ヒロガルセカイ。

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柊リンゴ

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2008/10/06
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「千里」

「ん、何だよ?」

「いい加減、口を開けろよ」
「嫌だよ! そんなディープなキスは、こいび……」
「この生意気な口が」
そう言って僕の鼻を摘んだ。
息が出来なくて口を開けると、夏都兄がまたキスをして、そして何かが口の中に入ってきた! 
僕の舌を舐めて絡めているのは、夏都兄の舌? 唾液を吸われて、思わず胸が反った。

その滴る音が聞えて、体が熱くなった。

どんっと、両手で体を突き放したけど、胸の高鳴りと痺れたようなこの感覚は何だろう。

「どうした?」
「こ、これは恋人同士がするキスだろう? 兄弟だと、おかしいよ!」
「本当の兄弟じゃないから平気だろう?」
 あ、そうか。本当の兄弟じゃないから別におかしくはないんだ?

「嘘だ。丸め込もうとして!」
強気に出たけど、夏都兄の胸元に触れたままの両手をひっこめるタイミングも掴めない。

「千里。この手が邪魔」
 手首を持たれて内側にキスされた。

 背筋に電流が走ったみたいだ! 

「や、やー!」
 ぞくぞくして震える腕を舌で舐められて、叫びだしそう! 

「その反応も可愛いけど、千里は俺が手伝ってあげないと着替えも出来ない?」
「また、子供扱いして!」


「嫌だよ」
 ここでは嫌だ、恥かしいんだ。

「真っ赤な顔をして。誘っているみたい」
「さそっ?」
「意識しすぎなんだよ、千里は」

ボタンを外されて襟元をめくられた。
首筋にふっと息を吹きかけられて、思わず体を硬くしたら、肌を唇で強く吸われた!

「あ、跡が残る!」
 胸を反らせて抵抗したら唇が離れた。

「残るようにしているんだ」
 そんなことを耳元で囁かないでよ、動けなくなる。顔が熱いよ!
「な、なーつー兄! からかうな!」
 拳を振り回したら、笑っている。
 その自信満々な笑顔が憎らしい。

「着替えてくる!」
「ああ、いい子だね」
「子供扱いは止めてよ」
「ふうん?」
 正す気がなさそうな笑顔だ。

「じゃあ、何処が大人?」
 何も言い返せなかった。


7話に続くのだ。

●拍手をありがとうございます●

力が湧いてきます。連続更新は久々なので、UPするのが楽しいです。





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Last updated  2008/10/06 02:25:23 PM
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