のぽねこミステリ館

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2009.10.02
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~講談社ノベルス、2002年~

 鏡家サーガ第3作です。これは面白かったです。
 それでは、内容紹介と感想を。

ーーー
 18歳、フリーターの僕は、"紘子"とのメール交換を楽しみにしながら、単調な日々を送っていた。外に出れば他人の目が気になり、劣等感に襲われながらも、ただそのメール交換だけを楽しむ日々。ある日、鏡創士という年下の生意気な男と出会うが、鏡は僕についてずけずけと本質を指摘してくる。そして鏡は、ビールなどを持ってアパートにやって来るようになった。
   ※
 幸せな(あるいはそう演じていた)家族が崩壊に向かっていた。
 私はその状況を、発端から手記(遺書)に認めていく。

 そんなある日、父親が密室状況のなかで死亡するという事件が起こる。
   ※
 小学4年生の僕は、クラスメイトの伽耶子を守ろうとしていた。純粋で、精神的にもろい伽耶子をおそう『奴』から、なんとしても守ろうと…。
 その頃、僕たちの住む田舎の周辺で殺人事件が繰り返されていた。物騒ななか、僕たち生徒から慕われていた担任は産休をとり、伽耶子はかわいい子猫を目の前で傷つけられるという体験をしてしまっていた。
 ますます彼女を守ろうと決意を固める僕だが、伽耶子を大きな悲劇が襲うことになる…。
ーーー

 3つのパートが交互に語られていきます。第1のパートの「僕」が、あまりにもとんでもない(というかどうしようもない)人間で、読んでいて不快な感じにもなりました。また、本書については表紙がその雰囲気をよく伝えてくれていると思うのですが、全体的に重たい雰囲気が漂っています。
 …が、物語としてとても面白かったです。裏表紙にもあるとおり、前二作のような「馬鹿げた世界」ではないこともあるのでしょうが、私には初期3部作(?)のなかでもいちばんとっつきやすく、面白いと感じられる作品でした。
 素敵な読書体験でした。

(2009/09/27読了)





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Last updated  2009.10.02 06:36:03
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Comments

のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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