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残り7試合。オリックスをとらえての最下位脱出は、ちと難しい状況になってきましたが、個人打撃部門を狙える選手が多いのは、最終戦までの楽しみの1つになります。リックは、いよいよ首位打者を射程圏にとらえています。好不調が少ない安打製造機です。ノムさんに「ホームランを打てない外人はいらない」と散々言われているのが、聞こえたんでしょうか。オールスター明けからは、1本もなかったホームランを4本も打ちました。「打とうと思えば打てるんだぞ」というアピールかもしれませんね。打撃上位10傑に常連となった鉄平、高須は、3割どころか、規定打席到達もプロ初の快挙になります。3割で終わることができれば、チームのレギュラーとしてだけではなく、球界に認められる選手になるでしょう。両者に共通するのは基本に忠実で、決して派手ではないこと。しかし、中日でチャンスがなかった鉄平のブレイクぶりは想像もできませんでした。こっそり「新人王」とかもらえませんかねえ。性格もおごらず、謙虚。勝っても負けても、記者にはいつも変わらぬ対応をしてくれる選手の1人です。一言でいうと印象は「素朴」とでもいうんでしょうか。先日、テレビのインタビューを受けたそうです。某アナ「すいません、街頭インタビューでアンケートをお願いしてるんですが、ご職業は?」鉄平「一応、プロ野球選手しています」某アナ「すいません、大変失礼しました」こんな爆笑シーンが、仙台市の町中で繰り広げられたそうです。見たかったあ。「普通オーラ」さく裂の鉄平らしい、ほほえましいエピソードです。応援では、鉄平の若い頃の目標で、せっせとモノマネに励んだといわれる左打ちの天才打者イチローにあやかってか「せーの、てぇっぺぇ~い~」というかけ声で親しまれています。今年の活躍を足がかりに、鉄平はどこまで成長していくんでしょうか。イチローは独特のオーラを放っていますが、鉄平は将来、どんなオーラを放つ選手になっているんでしょうか。鉄平の台頭は、楽天の今年一番の収穫だったと思います。【柴田猛夫】
2006年09月20日
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