にしわき眼科クリニック。

にしわき眼科クリニック。

2011.05.26
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カテゴリ: 外来診療一般
 緑内障の患者様と言うのは高齢化社会の進展と共に増える一方であり、当院でも多くの患者様を診せて頂いています。緑内障の状態を評価するためには「視野検査」というものが必要不可欠なのですが、これは暗い部屋で集中しながらボタンをピコピコ押すという非常に疲れる検査であり、患者様に大変不評です。

 そのため私が「前回の検査から時間が経ったので、そろそろまた視野検査をさせて頂きたいのですが、、、、」と説明すると、「えーっ、あれまたしないといけないんですか? しんどいし、部屋が暗くてなんだか怖いしもうイヤなんですけど。」と良く言われてしまいます。

 私も患者様に嫌がられるような検査はなるべくしたくありません。でも、この視野検査はどうしても定期的にさせて頂かなくてはならないものなのです。今日はその理由をお話しましょう。

 緑内障と言うのは目の視神経が減っていくことによって視野(見える範囲)が欠けてくる病気です。我々人間は生まれたときにはこの視神経が大体120万本あるのですが、生きているだけで年に5000本は自然減があると言われています。緑内障の方は視神経が弱いので、放置していると年に1万本とか2万本減ります。そしてこの視神経が大体60万本を切ると視野検査で異常が出てきます。更に、残り10万本を切ると日常生活が非常に困難なレベルになると言われています。

 緑内障と言う病気は一般的にいって進行は極めて緩やかなのですが、先ほど書いたように視神経には「自然減」がありますので、どうしても「ゆっくり」ではありますが、「確実に」進行します。そしてその最後の終着駅が「失明」であることは厳然たる事実なのです。

 そうは言っても大切な患者様にそんなに簡単に失明されては我々眼科専門医もたまりません。そのため、定期的な視野検査によってそれぞれの患者様の「現在の状態」と「病気の進行具合」をしっかりと把握させて頂くことが極めて大切なのです。

 次回は具体的に「定期的に視野検査をしていくとどのようなことが分かるのか?」を説明したいと思います。 (続く)






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最終更新日  2011.05.26 17:22:25


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