マスコミ情報によると、小沢さんは6年前に碁を覚えて主に棋士に教えてもらっているとのこと。本で手筋や形など勉強する時間などあまりないだろうし、実際棋譜を見ると所どころでかなりのヘボ手が飛び出すのに、全体として見事にまとめているのに感心した。
置き碁の打ち方を教えられる思いがする。これは、最初からプロに碁の考え方を教わっている効果なのか、それとも本人の特殊な才能なのだろうか。
黒24~28
少しずつ甘いけれど面白い。特に28。このラインでまとまれば十分であるし、白がチョッカイを出してくれば、中央~下方面で黒が主導権が取れる。全局的な判断に基づく作戦なら素晴らしい。
黒38
以前依田9段との碁では、ひたすら囲うイメージだったけど、この手にはびっくり。簡単に言うこと聞きませんよという姿勢を見せた。その後数手の打ち方は上手とは言えず白49まで白が厚くなったけれど、結果的に先手で利かす予定だった白が後手になった。ただ受けるよりずっと良い。
黒54
ここも受けずに反発。56からのチョッカイは成果がなかったけれど、54の一発は全局的に利いた。
黒68
ここで突然初級者の手が飛び出したのは御愛敬。
黒80~86
この辺り、かつて対決したクレージーストーンを思い出した。中盤で石のつながりを重視した厚い打ち方。
黒90~92
このまま何もしないのでは厚く甘いままジリ貧だが、下辺方面の厚みを生かして強烈な攻撃だ。ここで完全に黒が主導権をつかんだ。
黒102~106
ちょっと暴走気味だけれど、下の厚みが利いている。
黒122
本当に暴走してしまい下がズタズタに。この辺り見ると、しっかりした読みができているわけではない様子だ。
黒132~142
何とも絶妙な手順で左辺をまとめてしまった。何たるチーア。素晴らしい。
白149
当然白は緩めて打っているはずだが、ここまでは、あまりあからさまな緩め方はしていない。しかるに、149にはびっくり。白150で簡単に手になる所だから、いくら何でもあからさまだ。棋譜が残る碁で日本の棋士ならこういう緩め方はしないと思う。韓国では普通なのか、それとも敢えてこの手を打って緩めていることをアピールする必要があったのか?ちょっと興味深い。
依田先生が言う「棋力差よりたくさん置かせる能力」と対比させれば、「棋力差より少ないハンデで勝負できる能力」なのだろうか?部分的に簡単に損しても全局的な厚さを維持するところ、好手悪手の落差が大きく上手からの見切りを難しくしている点、など何故かクレージーストーンと重なるのも面白い。
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