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栞_shioriさんComments
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昨日、今日と韓国出張。9月に続いて今年2度目の出張だ。韓国は2009年に先進国クラブであるOECD(経済協力開発機構)の一つの委員会であるDAC(開発援助委員会)に加盟した。日本の加盟は1961年なので実に50年間「次の」アジアの国の加盟を待っていたことになる。
韓国のDAC(開発援助委員会)での活動は活発だ。11月末に釜山でDACのハイレベルフォーラム(HLF4)が開催され、援助の効率性に関する議論が行われる予定であるが、韓国はホストカントリーとして重要な役割を果たそうとしている。実に頼もしい。
韓国の援助はこれまでアジア諸国に対するものがほとんどであったが、OECD加盟に伴い、援助が必要とされるアフリカへの援助も拡大している。そのため、今回は韓国の関係機関と意見交換を行い、将来の連携について議論を進めてきた。
韓国には途上国の開発の実施機関として技術協力と無償資金協力事業を担当する韓国国際協力団(KOICA)、借款事業を担当する経済開発協力基金(EDCF)がある。日本では国際協力機構(JICA)が一元的にこれらの事業を担っているが、2008年の組織統合(技術協力と無償を担当するJICAと借款を担当するJBICの海外経済協力部門の統合)前の姿に似ている。
ただ、今回改めて感じたのは韓国開発院(KDI)の存在の重要性だ。KDIは300余名の職員を擁する研究機関で韓国の開発に関する経験の体系化を図り、それを途上国の開発に役立てようとしている。このような研究機関は日本にはない。
KDIは途上国の要請や国際機関の委託で主に政策レベルの協力を行っている。日本では政府(各省庁)、JICA、大学等の研究機関に分散している協力を取りまとめて実施しているイメージだ。
もちろん、実際にはKDIも韓国政府やその他の研究機関との関係は綺麗事ばかりではないだろう。しかし、政府として開発に関する研究組織を一元化している点では日本よりも一歩も二歩も進んでいると感じた。
その韓国はアフリカへの関心を深めており、今回訪問したどの機関もそれぞれ積極的に動いていることが確認でき、日本との連携も期待している。
これまで開発援助の世界では欧米諸国が先行し、それを日本が追うと云う構図があった。日本が出る杭になると打たれた。アジアの開発思想なり、経験なりを披露しても日本だけの経験と理解を得るのに苦労してきた。しかし、今後は韓国と組むことが可能になった。特にアフリカにおいては日韓の利害もぶつかることは少ないため、連携もスムーズだろう。この機会に相互理解を深めて具体化を進めてみたいと考えている。