仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

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2014年08月21日
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 国土交通省の「国土のグランドデザイン」によれば、2050年には現時点で人が住んでいる地点の63%で人口が半分以下に減るという結果が出ているそうなのだ。少子化が進み高齢者が亡くなると人口そのものが減る地域が拡大し、人が減れば地元経済も衰退し働き口をなくした若者が大都会に流出する悪循環に陥るのだ。新藤義孝総務相は閣議後会見で「極めてショッキングな数字だ」と感想を述べたというのだが、その上で「人口そのものが減る地域が拡大していく問題の根本である出生率を改善しなければならない」と述べ、少子化・子育て支援などの政策を充実していく考えを強調し、「消滅」の危機にさらされている地方を立て直すため政府が本腰を入れ始めると語ったそうなのだ。

 新藤義孝総務相は「過疎地で新しい取り組みがあれば、転居してくる人が出てくる。自治体を形成できる活力が維持できるかは、まだ努力の余地がある」と指摘して、情報通信技術などを活用した地域活性化の成功事例を増やしていくことに意欲を示したというのだ。また安倍首相を本部長とする「まち・ひと・しごと創生本部」を9月にも発足させ、秋の臨時国会に地域支援のための関連法案を提出する方針だというのだ。少子化や人口減少をただちに止める秘策はないとされていることから、人口の将来推計を見る限りすべての地域が「消滅」の危機から脱することは難しく、いまだに地方の立て直しというと「地域経済の活性化には大型公共工事の増額しかない」といった旧来型の対策を求める声がなくならない。

 総務省は20万人以上の「地方中枢拠点都市」を軸に周辺自治体が協約を結び連携する構想を描いており、国土交通省も複数の都市を鉄道や高速道路で結ぶ「高次地方都市連合」構想を持っているそうなのだ。国土交通省は過疎集落にも目を向け歩ける範囲に商店や診療所を集める「小さな拠点」も提唱しているのだ。これらに共通するのは地方が生き延びるには、ある程度の都市規模が必要との視点である。いま問われているのは一時的な景気浮揚策ではなく人口減少や高齢化に耐え得る社会への作り替えで、具体的方策としては拠点となる都市を定め人口集積を図ることで、政府は「国土の均衡ある発展」といった幻想を振りまくことをやめて何十年も先の社会を見越しての対応を取る必要があるというのだ。

 しかしこうした一部の自治体に人口を集める構想には、人口を送り出す周辺自治体の抵抗が強く「切り捨て」にされるとの警戒なのだ。地方の存続には若者をつなぎとめ大都市に出た若者を呼び戻すことが必要なのだが、美しい景観や伝統・文化の掘り起こしなど街の魅力を高めるだけでなく、最重要ポイントは若者が働きたくなる職場の創出だとされている。安定した仕事がなければ若者は定着できないことから、企業誘致だけでなく起業支援や地域ブランドの育成も急がれるのだ。人口を大きく減らす自治体が十分な行政サービスを続けることは困難で、現状の市町村の線引きを乗り越え拠点都市と役割分担してネットワークを構築することが、結果としてより多くの自治体や集落を存続させることになるのだ。

 第2のポイントは市街地の「にぎわい」で、街に活気や刺激がなくては若い世代を引きつけることは難しい。「国土のグランドデザイン」によれば3大都市圏を除く地域では、10万人以上の都市を核とする「30万人都市圏」に百貨店や映画館・大学・救命救急センターといったサービスが存在さすことが地域の発展に寄与するというのだ。見方を変えればこの規模を割り込むとサービス内容によっては企業が撤退を検討し始めるということで、いかに「30万人都市圏」をつくるかが地方生き残りの目安の一つともなりそうなのだ。「にぎわい」は若者の雇用確保とも密接に関係しており、大型商業施設や病院などは若者の雇用の場で、これらが撤退や倒産に追い込まれたのではそこで働く若者たちが職を失うというのだ。

 ポイントの3つ目は子供を産み育てやすい環境の整備で、次世代が生まれなければ一時的な人の寄せ集めに成功したとしても再び減ることになるのだ。14歳以下の子供の数は1633万人で33年連続の減少しており、主要国では最低水準で少子化に歯止めがかからない状態は改善される様子もないのだ。拠点都市を「ミニ東京」のごとく膨張させたのでは人のつながりは希薄になり、子育てと仕事を両立させることもできない。大都会では味わえない「ゆとりある暮らし」を選択できるようにすることが新たな魅力となるというのだ。今後若い世代は全国的に減ることから「消滅」の危機を乗り切るには、大都市はもちろん地方都市同士の「若者争奪戦」にも勝利しなければならないのだ。






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最終更新日  2014年08月21日 12時29分40秒
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