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井上真偽『引きこもり姉ちゃんのアルゴリズム推理』
~朝日新聞出版、 2024
年~
『恋と禁忌の述語論理』
51
回メフィスト賞を受賞してデビューした井上真偽さんによる児童書です(絵はくろでこさん)。
主人公は、小学6年生の綿引真守さん。探偵役は、何年も引きこもっている綿引古文里(こもり)さんです。
「第1話 ストリーム・アルゴリズム」
は、町で噂の「赤手の呪い」に、真守さんの同級生、ねねさんがかかってしまった―というところから始まります。赤い紙に呪いたい人の名前を書いて、赤手神社に一晩おいておくと、相手の体に赤いあざが浮かびあがる、という伝説があるのですが、同級生の一人―キレイさんが、神社で、ねねさんの名前が書かれた赤い紙を見つけたといいます。教室に入ってきて、その紙を見て倒れてしまったねねさんの腕には、赤い手のあとが浮かんでいたのでした…。呪いを信じない古文里さんが明かす真相とは。
「第2話 サーチ・アルゴリズム」
は、町に現れ始めた「終わりの絵」をめぐる物語。赤いペンキで、人が不気味に笑っているように見える絵が描かれた人の家では、不幸なことが起きるという噂があふれていました。キレイさんの家にも、その絵が描かれて、天敵のような古文里さんに相談に来ます。果たして、噂の真相は…。
「第3話 ダイクストラ・アルゴリズム」
は、古文里さんの誘いで、真守さんと幼馴染のソータさんがキャンプに行くところから始まります。しかし、そこに陽キャで古文里さんが苦手としているアンリさんがやってきます。キャンプ場で新しい友達も作っていたアンリさんですが、翌日、事件が起こります。穴にはまったタヌキを助けに行こうと約束していたアンリさんたちですが、タヌキがいなくなっていて、最初に現場へ着いたと思われるアンリさんが犯人扱いされてしまうのでした。古文里さんのアルゴリズムで明かされる真相とは。
という大きな3つの物語に加えて、エピローグとして「開かずの部屋、再び」という短い物語が収録されています。
冒頭に紹介した『恋と禁忌の述語論理』が様々な述語論理を駆使して真相を暴いていくのと同様、本作では古文里さんが様々なアルゴリズムを援用して真相を明らかにしていきます。
どれも興味深く、特に第3話のアルゴリズムはカーナビの仕組みでもあるという勉強にもなりました。
これは面白かったです。
(2026.04.16 読了 )
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