にしわき眼科クリニック。

にしわき眼科クリニック。

2011.05.21
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カテゴリ: 手術全般

 今日の日記は眼科専門医向けのやや特殊な内容を含むものとなっていますので御了承下さい。

 さて現在当院でデモさせて頂いている新型白内障手術機械のインフィニティですが、その特色である超音波の横発振によって、

1. 水晶体の核の動きが安定しており、まるで掃除機のように効率よく吸える。

2. 核を捕まえやすいのでUStipをあまり動かさずに処理が出来る。これは目の中の「セイフティーゾーン」のみで手術できることを意味し、従来型のマシンに較べて安全度が高い。

3. 術後の患者様の目の炎症が少なくて、手術した次の日から良い視力が出る場合が多い。

 などのメリットを十分に実感することが出来ました。ただし、このインフィニティの能力を発揮させるためには、

R0082802.JPG

↑ 上記のような先端の曲がった、従来型とはやや異なる特殊な道具(UStip)を使わなくてはならず独特の難しさもあります。

 また水晶体を効率良く処理するロジックも、従来型の機械とは少し異なります。

R0082806.JPG

↑ 何と言うか、「周りから攻めると◎」という感じなんですね。

 さてこのインフィニティの具体的な設定ですが、現在は白内障グレード3.5くらいまでの通常症例に対しては、

水晶体核の溝堀

R0082481.JPG

 ↑ 最初は横発振のみでOPしていましたが、どうもイマイチなので縦発振をリニア(一定)で20%入れてみました。ただどうもまだ少しもっさりした感じでしっくり来ないので、

R0082793.JPG

↑ 縦発振を20%スタートで最大40%、横発振を50%スタートで最大80%にしました。この設定だとほぼストレス無く掘れますが、逆に核の突き抜け(punchout)には十分な注意が必要です。

その後の処理

R0082482.JPG

↑ 最初は水晶体核を引き寄せる力を示す吸引流量を26でしていたのですが、私にはUStipを目の中のセイフティーゾーンからほとんど動かさないという癖があり(これは自分が何よりも手術の安全性を重視しているからですが、逆に効率が悪く時間がかかるという欠点でもあります)、日本アルコン社の設定のプロの方と相談しながら現在はその流量を30に上げています。

Ozil IP

R0082491.JPG

IA

R0082797.JPG

↑ 最初は吸引圧500、吸引流量26でOPしていましたが、私はIOL挿入時にヒーロン+ビスコートのダブルブロックをするため、挿入後に残ったビスコートが吸えない感じなので少し設定を上げました。この設定だとストレスがない感じです。

 という設定で手術を行っています。現在までに合計4日使用したのですが、設定を詰めていくことにより使い心地はかなり良くなりました。マシンの持つ能力の高さ、潜在力の凄さを実感していますが、まだもう少し設定を詰めて行かなくてはならないと感じています。(続く)






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最終更新日  2011.05.21 14:29:01


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