関田涙『マジカルストーンを探せ!月の降る島』
~講談社青い鳥文庫、 2006
年~
2003
28
回メフィスト賞受賞作 『蜜の森の凍える女神』
でデビューした関田涙さんによる、初の児童向け作品。本作以降、一般向けミステリとして 『時計仕掛けのイヴ』
と 『晩餐は「檻」のなかで』
も発表されていますが、青い鳥文庫での執筆にシフトしていらっしゃいます。
さて本書は、小学5年生朝丘日向さんが見る夢のシーンから始まります。
以下、 2006
年 10
月 29
日の記事から内容紹介を再掲します。
―――
ある日見ていた夢の中、私こと朝丘日向は「マジカルストーン」に出会います。夢に現れたピエールさんと、いつも寝てばかりのバクのハツが、マジカルストーンについて解説してくれました。それは、人間に夢を見させてくれる力のある石。全部で七つあるのですが、日向が授かった日の石と月の石しか見つかっていないそうです。ところが、その月の石が夢の世界から盗まれてしまい、現実の世界に落ちてしまった。石がなくては、人間は夢を見ることができなくなってしまう。日の石の力を借りながら、月の石を探してほしい―というのでした。
翌朝、日向のクラスで事件が起こります。遠足の写真をクラスに掲示していたのですが、日向の判の模造紙から、写真がはがされ、その写真はばらばらにされていたのです。その事件を解決するのは、その日やってきた転校生、宵宮月乃でした。
日向はその日、三日月形のペンダントが流行っていることを知ります。三日月島というところで、空から降ってきたという「本物の」三日月石の争奪戦があるということを知り、興味を抱いていたところ、月乃が参加資格を持っていたのでした。二人で参加できることから、日向と月乃は三日月島へ向かい、三日月石争奪戦に参加します。
宝探しにクイズと、次々と勝負が進んでいきます。月の石を盗んだという怪盗ヴォックスは誰なのか。日向はそのことも気にしながら、問題に挑みます。
―――
2006
年に読んで以来、 17
年ぶりの再読です。
日の石は、いろいろヒントをくれますが、それが何かははっきり分からないのも読みどころの1つです。それでも一生懸命な日向さんが素敵です。
(2023.08.05 再読 )
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