お昼過ぎ 14 時ごろにやってくる「眠気」だが、よく「お昼ご飯を食べると、その消化のために胃や腸に血流が集まり、脳に行く血流が減るので眠くなる」といわれているが、医学的にはどんな状況であっても「脳への血流」は第一に確保されることがわかっているという。「ランチ後にやってくる眠気」は厳密にいうと「眠気」ではなく満腹感からくる「気だるさ」だそうで、ランチは午後に眠くなる要因ではなく 14 時ごろに眠くなるのは 「アフタヌーンディップ」と呼ばれるヒト固有の生理機能だというのだ。ランチは「食べても」「抜いても」その後眠くなるそうで、この気だるさを助長しないためにもランチにヘビーミールをとるのは避けたほうがよく、あまりに重い食事をとるとオレキシンなどの覚醒系物質の働きを抑制してしまうという。
この 「アフタヌーンディップ」という午後 2 時の眠気は、子ども・成人さらに高齢者でも認められる現象で、もちろん健康な人でも1日のうち午後2時頃に眠くなってしまう現象のことで、原因は「睡眠負債によって睡眠圧が増してくること」と「体内時計の問題」とされている。どうすれば眠気に勝てるのかというとそれは覚醒系を司る神経細胞を利用することで、覚醒時にはそれに伴ってさまざまな生理現象が生じるため、複数あるニューロンはそれぞれ役割が分担されているというのだ。つまり醒を呼び戻すにはそれぞれのスイッチをオンにすればよいのだが、そのやり方の1つが「ガム」で噛むことで脳は活性化されるという。また「コーヒー」も定番のスイッチで緑茶や紅茶にもカフェインは含まれておりとくに抹茶の含有量は高いという。
この「アフタヌーンディップ」という眠気に対してラテン系の国では、「シエスタ」という昼寝の習慣を作りだしたそうで、実際にスペインなどを旅行していると午後に店が閉まっていることに驚かされるという。人の生理的な現象を受け入れてしまう文化ということのようだが、眠気を吹き飛ばすためにアフターヌーンティーのようなお茶とお菓子を楽しんで、眠気を克服しようという方策がとられているとという。「眠くなったらコーヒー」は定番の眠気対策なのだが、「カフェインが眠気に効く」ことは広く認識されていて、事実飲むと基礎代謝が上がり覚醒モードに体が切り替わる働きが高いとされている。さらに「睡眠時は体温が下がる・覚醒時は体温が上がる」ことを踏まえると、アイスコーヒーよりもホットコーヒーのほうが覚醒度も上がるという。
確かにカフェインには覚醒作用を強める働きがあって事実世界でもっとも消費されている「覚醒物質」だが、コーヒー以外にもカフェインがたくさん含まれている食べ物・飲み物があるというのだ。「カフェインといえばコーヒー」というイメージが強いのだが、カカオ豆からつくられるチョコレートやココアはもちろんのこと緑茶や紅茶・抹茶にも含まれていて、特に抹茶の含有量は高いことが証明されているそうなのだ。日本でも昔から「御八(おや)つ」という考え方があり、八ツ時の眠気を経験的に知られていたためそれをおやつの時間にして、乗り越えようとしていたというのだ。おやつの時間を上手に使い眠気を吹き飛ばすために脳へブドウ糖の補給も行えるチョコレートを食べるという行為は仕事にプラスになっていくという。
また「よくかむ」ことも覚醒効果を高めてくれるひとつの方法で、マウスを用いた「かむことと体内リズムや睡眠」についての実験では、固形食の「よくかんで食べる」マウスには睡眠や行動パターンに昼夜のメリハリがあったというのだ。それが粉末状で与えた「かまずに食べる」マウスには昼夜のメリハリがなくなっていたそうで、活動期の睡眠量が通常のマウスより多くなり覚醒すべき時間に活発に活動しなくなったという結果が得られましたそうなのだ。この実験から脳には「かむと活性化する」性質があることがわかるそうで、ミントやカフェイン入りの覚醒作用のあるガムをかめば「覚醒成分の刺激」と「かむ刺激」の 2 つが同時に手に入るので、「アフタヌーンディップ」対策としてうまく活用したいところだとアドバイスしている。
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