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これは各科の専門医試験の合格率を比較したものですが、眼科専門医は過去3年間の平均で62.2%となっています。耳鼻科の70.3%、皮膚科の76.8%、外科の81.9%、産婦人科の89.2%などと較べて際立って低いものとなっています。
眼科専門医になるには、まず受験資格として、
1)日本眼科学会及び日本眼科医会の会員である者。
(2)第9条に規定する施設において、施行細則で定める研修内容により5年以上眼科臨床を研修した者。あるいは厚生労働省の定める卒後臨床研修(2年間)終了後、第9条に規定する施設において施行細則で定める研修内容により4年以上眼科臨床を研修した者。即ち卒後臨床研修を含め6年以上の臨床経験を終了した者。
がありそれを前提とした上で、
更に具体的な研修内容として、
3)眼科診断、ことに検査に関する技能の修得
4)眼科治療に関する技能の取得<関与する眼科手術が100例以上:外眼手術、内眼手術、およびレーザー手術が執刀者としてそれぞれ20例以上>
5)症例検討会などへの出席
6)眼科に関する論文を単独または筆頭著者として1編以上および学会報告を演者として2報以上が指定されている
2.4年以上日本眼科学会会員で、かつ受験時に日本眼科医会の会員である者
の条件を満たした上で
委員会が行う専門医認定試験に合格した者
となっています。
そして具体的な試験の内容ですが、
初日は午前中に2時間眼科に関する一般問題、午後には更に2時間実際の臨床に関する実地問題の筆記試験があります。
一般問題に対する回答の仕方は上記写真の通り、「選択肢5つから正しいものを3つもしくは2つ選べ」等というものが多くなっています。ヤマ勘で正答することは出来ず、しっかりとした実力が無いとなかなか答え切れない骨のある問題が並んでいます。
午後の臨床実地問題の方は、
↑ このような実際の患者様の眼の写真を見ながら設問に答えて行くもので、これまたしっかりとした眼科外来診療での経験と努力が無いと答え切れません。
更に2日目には口頭試問があるのですが、これは各大学の教授クラスの先生方を目の前にして出される各種の問題によどみなく答えられなくてはならず、毎年筆記試験をクリアしてもこの口頭試問で撃沈する人もいます。
この試験は毎日バリバリと臨床の第一線で働いている我々眼科医を対象にしたものなので、その眼科医が真剣に戦って合格率が60%というのはかなり低いのではないか?と思います。その意味では「眼科専門医制度」というのは一定の能力のある眼科医を認定する試験として、良く機能していると考えており、これが日本の眼科医療のレベルの高さを守り続けています。
そしてもちろん眼科専門医試験に一度パスすればそれで終わり、というわけではありません。
合格すると専門医の認定証がもらえるのですが、その期限は5年間限定です。眼科専門医資格を更新するには、この5年の間に眼科専門医制度委員会が認定する学会参加や点数制の研究・学術活動を行い、合計100単位を取得しなければなりません。
この点数は、例えば学会出席で半日2単位・1日3単位、講習会出席1時間1単位、学会発表2~4単位、論文執筆4単位など細かく規定されています。なので、眼科専門医になってもその後の勉強を怠ると、一旦手に入れた専門医の資格を失ってしまいます。眼科専門医を名乗り続けるには一生涯を続けての勉強が必要ということです。
このように我々眼科専門医は、毎日毎日皆様の眼の健康を守り続けることが出来るように勉強し続けています。私も「最新・最適・快適な全国レベルの眼科医療をここ八幡浜で提供し続ける」ことが出来るように、これからも頑張っていきたいと思っています。(続く)
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