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2007.08.31
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踊る手なが猿

~光文社文庫、1993年~

 4編の作品が収録された短編集です。それぞれの簡単な内容紹介と感想を。

「踊る手なが猿」 地下道の喫茶店Bに勤める私は、向かいのケーキ屋Qのガラスケースに飾られた手なが猿の人形(?)に興味をもっていた。というのも、猿には赤いリボンが結ばれているのだが、三日ほどの短い期間で、足の先や腕の先などに、そのリボンの位置が変えられるからである。一方、関係をもっていたBの店長が、少し外出すると言って出かけた日に、店長が死亡するという事件が起こる。

「Y字路」 昭和63年(1988年)11月。アパートに帰宅した瑛子は、見知らぬ男の死体が部屋に横たわっているのに気付き、動揺する。このままでは、もとより彼女のことを疎ましく思っている恋人の母親から何を言われるかわからず、恋人と結婚できなくなってしまう…。瑛子は、恋人に助けを求めた。そこで恋人は、一計を案じる。

「赤と白の殺意」 私は、子供時分に軽井沢で過ごしたはずだが、その後はどうしても軽井沢に行く気になれなかった。ところが、ある日好奇心で受けた心理テストで、自分には殺人の記憶が抑圧されているのかと考えるようになる。真っ白い雪の中にある、赤い水のイメージ…。私は、抑圧された記憶を探るために、軽井沢へ向かった。

「暗闇団子」 加賀から江戸にやってきた四方助は、書物を書き写す筆耕の仕事をしながら、細々と暮らしていた。友人に連れられ、花魁と出会った四方助は、初日からお床入りすることになった。美しい花魁を忘れられないながらも、次第にあの経験は夢だったと思い始めた四方助のもとに訪れた、花魁。吉原の火事に乗じて逃げてきた彼女とともに、四方助は団子屋を開く。

ーーー
 数年前、途中まで読みながら、最後まで読んでいなかった作品。今回はじめて読了したのですが、どれも面白かったです。
<ここまで>。
「Y字路」は、吉敷竹史シリーズの短編です。倒叙スタイルの変形バージョンとでもいいましょうか。どことなく、「傘を折る女」(感想は こちら )を連想しました。
 主人公が、抑圧された記憶の謎を解く「赤と白の殺意」も面白いのですが、この短編集の中では、異色作でありながら、「暗闇団子」が良かったです。舞台は、江戸。元侍の男と元花魁の女の恋と、あたたかい生活と、待ち受けていた悲哀と。

 天樹百合香さんによる解説も、あたたかい雰囲気があって良かったです。





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Last updated  2007.12.12 09:21:23
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 なにぶん…

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