Thomas L. Amos, Eugene A. Green, Beverly Mayne Kienzle (eds.),De ore domini. Preacher and Word in the Middle Ages
西洋中世の説教の歴史をたどる論文集『「主の口から」―中世における説教師と言葉―』を紹介します。 まず、編者について簡単に紹介を。トマス・レスリー・アモス(エイモス?)は、カロリング期の説教活動の研究を精力的に進めています。1983年の博士論文(ミシガン大学)は、「カロリング期説教の起源と性質」というタイトルです。ユージーン・グリーン(1944-1989)については、本書で初めて知りましたので、紹介できるような情報を持っていません。ビヴァリー・メイヌ・キエンズルは、ハーヴァード神学校の教授で、時代でいえば特に12世紀頃、ビンゲンのヒルデガルドの説教などを中心に研究されている方です。私が読んできた中では、パフォーマンス理論を援用して中世説教活動の復元を試みる”Medieval Sermons and Their Performance: Theory and Record”(中世の説教とそのパフォーマンス:理論と記録), in C. Muessig (ed.),Preacher, Sermon and Audience in the Middle Ages, Brill, 2002という論文などがあります。 本書の構成は次のとおりです(タイトル拙訳。本当に拙い…。そして番号は便宜的に振りました)。
――― 献辞 編者序文
1.序論―中世の説教活動―(John W. O’Malley, S.J.) 2.エノク、四旬節、キリストの昇天(†Eugene G. Green)
4.カロリング世界における説教活動と説教(Thomas L. Amos) 5.教理問答師アルフリック(†Eugene G. Green) 6.大司教スティーヴン・ラングトンと彼による1220年のトマス・ベケットに関する説教活動(Phyllis B. Roberts) 7.エリナン・ド・フロワモンの説教における母性的イメージ(Beverly Mayne Kienzle) 8.ロマンのフンベルトゥスの説教師のための素材(Simon Tugwell, OP) 9.ライムンドゥス・ルルスの『新修辞学』―敬虔文学としての「説教術書」―(Mark D. Johnston) 10.受難の説教―説教伝達手段としての中世後期における「キリストの生涯」(Lawrence F. Hundersmarck) 11.ウィクリフ主義拡大に関する新たな説教の証拠(Simon Forde) 12.概論から説教へ―九つの付帯的罪に関するヨハネス・ヘロルト―(Richard Newhauser) 13.虚栄の薪―女性の虚栄に関する托鉢修道会の説教活動と、その俗人聴衆―(Thomas M. Izbicki) 14.1509年及び1511年における、Egidio da viterboによる教皇ユリウス2世の擁護(Ingrid D. Rowland)