のぽねこミステリ館

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2007.02.13
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~文藝春秋、2002年~

 文藝春秋刊行、「本格ミステリ・マスターズ」叢書の一冊です。2002年、シアルヴィ館に集まったウプサラ大学教授陣が、御手洗さんに殺人事件の話を聞かせて欲しいと頼みます。そこで御手洗さんが語るのが、『魔神の遊戯』事件です。というんで、いつものように内容紹介と感想を。

 ロドニー・ラーヒムには、特殊な症状があった。スコットランドのティモシー―ネス湖のある小村―で幼少を過ごした彼は、貧しいために体を売らざるをえなかった母親の死後、精神病院に隔離された。20年以上経ってから社会に出た彼だが、ある日突然発作が起こってから、彼の生活は一変した。押し寄せてくる記憶の波を再現するように、彼は絵を描き始めた。まるで写真のような正確な筆致で、彼はある村の状況を何枚も描いた。ときどきその絵に恐ろしい巨人が描かれることもあり、その絵は空想の村だと考えられたが、彼がキャノンと呼ぶ村は実在した。それが、ティモシーだった。
   *
 2001年、冬。凶悪な事件が起こったことのないティモシーで、恐ろしい事件がはじまる。私―バーニー・マクファーレン―が気持ちよくお酒を飲んでいると、外がざわざわしている。オーロラが出ているというのだった。女主人のリンダに誘われ、しぶしぶオーロラを見に行った彼だが、そこに、奇妙な事態が起こる。ヒイラギの枝の上に、なにかが乗っていた。人々が脚立を使ってそれを地面に落として確認すると、それは、犬の胴体に縫いつけられた女の頭部だった。後に分かったことだが、その頭部は、刃物などによって切断されたのではなく、まるでひきちぎられたようだった。
 私はその後も、悪口を言い合える署長のバグリー・ダンフォースについていきながら、捜査の現場に顔を出した。被害者は、最初に首が発見されたボニーにとどまらなかった。その後も、ばらばらにされた遺体が各地で見つかる。消防署に置かれた廃車の上、飛行場のセスナ機、虎の絵の描かれた看板……。まるで遺体を陳列するような事件に、私は、リンダやアーヴィンとともに、魔神の仕業だと考え始める。

 数年ぶりの再読なのですが、ほとんど覚えていなかったので(バラバラ死体がひきちぎられていたような状況はさすがに覚えていましたが)、解決シーンではかなりびっくりしました。御手洗さんはやっぱりかっこいいですね。
 この作品も、大きなメッセージ性をもつというよりは、叢書のタイトル通り、本格ミステリとしての醍醐味を味わわせてくれる一冊かと思います。旧約聖書の物語、巨人の絵、空にとどろく不気味な轟音……。これらの要素が、物語を彩ります。

 というんで、今回は、特になにか深く考えさせられることもなく、面白いミステリを読めて純粋に楽しかったです。





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Last updated  2007.02.13 14:33:02
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 なにぶん…

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