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2010.10.09
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~講談社文庫、2003年~

 歌野晶午さんの長編ミステリです。『ジェシカ…』や『葉桜…』も面白いですが、本作は直球勝負の本格ミステリの味わいで、気持ちよい驚きを楽しめました。
 それでは、簡単に内容紹介と感想を。

ーーー
 昭和20年7月。少年兵吾は、学童疎開で起居している寺を抜け出し、一つの洋館にたどり着いた。玄関前で気を失っていた彼は、その洋館に住む老婆に助けられていた。
 おいしい食事をとって満足した彼だが、その後おそろしい体験をすることになる。
 2階の部屋の窓に、怪物が現れたのだった。外の中庭からは、5メートルは高さのある窓に…。
 その後も、館の中で鬼に遭遇した。

 嵐の中で、道もふさがれてしまい、一夜の宿を借りたいという。
 ところが兵吾の話を聞き、軍人たちはアメリカ兵がこのあたりに潜んでいると考える。しかしどれだけ探しても、アメリカ兵は見つからなかった。
 翌朝、事件は起こる。隊長が無惨に殺され、隊員の一人が、中庭の二階の高さに飾られている虎の頭に飲み込まれたかのように、死んでいたのだった。
 さらに、隊員たちは奇妙な死を遂げていく…。
ーーー

 本作は、一つの大きなテーマをベースに、3つの中編(?)が収録されています。一つは表題作「安達ヶ原の鬼密室」で、ほかに絵本の体裁の「こうへいくんとナノレンジャーきゅうしゅつだいさくせん」、アメリカ留学中の高校生が遭遇する「The Ripper with Edouard」の3つです。最初はこれらがどうつながるのか疑問のまま読み進めましたが、すっと疑問が解ける読後感は爽快です。
 上の内容紹介では、表題作のベースの謎の部分を中心にまとめてみました。それから50年以上の年月が経ち、事件直後はその事件のことを忘れていた兵吾さんが、家族に事件の話を繰り返しするようになります。気になった家族が、刑事事件の捜査で有名な探偵、八神一彦さんのもとを訪れたのがきっかけで、事件の真相が解き明かされていきます。
 一見不可解に見える事件がきれいにほどけていくのは、なんとも気持ちよいですね。

 最近引っ越しやらなんやらで、長編作品自体をほとんど読んできていなかったので、そもそも一気に読めるかどうか心配でしたが(もし「読書力」というものがあるなら、明らかに最近低下しているように思います)、それでも楽しく読めました。
 やっぱり読書は楽しいですね。
 というんで、良い読書体験でした。

(2010/09/18読了)





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Last updated  2010.10.09 10:33:47
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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