40 代を超すと飲み会の席でも「病気」の話題も増えてくるし、私のように60歳を超えると病院通いも話のネタになってくるが、三大成人病などメジャーな病気に注意していても耳慣れないマイナーな病気に足元を掬われてしまうことも多いという。その中で私は酒類が大好きなのであまり関係がないが「非アルコール性脂肪肝炎」という病気があって、北青山 D クリニックの阿保義久院長によれば近年患者数の増加が著しいというのだ。脂肪肝炎というとどうしても過度な飲酒が原因というイメージがあるが、最近ではアルコールが要因ではない脂肪性肝疾患「非アルコール性脂肪肝炎」の患者が増加中で、「非アルコール性脂肪肝炎」だけでなく予備軍の患者は日本で 1000 万人もいると推測されているそうなのだ。
たかが脂肪肝と放置していると生命にかかわる事態にまで発展するそうで、非アルコール性脂肪性肝疾患の原因のほとんどは生活習慣の乱れやストレスに運動不足など、メタボリックシンドドロームの原因と同じだという。メタボの肝臓における表現形とも言ってよく肝臓が生活習慣の乱れで被害を被って悲鳴をあげている状態だという。阿保義久医師は「脂肪肝とは肝臓がフォアグラのようになる状態になることです。この状態から病状が進むと、肝臓の繊維化そして肝硬変につながっていく。最終的には肝臓がんへと進行するリスクもあります。肝臓への負担は主に飲酒が原因と考えられがちですが、非アルコール性脂肪肝炎は飲酒習慣がなくてもメタボリックな人なら誰でも罹患している可能性がある」という。
肝臓は「沈黙の臓器と呼ばれているので自覚症状がほとんどないことも注意を要するポイントなのだが、「自分は酒を飲まないので肝臓は大丈夫」との思い込みは禁物だそうで、「まずは食生活を見直して、暴飲暴食をさけること。そして、定期的な健康診断を心掛けること。最近の医学において肝臓の疾患は早期に発見できれば対策は十分に可能です。中年太りが気になりだしたら、腹回りだけでなく肝臓も気にしてください」とアドバイスしている。内臓脂肪組織は余分な栄養を脂肪として蓄えるために存在するそうで、人体最大の内分泌臓器とも言われ生活習慣病を改善させようとする善玉ホルモンと、肥満になった脂肪組織から余計な脂肪酸や全身に炎症を起こすと考えられている悪玉ホルモンを分泌するという。
「非アルコール性脂肪性肝疾患」や「非アルコール性脂肪肝炎」は血糖値の異常や 2 型糖尿病と強い関連があるそうなのだが、「非アルコール性脂肪性肝疾患」と「アルコール性脂肪肝炎」と区別することが重要だという。「アルコール性脂肪肝疾患」の原因となるお酒の量は 1 日のエタノール摂取量で男女別におおまかに決められており、 1 日の飲酒量の基準は男性が 30 g で女性が 20 g だとされ、ビールでいうと男性は大瓶 1 本で女性は中瓶 1 本以内であれば非アルコール性だぞうなのだ。これに対しビールを 1 日 1.5L 以上飲む場合は、アルコール性とみなされるそうなのだが、お酒を飲まなくても人間ドックで空腹時の血糖が 110 mg/dL 以上の受診者の約半数が、非アルコール性脂肪性肝疾患を有していたと報告されているという。
沈黙の臓器のか細い悲鳴を聞き逃してはならないということなのだが、多くのひとが実践できる治療法としては食事運動療法による減量が効果的だという。運動は 1 週間に 150 分以上が望ましいとされているそうで、たとえ 1 日 5 分でも 10 分でもいいので体を余計に動かすことがよいというのだ。筋肉は第 2 の肝臓と言われ筋肉が増えると代謝がよくなり、特に糖代謝においては全身の糖質の約 7 割は骨格筋で消費されると考えられおり、運動で骨格筋を増やすことは「非アルコール性脂肪性肝疾患」の改善につながるという。運動は軽く汗をかく程度の有酸素運動がよいと言われているが、レジスタンス運動と言って、じっくり筋肉を鍛える運動であるスクワットなどの筋トレも効果があると言われている。
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