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2005.12.04
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摩天楼の怪人

~東京創元社~

 1969年。コロンビア大学助教授、ミタライ・キヨシは、大女優ジュディ・サリナスの肝臓の病をみてほしいと以来を受け、マンハッタン島の摩天楼の一つ、セントラルパーク・タワーの 34階の部屋に呼ばれた。ジュディは、死が近いことを覚悟していたのだが、ミタライが多くの殺人事件を解決してきたことを聞き、いままで家族にも秘密にしていたということを、告げる。 48年前、自分は人を殺した。ひどい嵐の夜、停電のよってエレベーターがとまっていた時間帯。 34階にいた、というアリバイのない時間はわずか15分。その中で、一階にいた男を射殺したという。
 自分自身でも、どうやって殺せたのかわからない。彼女はそう言っていた。
 セントラルパーク・タワーには、他にも多くの事件が起こり、謎が残っていた。あいつぐ不審死。時計塔の時計の長針で首を切られた男。ときどきジュディのまわりの人々が見かけた、「亡霊」。
 劇作家のジェイミー・デントンの協力を得ながら、、ミタライは事件の解明に乗り出す。

 やっぱり島田荘司さんの作品は面白い。そう感じながら読み進める、良い読書体験でした。
 現代(1969年)については、基本的にジェイミー・デントンの一人称で進みます。ただし、事件が48-53年前のものですので、その大筋は当時事件の捜査にあたっていた警察官サミュエル・ミューラーの一人称で進みます。ミューラーさん、かっこよかったです。
 さて、上のあらすじでも簡単にふれましたが、本書は本当に大掛かりな謎を提示してくれます。セントラルパーク・タワーの、ほぼ全室の窓が割れるという事件もあり、こちらもわくわくしました(ただ、こちらについては知っていたことを連想してしまい、解決では、やっぱりあのことか、となってしまいましたが、それと作品の面白さは別ですから)。

 御手洗さんとデントンさんも良いコンビで、試行錯誤していく様子をわくわくしながら読み進めました。
 そして、やはり、ある種の人に対する御手洗さんの優しさ・思いやりに胸をうたれます。犯人はどう考えてもとんでもないことをしているわけですが、どこか犯人に対する思いやりも見せる御手洗さん。素敵です。胸がうたれたといえば、先にも少しふれましたが、ミューラーさんの言葉、その生涯も印象に残ります。スープ。陰惨な事件、不可解な事件、深まる謎…その渦の中ででてくる、かつての敏腕刑事の日常には、少し緊張がほどかれ、そして感動した次第です。
   *
 さて、本作の舞台は1969年のニューヨークです。『占星術殺人事件』の解決が1979年ですから、本作は石岡さんと御手洗さんが出会う前の事件ですね。いつか御手洗さんの年譜も整理しておきたいなぁ、と思います。
   *
 最後に、よく分からなかったところを。文字は白にしておきます。
第四章は、結局どういう位置付けなのでしょうか。とても面白く読んだのですが、真相との関連がよくわかりませんでした。

***
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Last updated  2005.12.04 20:21:45
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 なにぶん…

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