これでトヨタのエンブレムを装着した軽自動車が、街中や地方道路を走る時がきたということになるわけなのだが、これまでトヨタは除軽市場を貫いてきており、軽自動車の特別優遇税制に対しても異を唱えてきただけに、今回の軽自動車販売の発表は業界内で衝撃ともとれるニュースとなっているそうなのだ。「エコ」というワードが日に日に強調される昨今の自動車市場なのだが、マイカーのダウンサイジングを考え新たに軽自動車を求めるユーザーは年々増加傾向にあるそうなのだ。このOEM供給は即ちそんなトヨタのクルマを乗り継ぐユーザーが、グループ外の軽自動車へ移行することを防ぐ手段といわれているのだ。
エコカー補助金が終了となってから、トヨタ自動車は独自には全国の系列ディーラーをバックアップする5万円の奨励策を打ち出して現在も展開中だといわれているが、なんとか自社モデルの販売台数減少をくい止めたいとおもっているそうなのだ。現在トヨタ自動車では「パッソ」という最小モデルを有しているが、今後は「パッソ」よりも下のダウンサイジングモデルがトヨタディーラーに並ぶことになるのだろう。これまで上級クラスからダウンサイズしてくるユーザーを「スターレット」から始まって現在の「パッソ」で何とかくい止めることができたのも、今後はそう簡単にいかなくなることは予想がついた結果だろう。
確かに軽自動車への乗り換えを考えるユーザーを、この「ピクシス スペース」でトヨタブランドに引き止める口実はできたが、果たしてディーラー側はこれをどう受け取るのだろうかどうかはコケからの販売手腕に掛かっているといっていいだろう。トヨタ自動車自体も販売台数を年間6万台と想定しているが、軽自動車市場に期待しているというわりには、少ない販売目標台数という気がするとの指摘も業界からは聞こえてきているみたいなのだ。この「ピクシス」というのは英語で「いたずら好きの妖精」を意味する「ピクシー」からとった造語だそうなのだ。
トヨタ自動車の一丸副社長は記者会見で「軽自動車市場に参入することは、トヨタブランドのラインナップの拡大を図ると共に、グループ全体の生産台数増加にも貢献できる。また軽自動車を扱うことで、この市場のさらなる活性化と、トヨタユーザーの軽自動車を望むニーズにも応えたい」とする考えを示したそうなのだが、私のように車にはあまり関心がなくて、サッカーに興味がある人間にはトヨタ自動車で「ピクシー」といったら、Jリーグは「名古屋グランパスエイト」の監督をしているドラガン・ストイコビッチ氏のことを思い出してしまうのだ。
もっともドラガン・ストイコビッチ氏の愛称である「Pixy」は少年時代に見ていたアニメ「ピクシー&ディクシー」の主人公のネズミの名前に由来しているそうで、本来のつづりは「Pixie」だそうなのだが、「Pixy(妖精)」というつづりはメディアがかってに付けたものだといわれているのだ。この愛称もファンが彼の現役時代のプレーに魅了され、応援団のコールで叫ばれる名前を「ストイコビッチ」から「ピクシー」に変えたことから始まったとされており、彼の「名古屋グランパスエイト」での活躍から、2001年9月には豊田スタジアムの北10番ゲートが「ピクシーゲート」と命名されているのだ。
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