数十年以上の長期的な傾向として日本でも大雨の日数が増えているそうなのだが、梅雨が終わりに近づくと南西の方から暖かくて湿った空気のかたまりが押し寄せ、さらに南からも暖かい湿った風が吹きつけてこれが大雨をもたらすという。これまでは「七夕豪雨」というと昭和 49 年の7月7日に起こった静岡県静岡市付近に発生した集中豪雨のことだったのだが、この時は静岡市の 24 時間連続雨量は 508mm を記録しこれは静岡地方気象台観測史上最高記録となっているそうなのだ。この雨により静岡市内を流れる河川では各所で堤防の決壊や氾濫が発生するとともに崖崩れに土砂崩れが発生し、死者 27 名の全壊・流出家屋数 32 戸をはじめ床上浸水 11,981 戸や床下浸水 14,143 戸もの被害となる大規模な災害となったという。
今回の大災害を起こした豪雨だが活発な梅雨前線の活動による記録的な大雨は何日も降り続いき、各地で土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ被害が拡大しているが、昔から梅雨の大雨は西日本で起こりやすく、特に九州や中国・四国地方に多いとされてきた。約 300 人の死者と行方不明者を出した 1982 年の長崎豪雨や 2012 年の九州北部豪雨など大きな被害をもたらす災害がたびたび起きているという。昨年起こった九州豪雨で多くの犠牲者が出た福岡県朝倉市と東峰村で自治体主催の追悼式があったという。梅雨の大雨による二次災害を警戒しながら犠牲者を悼み防災と復興への誓いを新たにしていたそうなのだが、被災地の社会インフラの復旧や生活再建は道半ばという。
昨年の九州豪雨では中小河川の流域で相次いだ山崩れで大量の土砂と倒木が流出し今も撤去作業が続いており、国土交通省によると土砂量は推計でヤフオクドーム約6杯分の1065万立方メートルで、約半分の作業を6月までに終えたが未だに全てを取り除くめどは立っていないといわれている。今年も西日本を中心に記録的な大雨が続き土砂災害など被害が拡大していることを受け政府は首相官邸で関係閣僚会議を開き、その席で安倍首相は「人命第一の方針のもと、被災者の救命救助に全力を尽くしてほしい」と述べ、被災自治体と連携して住民の避難や被災者の生活支援だけでなく、ライフラインの復旧などに取り組むよう指示したが、本人は宮崎県と鹿児島県への出張する予定を中止したそうなのだ。
首相官邸で行われた関係閣僚会議には小此木八郎防災担当相や菅義偉官房長官らが出席しており、その席で安倍首相は「先手先手で被害の拡大防止に万全を期してほしい」と述べ、首相官邸の危機管理センターに設置した官邸連絡室を官邸対策室に格上げし、情報収集や初動対応にあたるとともに、各被災地からの災害派遣要請を受け自衛隊の部隊や警視庁の機動隊の派遣をしたという。 菅義偉官房長官も緊急記者会見を開き記録的な大雨で土砂崩れに巻き込まれた人など救助が必要な事案を約100件以上把握していることを明らかにしたという。菅氏は「警察、消防、自衛隊が約4万8千人の態勢で人命第一に捜索救助活動にあたっている」と述べ、政府の関係閣僚会議を次の日の朝にも開き対応に万全を期すと説明したという。
また菅義偉官房長官は「今後も過去の大雨を大きく上回る記録的な大雨になる恐れがある」として、「自治体や気象台が発表する避難勧告や気象情報に留意し、安全確保につとめてほしい」と呼びかけたという。今回の大雨で私の住む愛媛県では被害が次々と明らかになっているそうなのだが、大洲市や西予市内を流れる肱川が各地で氾濫し、西予市野村町で川に流されたとみられる59~82歳の男女計5人の遺体が見つかったという。また松山市の離島の怒和島の上怒和地区でも崩れた土砂が住宅に流れ込み住人3人が巻き込まれ、安否不明だった母親と小学3年と1年の女児2人と確認されたという。宇和島市吉田町でも土砂に埋まった3人が死亡したそうで、死者18名の行方不明10名となっているという。
キーワードサーチ
コメント新着