仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

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2017年07月26日
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人手不足で生産やサービスを制限するケースが運輸業だけでなく、製造業も含めて広がりを見せてきたそうで、国立社会保障・人口問題研究所によると15歳から64歳までの労働力人口は今年の7578万人から10年後には7071万人に減少し、さらに6875万人まで落ち込むという予想がなされている。このまま労働力不足が継続すれば15年後には日本の潜在成長率はゼロ%ないしマイナスに落ち込むとの試算もある一方で、人口減少は市場規模の縮小を招き製造業を中心に雇用の固定化は「人余り」につながるとの予測もあるというのだ。将来の日本経済は労働需給のミスマッチがさらに拡大しそうだとされ、少子高齢化が進展するといずれは労働力人口が減少していくことが予想される。

そうなると産業活動の担い手が不足し供給力不足に直面することになるため、日本の経済成長が阻害されることが懸念されている。特に少子化が予想以上の速度で進んでいることもあってある経済官庁の幹部は、人手不足が特定の業種から幅広い分野に広がるようなら生産や成長率に悪影響が出る可能性があり、そうした点を注視していくとの見解を示している。ある調査によるとあらゆる業種で事業制約への懸念がうかがえる結果となったそうで、人手不足により今後3年間に事業を制限せざるを得なくなるとみている企業は全体の17%に達しており、私の所属している建設業では「現場で派遣の期間工確保に困窮している」状況で、「現場技術者の不足による受注活動の制約を懸念している」というのだ。

労働力が減少する中で成長力を維持するためには労働力を効率よく配分し、また産業構造の転換を図ることによって労働生産性を高めていくことが必要であると考えられているが、技術革新を進めることで労働 力の不足分を補うことができれば、日本の基礎的な成長力を維持することができるという考え方だという。このため規制緩和や様々な改革を進めることが必要不可欠であるとされているが、「労働力の減少」は必ずしも「労働力の不足」と同義ではなく、場合 によっては労働力が減少する中にあっても余剰労働力が発生する可能性はあるという。「需要」が十分に伸びなければこれまで考えられてきた労働力不足への対 応策が、将来的にはむしろ大幅な過剰労働力を生み出してしまうことにもなりかねないとの懸念もなされている。

例えば外国人労働者の市場参入や、定年延長の導入や社会保障制度の拡充を通じて女性の労働参加を促進させるといった方針が打ち出されるなど、将来的な労働力の確保のための政策が喫緊の課題となっているそうなのだが、政府は女性や高齢者の労働市場への参加を促進し労働力不足に対応しようとしている。ところがその程度のプラス要因では急速な労働力人口の減少を補えないとみており、民間企業では製品やサービスの高度化と合わせ人手不足への対応策として人口知能やモノのインターネット化の導入を始めているというのだ。政府も高度外国人材の呼び込み、中堅技術者の学び直し、小学校でのプロミング授業の導入などを打ち出しているが効果を期待できるのは20年代に入ってからとなりそうなのだ。

足元における人手不足と全く対照的な「人員過剰」を心配する声も産業界では出ているが、ある与党議員は製造業経営者を呼んだ勉強会で、2020年以降に予想される国内市場の急速な縮小を展望すると、「短期的な人手不足で雇用を増やすと、5年後以降に大幅な人員余剰になる可能性があり、それを懸念する声が多かった」ことを明らかにしている。「日本では生産量が低減するため、現在の人手不足は大きな支障ではない」との声や、「日本人の人口減少に対し、外国人労働力の利用を真剣に考えるべきだが、内需縮小の中で将来的にどれぐらいの補充が必要になるか判断が難しい」と悩む声が聞かれたそうなのだ。ただ冷静に見守る考えを示す政策当局者もいるというのだ。

そこには「むしろ省人化投資などが次第に増加することで、労働生産性を向上させ、わが国経済の一段の成長を促していく要因になる」と語った他方で、今後の日本経済でウエートが高まるのは高齢化に伴って介護・医療、サービス分野だとの見通しも根強くあるとされている。こうした分野では人手不足が恒常化する可能性があることから、需要に見合った労働力の分配が必要になってくると言われている。将来的な対応策を策定するに当たってはその可能性も考慮に入れ労働力が不足する場合だけでなく、余剰となる場合も想定しておく必要があるということのようなのだ。労働生産性の上昇を目指しながらも結果的に需要不足によってその低下を受け入れざるを得ない可能性も否定はできないというのだ。






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最終更新日  2017年07月26日 03時35分17秒 コメントを書く


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