仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

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2023年07月26日
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 昔は孫にお小遣いをあげるような感じで謝礼をくださるお年寄りがいたそうなのだが、医師がにっこり笑って嬉しそうに受け取れば患者さんも幸せを感じたことだったという。遺族からお礼をいただくこともよくあり、長らく診ていた年配の男性が亡くなられたあと家族がご挨拶に来てくださった折、故人の持ち物であった洋酒をいただいたという。病気がよくなったら飲もうと思われていたのだろうが、洋酒の味などわからない医師でもおそらく高価なものだとは分かったそうなのだが、これは突っ返せるわけがなくありがたくちょうだいしたそうなのだ。やはり長く診ていた年配の女性が亡くなったのち故人の作品である刺繍をいただいたこともあったそうで、桜の咲く風景を描いた心のこもった素敵な刺繍で、今でも家に飾っているという。

 日赤医療センターの化学療法科部長の著書のなかに「贈り物は喜んで受け取るべきである」という章があり、診察室や病室で患者さんから菓子や果物をすすめられたときに医師は「決して断ってはならず、礼を言ってもらった上で 、その場で食べなければならない」と書かれているそうなのだ。これが「臨床医の極意」なのだそうで、どうして極意なのかというと患者さんの立場に立って考えてみるとよくわかるそうで、自分が差し出した食べ物をお礼と言って快く食べてくれる医師とせっかくの厚意をむげに断る医師とではどちらが信頼できるかだという。患者からの厚意を断るのはある意味では失礼で、気を悪くするどころか怒り出す患者さんもいるが、お菓子でもお金でも厚意を断るのは失礼であることは変わりないという。

 病院の窓口できちんと決められた治療費などの金額を支払えばよく、医療従事者に金品を贈る必要はありませんし贈るべきではないのだが、ほとんどの病院で医師や看護師に対する謝礼をお断りしているそうで、「公立病院の職員は公務員にあたり、患者さんから謝礼を受け取ると収賄罪に問われる可能性がある」とか、「税法上は雑所得という扱いになり、申告しないと脱税になる」という理由がよく挙げられている。私立病院の医師は確定申告をすれば患者さんからの謝礼をもらってもまったく問題ないと言えるかどうかだが、謝礼を断らなければならない一番の理由は医療従事者が謝礼を受け取ることが習慣化すると、他の患者さんに「謝礼を出さないと不利益を被るかもしれない」という危惧を抱かせてしまうからだという。

 従事者へのお礼の品はささやかなお茶やお菓子も控えたほうがいいそうで、病院内で診察・回診中の医師なら「臨床医の極意」としていただいてもいいかもしれませんが、たとえば訪問看護ではそういうわけにいかないという。どうしてもお礼の気持ちを表したいのであれば手紙やハガキがおすすめで、封筒に手紙を入れて直接手渡すと要らぬ誤解を招くので、病院宛てに郵送するのがよいという。言葉を伝えるだけでは物足りないようだったら、院内の投書箱に「医師に親切にしていただいた」とか、「看護師ケアが素晴らしかった」などと具体的に書いて投書するとよく、それはよりよい医療やケアにつながるという。またどうしてもお金を渡したいなら医師個人ではなく病院や医療関係の非営利団体に寄付するのもよいそうなのだ。





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最終更新日  2023年07月26日 04時41分33秒
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