仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

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2009年03月03日
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 昨日の新聞に愛知県の古紙卸売業の工場で、男性従業員が圧縮した古紙の塊から血がにじんでいるのを見付けて警察に届けたそうだ。警察の調査の結果古紙の塊の中で、高齢者の男性が死亡しているのを発見したそうだが、遺体は衣服を着ており、古紙卸売業敷地内のプレス機で、圧縮された古紙の塊に挟まれていたそうだ。古紙の塊は縦1メートルで横2メートル・高さ1.1メートルの大きさで、重さ約900キロ近くあったそうだが、この町で回収した段ボールや古紙だったそうだ。

 会社関係者の男性は「悲鳴など変わったことはなかった」と証言してしているそうだが、今日の新聞によると圧縮された古紙の塊から遺体で見つかった男性は、元同社アルバイト従業員だったそうで、この高齢者の男性は先月末までこの工場で働いていたそうだ。この高齢者の男性は事故当日の昼に、自宅から外出するのを妻が確認して以降の足取りは分かってないそうで、刺し傷などの外傷がないことやトラブルの情報がないことから、警察によると事件性は小さく、何らかの原因で機械に巻き込まれた事故の可能性が高いとみているとのことだった。

 私はこの記事を見たときに大正15年に書かれた、プロレタリア文学の旗手として知られる、葉山嘉樹の出世作である「セメント樽の中の手紙」のことを思い出した。セメントを作る機械と古紙を圧搾する機械がダブってしまったのだ。私はこの短編小説をプロレタリア文学というよりも、ホラー小説と思っているのだが、ある女流作家によると「ラブストーリーだと思った」と述べているのだ。たしかにそう読めなくもないが、私は最後の女工の言葉などから、怖さの方が強いと思っているのだが、全体的な印象では女性の愛情の方を、大きく感じる人もいるかもしれないだろう。(今の世情にあった話には違いないが・・・)

 プロレタリア文学といえば、昨年は小林多喜二の「蟹工船」が一躍有名になったようだが、私はこの作品のほうが全体の構成や文体をはじめ、細部にまで非常に気を配ってつくっていることから、よく出来た作品だた思っているのだ。特に途中に女工の手紙を挿入する形式を取ることによって、私たち読者に直接訴えかける効果を狙っているし、「あなたもお気を付け下さいませ」というこの最後の言葉が、すでにこのセメント工場では、作業員の何人もの人が、セメントになって各地の建築物になっている事実を、暗に示しているところなど素晴らしいと思うのだ。そんなことを思っていると、やはり同じことを考えている人は多いもので、今年は「蟹工船」から「セメント樽の中の手紙」かもしれない。





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最終更新日  2009年03月03日 23時20分48秒
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