くりごと

くりごと

2005年11月26日
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カテゴリ: こころ・身体
薄暗くした部屋のゆったりとしたリクライニングソファーに横になり催眠療法は静かに始まった。

therapist chaskaさんの声が静かに私を意識の内部へ内部へと導いてくれていった。

催眠術というのは全然意識がなくなるようなものかと思っていたので驚いたのだが

意識はしっかりとあるものである。

外を通る車の音などもちゃんと聞こえているのだ。

だけど体はソファーに埋もれるように同化してしまったみたく感じる、

いや体があるような感覚は薄れていたような気がする。



導入から色々な道を辿って行き最後に前世の扉を開けるのだが

私は一度目はどうもうまくそこに入れなかったというか入っても集中が出来なかったようで



彼女の静かな声が「どんな所に立っていますか?」と聞こえた途端

自分の足をみている別の自分がいるイメージになった。

それは想像していたのとはまったく違い、これっぽっちも思いもしなかったような心象だった。



素足でサンダルを履いた自分の足が硬い平らな岩の上に立ってた。

断崖絶壁ではるか下の方に川が流れているのが見える。

そして向かい側にはおなじような岩の絶壁があり

それははるか彼方まで地平線のようにつながっていた。

まったく緑などない不毛の地のような荒地。

確かに岩石砂漠だという認識が自分にあるのが不思議だ。

ずっとその心象を見ているというよりも

最初に頭に浮かんだ瞬時の景色を「自分」がどのように認知しているかという世界だった。



だが確かにその「自分」は足首まである長い衣装をつけてサンダルを素足に履いて

頭には何やら布で出来たものをかぶりその布は肩まで覆っていると解るのだ。

首筋に外気があたっている感触がないから、そして自分の事だから解るという感じだ。

「私」は髭を生やしている40代と思われる男性だった。

それは様々な文明の起こる以前の時間のようであった。



崖の上に立っている民族衣装を着た40代の男、というものだ。

まるでオサマヴィンラディンみたいな(笑)



心の中には家族とか生活とかについては何もなく

目前に広がる広大な夕暮れの空:一番上は濃い群青色でだんだんと明るい青に変わりそこから

今度は鮮やかなオレンジ色にそまってやがて暮れて行く空、と悠久の大地に向かい

母なる大地と大いなる自然そして流れる時間に対する深い畏敬の念と感動と感謝、

人間の生活がいかに短く小さい事だろうという覚悟、

人生の中の悩みなんて何て小さい事なのだろうという達観のような感覚を

その時の「自分」が感じているのが解った。



まるで取り越し苦労ばかりして色々悩む自分に対する教えを授けられたような感覚だった。

足元を見た瞬間からそれだけのイメージが総て説明できるくらい理解出来る自分が不思議だった。

そしてそのイメージの中の「自分」は確かに私だったと思う。

私は前世の一人がそのヨルダンの男だったと信じる。

あの時見た荘厳なまでの空の色は今でもはっきりと自分の感覚の中で確かめられる。

何時でもあの風景の中の「自分」に自分を重ねて思い浮かべられる。


-続く-











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最終更新日  2005年11月26日 18時36分32秒
コメント(11) | コメントを書く
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■コメント

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前世を考えると  
只野壮年  さん
 自分の人生が2倍に広がりますね。考えてみると前世って何人かもわからないし、もしかしたら地球外かも知れないなんて思ってしまうと、世界観がかわりそうな気もします。 (2005年11月26日 21時30分55秒)

Re:続・前世療法(11/26)  
渾身  さん
不思議な体験ですね。
前世とか、真面目に考えた事なかったけど、
そういう考え方もあるんですね。 (2005年11月26日 21時49分59秒)

かなり凄い。。。  
skin_head0506  さん
実はUFOはピアノ線で繋がれていると思うオイラ。
前世はヨルダンの40代男性?凄いです。
深層心理の解明はまだなされてませんが、カニバリズムと言う慣習が一部民族に残っているのは前世の意識を後世に伝える為と言われています。肉体には前世の意識(精神は肉体に宿る)がDNAレベルで後世に伝えられるものかも知れませんね。 (2005年11月26日 23時20分32秒)

Re:続・前世療法(11/26)  
かんぽん。  さん
こんちは!
前世も人間やったんですねぇ~、よかったですねぇ~♪輪廻転生があるとすりゃぁ~、わしも裸エプロンの似合うかわいい女の子のときもあったんかもしれん(ない!)
(2005年11月27日 13時02分38秒)

記憶をたどって  
skin_head0506  さん
他の方々も感じていたかもしれませんが…
小さい頃を思い出してました。
この世で一番不思議な事。それは自分が自分である事。何故自分は“あの子”だったり“この子”だったりしなかったのか?“あの子”は今何を考えているのだろう?今オイラが“あの子”だったら何を考えていたのだろう?…なんて… (2005年11月29日 00時05分19秒)

Re:前世を考えると(11/26)  
ぢん3112  さん
只野壮年さん
う~ん、只野さんの場合は今だってもしかしたら地球外生命体かもしれませんから・・・(爆)
でも本当に何かが変わったような気がしてるのです。
これからそれをゆっくりと感じ取れたら良いなと思います。 (2005年11月30日 00時53分05秒)

Re[1]:続・前世療法(11/26)  
ぢん3112  さん
渾身さん
私がカウンセリングを受けようと思った一番の理由はやっぱり「面白そう」って事でした。
でもどうしてそんな心象風景が出てきたのかは不思議でたまりません。 (2005年11月30日 00時54分14秒)

Re:かなり凄い。。。(11/26)  
ぢん3112  さん
skin_head0506さん
カニバリズムですか、私は人を食った話は好きなのですが(爆)
人間はまだまだ未知の部分が宇宙の謎より沢山あるのですね。 (2005年11月30日 00時55分36秒)

Re[1]:続・前世療法(11/26)  
ぢん3112  さん
かんぽん。さん
そうなんです!本当は人間じゃなくて動物、しかも「とど」とかモロ「豚」とかって出てきたら絶対に誰にも秘密にしなくちゃって悲壮な気持ちがありました。
一度は男に生まれてみたい、というか一日で良いから男になってみたい私には面白い経験だったのですが、男としての面白み(私が想像する意味での、イヒヒ)はありませんでした。
でも思い出すと今でもなんだかとても懐かしく感じる存在で、それがまた不思議です。
(2005年11月30日 00時58分31秒)

Re:記憶をたどって(11/26)  
ぢん3112  さん
skin_head0506さん
自分が自分であること、自我というか自己認識の不思議ってありますね。
その認識している意識は死んだら無になって途切れるものなのでしょうか?
それとも空にさまようように風に流れて行くものなのでしょうか? (2005年11月30日 01時00分13秒)

なにか  
共鳴を感じるかもしれません。僕自身は シルクロード カザフスタンあたりに感じてます。  (2005年11月30日 20時12分58秒)

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