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2009.12.25
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チャールズ・ディケンズ(村岡花子訳)『クリスマス・カロル』
A Christmas Carol
~新潮文庫、1995年85刷(1952年初版、1988年65刷改版)~

 名作です。 クリスマスということで、5年ぶりに読み返してみました( 前回の記事 は、5年前、2004年12月18日にアップしています)。
 まずは簡単に内容紹介をした後に、あらためて感想を。

ーーー
 がんこでケチなエブニゼル・スクルージは、クリスマスもいつもどおり頑固に過ごした。寄付を求める慈善団体ははねつけ、クリスマスパーティーに誘いにきた甥を、「ばかばかしい!」と追い返して。
 ところが、その夜。スクルージとともに仕事を続けてきて、7年前に死んだジェイコブ・マーレイの幽霊が、スクルージのもとに現れた。マーレイは、重く、長い鎖を付けていた。それは、自分が生きている間にしてきたことの報いだという。スクルージは、それにもまして、長い鎖がつけられるであろう…。
 ところがマーレイは、まだやりなおせると言う。それから、スクルージのもとに3人の幽霊が現れ、彼にいろいろな情景を見せる。。

 第二の幽霊(現在のクリスマスの幽霊)は、甥や、事務所の書記の家のクリスマスパーティーを。
 そして最後の幽霊(未来の幽霊)が、スクルージに見せる情景は……。
ーーー

 5年前の記事では、思いのほか泣かなかったと書いていますが、3人の幽霊それぞれの章で涙しました。もちろん、最後の章でも。
 子供の頃の自分を見ながら、童心にもどって叫んだり、現在のパーティーを見ながら一緒になってゲームに参加したり。そんなスクルージの姿に、あたたかい気持ちになり、また、現在のスクルージの性格になってしまったことを思って、彼が可哀相にも思えてきます。
 今回は、スクルージの心の変化ももちろん興味深く読んだのですが、それよりも、それぞれのクリスマスの光景の優しさ、温かさを味わいながら読みました。プレゼントに群がる子供たち。ダンスパーティー。家族での料理、そして食事……。
 クリスマスの由来がどうであっても、いま、人々がクリスマスを祝い…いえ、クリスマスを祝ってさえなくてもよいかもしれません。自分や恋人や家族にプレゼントしたり、ケーキを食べたり、多くの笑顔が生まれる、というそのことを思うと、とてもあたたかい気持ちになれたのです。

 日常のなかでは、心が固くなってしまうこともあります。それこそスクルージのように、八つ当たりみたいに人に接してしまうこともあるかもしれません。そんななか、本書を読むと、とても優しい気持ちになれると思います。スクルージのように反省することもあるでしょう。そしてその反省や、ほぐんだ心でもって、またこれからの日常に戻っていこうと思えるでしょう。
 クリスマスにぴったりの、素敵な物語です。村岡花子さんの訳も、あたたかみがあって好きです。
 良い読書体験でした。

   *



まず、「あたかも今の私対諸君のようで、精神的には私は諸君の肘のさきのところに立っている」(42頁)という表現がとても巧いな、と思いました。これは地の文で、「私」というのは作者のことです。なるほど、たしかに肘のさきのところにいらっしゃいますね。

 もう一つ、文字色を変えて、引いておきます。

「 人間よ、もしお前の心が石でなく人間なら、余計とは何であるか、どこに余計なるものがあるのかをはっきりわきまえるまでは、この悪い文句[*]をさしひかえるがよい。どんな人間を生かし、どんな人間を死なせるかお前に決められるというのか 」(87頁)
[* 余計な人口が減る、とスクルージは口にしていました

(2009/12/23読了)





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Last updated  2009.12.25 06:56:02
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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