PR
Keyword Search
New!
栞_shioriさんComments
Freepage List
一昨日、南スーダンへの自衛隊派遣が閣議決定された。野田政権は「内向き志向からの脱却」を政策として打ち出しているが、この決定もその一環だろう。民主党が政権を取って以来、迷走してきた外交政策にようやく落ち着きが生まれ、国力にふさわしい国際貢献と云う当たり前の議論ができるようになったと安堵しているところだ。
アフリカに出入りをしていて感じるのは、国内で内輪もめをしている場合ではないと云うことだ。特に民主党政権になってから、「政治主導」の掛け声で、素人が外交を操ろうとして、国益を大きく傷つけた。普天間基地の議論が典型。国内でしか理解されない茶番劇をしているうちに、日本は世界の議論から取り残され、その存在が限りなく軽くなってきている。
南スーダンへの自衛隊派遣は英断だと思う。しかし、議論を丁寧に見ていくと疑問に思う点も多い。根本的なのは、治安に関する認識。2005年の南北スーダン包括和平協定締結以降、ODAやNGO、民間の関係者は「丸腰」で現地入りし、すでに様々な事業を展開している。日本よりも安全とは云わないが、首都のジュバで視察した限りの実体感としても、あるいは他国の関係者との情報交換においても治安上の問題はない。情報が不足しているからやむを得ないのだが、新聞を読むと、「ジュバはなんとか大丈夫、だけど、地方部は危なくてとても部隊を派遣できない」と云うのが防衛省の認識。普通に考えれば、民間で活動が難しいところに行くのが軍隊なのではないかと思うが、どうも反対のようだ。民間はすでにより支援が必要な地方で活動を始めている。ODAやNGOが先行、自衛隊がその後を追うと云う現象はあまり他の国では聞かない。
国連のPKO活動に日本がどの程度貢献しているかと云う数字がある。
この外務省の資料によると日本の貢献度は50位。上位は国連PKOに自国軍を派遣することで軍人の食いぶちを国連に負担してもらおうと云うモチベーションの新興国、途上国が占めているとは云え、50位は余りにも残念。今回の南スーダンへの派遣でおそらく順位はあがるだろう。現地における実際の活動で先方の高い評価を得て、日本の国際貢献のアピールが出来ればと思う。
セネガル民主主義の成熟 2012.03.26
セネガル民主主義の危機 2012.02.18 コメント(5)