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2006.08.18
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筒井康隆『くたばれPTA』
~新潮文庫、1986年~

 24編のショート・ショートが収録されています。全部は大変なので、面白かった話をいくつか紹介します。
 まず、最初の「秘密兵器」。優秀ではあるものの、いまひとつ力が足りない野球部に、ソフトボール部に所属している女子が助っ人として迎えられます。彼女を男子ということにして、その高校の野球部は甲子園に勝ち抜いていく、という話。あ、これは面白い、と思って、この本を読んでいくのが楽しみになりました。
 第二話の「遊歩道」も、とても短いですが怖くて面白かったです(笑えたという意味ではなく)。たとえば黒と白のタイルが交互にあって、黒のとこしか歩いちゃいけないんだ、ということは私もしたことがありますが、ただそれだけのことをネタに、こんな風なホラーができるんだなと思いました。
「酔いどれの帰宅」。これは意味がわかりませんでした。もしこの記事を読んでいる方で、この話をご存じの方がいれば、教えていただきたいです…。ミステリで「読者への挑戦」というのは目にしていますが、こんな「挑戦」(?)を本で読んだのは初めてのような気がします。
「落語・伝票争い」。これは笑えるという意味で面白かったです。二人の婦人がお会計のとき、自分が支払いますから、と何かと理由をつけて払おうとするのですが、最初は丁寧な口調だったのにどんどん罵倒の言葉に変わっていく、という話。罵倒の言葉が笑えました。
「かゆみの限界」。これもホラーで、面白かったです。ノミの研究をしている大学院の学生のもとへ、学部時代の友人が訪れます。友人は、顔をなにかで真っ白に塗っていました。その友人は、ノミをくれ、すぐにノミを肌着につけて行く、というのです。よく見てみると、その友人の頭にはシラミがいっぱいいたのです。もっとひどいことも友人はしているのですが、その理由にもぞくぞくしました。
 表題作の「くたばれPTA」は、SFまんが作家が、PTAの婦人たちにつめよられ、不健全なまんがを描くなと言われ、それに対して反論するのですが、話になりません。次元が違うのですね。次第にその漫画家には仕事の依頼がこなくなり、子どもたちにも遠ざかられていく、それならば…と行動を起こそうとする物語です。これも痛快ですね。先の「落語・伝票争い」など、本書には女性風刺の話がいくつかありますが、それについては解説で幸森さんがきれいにまとめておられます。本書は、この解説も読んでいて面白かったです。

 痛ましいといえば、「最後のクリスマス」も痛ましかったです。タイトルからして悲しいお話だろうと察しましたが、思わぬかたちで放射能の後遺症をからめて描かれていて、印象的でした。
   *
 全体的に、面白かったです。あまりショート・ショートは読まないのですが、良いですね。
 仙台のサークルの同期生との旅行に向かう電車の中で読みました。また旅行の話も記事に書きたいと思います。

注)この記事は8月20日に書いています。





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Last updated  2006.08.20 20:47:30
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 なにぶん…

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