のぽねこミステリ館

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2007.04.16
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~講談社ノベルス、2007年~

 第36回メフィスト賞受賞作です。
 「私」のもとに、香坂誠一という人物から手紙が届きます。読者が犯人というトリックを買ってほしい、というのでした。「私」への香坂からの手紙、超心理学を研究する教授との対談や教授の実験などが、物語の軸ですが、うん、それほど面白くありませんでした。
 香坂さんからの最初の手紙の、ミステリの歴史概略みたいな部分は面白かったです。<本格>が廃れているのを嘆く論調で、その理由は、意外な犯人が出尽くしたからといいます。まだ誰も見事に書いていない「意外な犯人」が、<読者が犯人>だといいます。
 私は、<読者が犯人>だといいうる作品を一つ読んだことがありますが、あれもそれほど面白いとは思いませんでした。その仕掛けに気付いたときは、「おおっ」と思ったのですが、途中からなんか脱力した覚えが…。本作も、私が思い出したその作品と似たようなことを部分的にしていますし、やっぱりこうなるのかなぁと思いました。
 結局、現実の読者は作品の世界の外にいます。こういう形の話なので、本作の犯人はたしかに<読者>だったといっていいでしょう。しかし、それは私ではありませんでした。

 いま思いついたのですが、なるほど、テレパシーの実験の話も、きちんと意味があったわけですね。それはそれで面白い話ではありました。





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Last updated  2007.04.16 13:10:30
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のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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