮に悪戯を仕掛ける指先が疎ましい。冷たくはねのけた手に、相手は少々ひるんだようだった。でもあきらめきれずにおそるおそる挑んでくる指を、友雅は無視した。寝返りを打ち、背を向けた。

「……」

 ここで泣くような女を選んではいない。明らかに興ざめしたという空気を纏って、相手は体を起こした。

「お方さまがお呼びだわ。」

 身支度する音。遠ざかる衣擦れの音。

 友雅も静かに身を起こした。

(夜が明ける……)

 土御門へと急かすものが心に巣くっている。龍神の神子が空を割って京に降り立って初めて感じた、不思議な感情。こんなものは自分にはないと思っていたのに。

(逢わずにはいられない……この私がね。)


 この宝玉がはずれたら、京の危機とやらを救ったなら、龍神の神子は無事元の世界に還御し、自分の生活も心情も元通りになる。こんな物思いはそれで終わりだ。これは宝玉のなせる技。神子を心の底から守りたいと願わせ、八葉の勤めを全うさせようという龍神の思惑だ。

 友雅は静かに庭へ降り立った。有明の月の光が友雅の被衣を蒼白く染めた。





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最終更新日  2010年09月05日 03時00分21秒
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