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2007.04.29
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島田荘司『羽衣伝説の記憶』


 光文社文庫書き下ろしの、吉敷竹史シリーズの長編です。まずは、内容紹介を。
どこまでをネタバレと定義するか微妙ですが、割とストーリーを書いてしまうので、未読の方はご注意ください。

 1990年12月28日。
 銀座の街を歩き、小さな画廊に入るのが好きな吉敷さんが、一つの彫金作品に目を留めた。Tの字で、Tの根本を軸に回転する橋をかたどった「羽衣伝説」という作品だった。。これは、通子が作った作品に違いない、と思った吉敷さんは、店の主に出品者について質した。結局、作者については分からなかったが、通子の作品だと信じた吉敷は、羽衣伝説で有名な静岡の、三俣の松原を訪れた。…しかし、そのときは徒労に終わった。
 年が明け、吉敷はある事件の担当になった。ホステス殺害の現場にいたため容疑者とされた男が犯人ではないと確信した吉敷が事件を調べなおしているうちに、天橋立に関係者がいるらしいことが分かる。天橋立を訪れた吉敷は、無事に事件を解決するが、そこで「羽衣伝説」の作者―加納通子と再会した。
 再会を喜ぶ二人であったが、離婚のこと、通子が結婚を恐れている理由のことに話が及ぶと、二人は暗い気分にならざるをえない。そこで加納通子が語った過去の事件は、彼女が結婚を恐怖するのもうなづけるような、壮絶な事件だった。

 天橋立に向かうまで、幾度となく、吉敷さんが通子さんとのことを回想します。二人の出会い、関係が深くなっていく過程、結婚したときのいきさつ、通子さんの奇妙な振る舞い、そして、離婚……。なんだかもう、何度も涙ぐんでしまいました。

 『御手洗潔の挨拶』のあとがきで、島田さんが作品のドラマ化について語っておられます。その中で、吉敷シリーズのドラマ化ならありえなくもないが、御手洗潔シリーズの(日本での)ドラマ化はありえない、とおっしゃっています。ふとそれを思い出したのですが、吉敷シリーズは、どこかドラマのような構成があると思います。本書にもそれを強く感じました。
   *
 本書の中で語られている事柄と年代について、簡単にメモしておきます。以前、自分なりの御手洗潔さんの事件年表を作りましたが( こちら )、吉敷竹史シリーズをあらかた読めたら、また吉敷さんの事件年表を整理したいと思います(最近の文庫かなにかで、既に整理されているかもしれませんが…)。

昭和23年(1948年)…1月18日、吉敷竹史、誕生
昭和27年(1952年)…加納通子、誕生
昭和48年(1973年)…吉敷竹史と加納通子、結婚
昭和54年(1979年)…吉敷竹史と加納通子、離婚
昭和59年(1984年)…『北の夕鶴2/3の殺人』事件
平成2年 (1990年)…『羽衣伝説の記憶』事件(1991年?)





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Last updated  2007.09.20 19:59:04
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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