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2006.03.21
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雪国改版

~新潮文庫、昭和22年初版・平成11年117刷~
(注:アフィリエイト画像は改版のもので、私が読んだ版の表紙とは異なります)

 まず、物語の筋にふれながら感想をつらつらと、それから物語とは離れて気になった点が一つあるので少し書いておこうと思います。いつものように、あらすじの後に感想という書き方ではありません。

 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった-。
 あまりにも有名なはじまりの一節ですが、私は詳しい話を知りませんでした。このたび、はじめて読んだわけですが、とても綺麗だなぁ、と思うところが多々ありました。よくわからなかったところ、話についていけなかったところもありますが、それはさておくとして。
 主人公の島村さんは、雪国へと向かう電車の中で、病人を看護している女性にひかれていきます。鏡の役目を果たす、夜を背景にした窓に写った女性の姿。じっとその女性を見てしまう島村。とても印象的です。
 二人と島村さんは、同じ駅で降ります。そこ-舞台が新潟湯沢温泉というのは、有名だそうですね-で、島村さんは一人の芸者さんと再会します。彼女はしばらく、「女」とだけしか表記されないのですが、やがて名前が明らかにされます。駒子さんです。
 お客さんを相手にした後に、酔って島村さんのところにやってきたり、やがて時間をあけて島村さんと再会したときに、もはや人目をはばかることなく島村さんのとこに通いつめたり。こういったシーンでは、駒子さんから鬼気迫るものを感じるのですが、しかし駒子さんは整理整頓好きで、甲斐甲斐しく、これは見習いたいなぁと感じました。

「その頃はお金が自由にならないでしょう。自分で買えないの。二銭か三銭の雑記長にね、定規をあてて、細かい罫を引いて、それが鉛筆を細く削ったとみえて、線が綺麗に揃ってるんですの。そうして帳面の上の端から下の端まで、細かい字がきっちり書いてあるの。自分で買えるようになったら、駄目。物を粗末に使うから」 (30-31頁より)。
 心をちくちくさされるような気分ですね。鉛筆が細く削られるというところが、やたらと印象に残ります。なんでしょう、ノスタルジーでしょうか。
 そして、綺麗だなぁと思い、読みながらぞくぞくしたのは(こういうのが感動でしょうね)、駒子さんが島村さんに三味線を披露するところです。59-61頁は、なにがどうとは説明できませんが、感動しながら読みました。
 それから、どうしても分からなかったところが一つ。具体的な文脈は省略しますが、 125頁以降に何度か出てくる「駒子の聞きちがい」とは、なにをどう聞き間違えたのでしょうか。んー、わかりませんでした。調べてみようかな。
 さて、ほとんど駒子さんについて中心に書いてきましたが、電車の中で島村さんが出会った女性-葉子さんも、重要な役割を果たしています。登場回数自体は少ないのですが、まず最初のシーンで強い印象が残りますし、その後も島村さんと駒子さんの会話の中に何度も出てきますので、気になる存在ではあります。けれど、私にはよくわからなかったというのが正直なところです。
 ラストでは、 島村さんと駒子さんが火事の現場(この火事は、実際に起こったことのようです)を目撃するのですが、その火事の現場の二階から落ちてくる女性がいます。それが、葉子さんです。葉子さんを抱きかかえ、叫ぶ駒子さん、 というシーンで物語は終わりです。余韻が残りました。

 本書には、時代背景を理解するために、豊富な注がついており、注だけ読んでも勉強になりそうです。(私は気になる注しか読んでいませんが…)
 名作として名高いせいなのか、そういう固定観念から素晴らしいと思ってしまうのか、最初の方でもふれましたが、いくども綺麗だなぁと思いながら読みました。文体なのか、ストーリーなのか…私には雰囲気としかいえないのですが、読んでよかったと思います。良い読書体験でした。

   *

 さて、新潟県出身の友人から、新潟の名物として「がんぎ」について聞いていたのですが、本書の中に雁木(がんぎ)が出てきて、なんだか懐かしい気分になりました。

 当時、仲間うちでは、だれもがんぎについて知らなかったのですが、こんなところでがんぎについて思い出せるとは。なんでも読んでみるものです。

   *

自分のメモの意味もあり、今後は出版年も記していこうかと思います(習慣のせいで、忘れることもありそうですが…)。





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Last updated  2006.03.21 20:21:26
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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