緑茶は世界に誇れる日本の文化の一つで「緑茶がダイエットに効く」とか、「緑茶でうがいすると風邪の予防になる」といったうれしい話を耳にする機会が増えているが、緑茶を飲む習慣が死亡リスクを減らし長寿につながるという研究結果が国立がん研究センターから発表され、マスコミなどで大きく取り上げられているという。緑茶の健康効果についての研究が国内外で進行しており、がんや循環器疾患にかかっていなかった 40 ~ 69 歳の男女約 9 万人を約 19 年間にわたって追跡調査した結果、緑茶を飲む量が多くなるほど死亡率が下がることが明らかになっているそうなのだ。さらに死因別で見ると心疾患・脳血管疾患・呼吸器疾患では緑茶を摂取する量が多くなるほど危険度が有意に低下しているそうなのだ。
つまり緑茶に秘められた健康パワーが次々と明らかになってきており、緑茶を飲む習慣が死亡リスクを減らし長寿につながるということでは、どんな成分が健康効果をもたらしているのかというと、まず挙がるのが緑茶の渋み成分の「カテキン」だというのだ。カテキンは植物中に数千種類あるといわれる「ポリフェノール」の一種で、緑茶の渋みの主成分とされ、カテキンにはダイエットや血圧・血糖値の抑制から抗菌や抗ウイルス効果にいたるまで、様々な作用があるといわれているというのだ。大妻女子大学名誉教授の大森正司さんによると、カテキンの健康効果の秘密の 1 つは吸着性の強さで、「口に含めば虫歯菌にくっつき増殖を抑え口臭を防ぎ、うがいをすればウイルスの体内への侵入を防ぐ」というのだ。
2 つ目は体内で生まれる活性酸素を消去する抗酸化機能で、ストレスや紫外線に疲労などによって発生した活性酸素を消去する作用が期待できるという。カテキンの血中濃度は緑茶を飲んだ後およそ 1 ~ 2 時間でピークになるそうで、緑茶を机においてちょこちょこと飲むのがいいというのだ。また肝臓は活性酸素に極めて弱い臓器でストレスの影響も受けやすいのだが、そこで患者さんに勧めしているのが緑茶で、緑茶に含まれるカテキンには肝臓を攻撃する活性酸素を消去する強い抗酸化作用があるというのだ。つまり肝臓をダメージから守ってくれるというわけなのだが、最近頻繁に取り上げられるようになった注目の成分が、うまみ成分の「テアニン」だというのだ。
テアニンにはリラックス作用があってストレス緩和や睡眠の質を改善する効果なども期待できるといわれているが、「機能性表示食品」制度ではテアニン入りの食品が複数登場し脚光を浴びているそうなのだ。。テアニン入りの水溶液を摂取後 40 分くらいすると脳波にアルファ波が出るという研究結果があり、さらに摂取後 40 分後くらいまで副交感神経の活性度が増すことも明らかになっているそうなのだ。テアニンをしっかりとりたい場合は「氷水出し茶」にするといいそうなのだが、低温で抽出すると渋み成分であるカテキンが少なくなるため、テアニンによるうまみがより強く感じられるというのだ。この 2 つの成分のほかにも緑茶には「カフェイン」や「ビタミン C 」に「βカロテン」・「ビタミン E 」など様々な成分が含まれているというのだ。
これらが複合的に働いて死亡リスクを低下させていると考えられているが、「血液をサラサラにするには、血液の材料となる日頃の食事を改善することが極めて大切です。なかでもお茶は、食品と健康という視点で考えたときに基本中の基本となるとても重要な存在です」という。このように効果の高い日本の緑茶の生産量と国内消費量は減少傾向にあり、緑茶を飲む習慣は徐々に失われつつあるというのだが、家庭でも急須で丁寧にお茶をいれる習慣が減っているそうなのだ。しかし数々の健康効果があるうえに値段が安く摂取しやすい緑茶を利用しないということはもったいないとされており、日本人だからこそ緑茶を積極的に摂取して健康に生かしていくことも考えるべきだという。
キーワードサーチ
コメント新着