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2009.08.26
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~講談社ノベルス、2001年~

 ≪あかずの扉≫研究会シリーズ第4作です。現時点では、このシリーズは本作で休止状態で、私立霧舎学園ミステリ白書シリーズが進んできています。
 それでは、内容紹介と感想を。

ーーー
 カケルが≪流氷館事件≫を記した作品が、出版されることになった―。
 著者見本を持ってきてくれた竜王出版の編集者、水上が研究会のメンバーに会いたいということで、メンバーは彼女と顔をあわせる。そこにやって来たユイは、純徳女学院の生徒、沢入を伴っていた。沢入のもとに届けられた手紙には、暗号のような文とともに、≪流氷館事件≫で亡くなった少女の名があった。
 手紙に同封されていた一本のロッカーキー。鳴海たちは暗号を手掛かりに、手紙が示す場所を捜しに行く。それは、あらたな「ゲーム」の始まりに過ぎなかった…。
   *

≪もりさきめぐみ≫という女性の安否を確かめるために、閉園となっている「マリオネット・ランド」の首吊塔を訪れていたからだ。
 ピサの斜塔を模して、はじめから斜めに建てられたその塔では、園がまだ開かれている頃から、首吊り自殺が多くなされているという。閉園後は、心霊スポットのひとつとなっている場所だった。
 塔には、執事のような男がおり、彼に中を案内される。≪もりさきめぐみ≫に会わせてくれるという約束だったが、後動は軟禁状態にされてしまう。
   *
 そして塔では、消えた死体、長すぎるひもで首を吊った死体など、不可解な事件が起こる…。
ーーー

 先週の土曜日とこの土日の計3日でシリーズ4作を再読してみましたが、作品をおうごとにますます楽しめるようになってきた気がします。
 シリーズでは、何人もの人が殺されてしまい、しかもあまりそこに伴う悲しみなどの感情の動きが描かれていないので、いわゆる現実感に乏しい作風ではあると思います。もちろん、それはそれとしてキャラクタや謎の論理的解明を楽しむのがこのシリーズの楽しみ方とは思います。そんな中、本作は、割と死に対する感情の機微が描かれているように思ったので、より好感が持てたのだと思います。
 いろんな記事でも書いていますが、物語の嗜好は変わるものですし、当然、同じ本を二回読んでも、再読までのあいだの読書体験や日常の体験によって、感想が変わってしまうこともままあることだと思います。 2000年頃といえば、まだまだトリック重視、謎解き重視の新本格の作品を好んでいた時期ですし、実際そういう作風が好みの方には、霧舎さんのこのシリーズはおすすめです(とにかくいろんなミステリの要素がてんこ盛りですから)。

 さて、現段階で発表されているシリーズ全体についての感想のようになってしまいましたが、あらためて本書の感想といきましょう。
 まず、カケルさんが書いた作品が本になる、という導入部から楽しかったです。水上さんに焼き餅焼くようなユイさんの態度や、それに戸惑うカケルさんが、まぁコテコテではありますが、ほのぼのと読めました。

 暗号も塔内外の事件も、どちらも魅力的な謎で、謎解きの過程も楽しく読めました。ラストのシーンでは不覚にもうるっときてしまい、そこも良かったです(こういう食べ物ネタに弱いのです)。

 第3作 『ラグナロク洞』 事件と今回の事件のあいだに、『アポトーシス荘』『クロックワーク湖』という事件もあるようです。またいずれ発表されるのでしょうか。私立霧舎学園ミステリ白書シリーズも、10月の事件が刊行されてから新作が出ていませんが、どちらの新作も楽しみです。

(2009/08/23読了)





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Last updated  2009.08.26 06:53:30
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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