のぽねこミステリ館

のぽねこミステリ館

PR

×

Profile

のぽねこ

のぽねこ

Calendar

2005.03.24
XML
ダブルダウン勘繰郎

~講談社ノベルス~

 私-蘿蔔(すずしろ)むつみが出張から帰ってくると、日本探偵倶楽部のビルの方を双眼鏡で見ている、 15歳くらいの少年を見つけた。見とれていると、少年から声がかけられる。少年は、自らを虚野勘繰郎 (むなしのかんぐろう)と名乗った。
 勘繰郎は、同じくビルの方を見ている男の存在を指摘した。突如はじまる男との戦い、勝利。そのまま勘繰郎を相手にしないという選択肢ももちろんあったのだが、私は、勘繰郎についていった。勘繰郎は、戦った男が乗っていた車を奪い、運転した。
 勘繰郎は、探偵になろうとしている。日本探偵倶楽部に入るべく、未解決の大事件を解決して、報告しようとしていたのだ。

 西尾維新さんによるJDCトリビュート作品。本家、清涼院さんの作品を、『カーニバル・イヴ』で読むのをやめてしまっている私が言うのもなんですが、これは面白いです。
 あえて一言で表現するなら、「探偵」小説。とことんまで、探偵に関わる小説です。
 さらなるキーワードは、「夢」でしょうか。「格好いい」自分の生き方を信じ、「格好いいから」探偵になろうとしている勘繰郎。純でひたむきで努力家で洞察力があって判断力があって… 本当にかっこいいです!
 15歳。私は二月生まれなので、15歳の大部分を高校一年生として過ごしました。

 夢は、こうして変わったのです。勘繰郎のように、ひたむきで熱い思いを抱いていなかった、ということでしょうか。いずれにせよ、勘繰郎の生き方が、とてもかっこいいと思いました。そのセリフも、感銘を受けるものが多いのです。
「つーか努力ってのは基本的に楽しいもんだろ?」(31頁)それから、56頁の言葉。
 途中から、電車の中で読んだのですが、私は終点に着いたのにしばらく気づかず、本書を読んでいました。終点が近くなると、乗り換えの案内が車内放送で流れるはずなのですが、全く耳に入っていませんでした。夢中になると、周囲から隔絶されるということを、再認識しました。逆に、本書は私にとって、それだけ夢中になれる作品だということです。
 さらに思い出話を。
 知人と本屋に行って、「この本面白いよ」と紹介すると、知人は本を開いて読み始めました。この時の印象は、よく覚えています。ただ字面を追うのではない、真の意味で「読む」、あるいは作品に「入っている」という雰囲気。図書館などで、「読んでいる」方々を見かけますが、あまりに近くで見たからでしょうか、私はその雰囲気にのまれ、声もかけづらかったのを覚えています。「何を大げさな」という方もいらっしゃると思いますが、とにかく私には「すごい」と感じられた雰囲気だったのです。
 だからどうした?という感じですね。エピソードを文脈にうまく位置づけられないのが、まったくもって力不足だなぁと感じます。
 ともあれ。本書は、私にとってはとても面白い作品でした。JDCトリビュートは読まなくていいかな、と思ってずっと手にとっていなかったのですが、読んで良かったです。素敵な読書体験でした。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005.10.15 19:03:37
コメント(1) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


cheap bookmarking service さん
ln7jIr Thanks-a-mundo for the blog article.Much thanks again. Much obliged. (2012.10.22 11:22:16)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 なにぶん…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: