ヒロガルセカイ。

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柊リンゴ

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2008/10/11
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「や、あ、あの。夏都兄っ……」

「夏都って呼んで。ここもしてあげるから」
 そんな甘い声で僕の自身を握らないで!

「あっ! や、やだっ! ああん!」
 首を振って嫌がっても指が刺激を与えてくる。呼吸が苦しい、もう・もたない。
「いやっ、あっあっ、あ……アアッ!」
 乱暴な扱きに興奮して放出してしまった。
膝の力が抜けてふらついた僕を、夏都兄が慌てて支えてくれた。

「大丈夫? 立っていられる?」

「その健気な気持で、跳ねそう」
 夏都兄がキリキリとジッパーを下ろした。
 狭い場所からようやく解放された夏都兄の自身は、屹立した逞しい姿を僕に見せ付けた。
「な・夏都。それは……」
初めて見た夏都兄の大きな自身に顔が紅潮して、怖気づいてしまう。

「千里、もっと足を広げて」
引き気味な僕の腰を強引に掴んで、頭をもたげた自身を僕の奥に突き立てた。


「痛い! 無理っ!」
「逃がさない」


そんな、強引に来ないで!

 ねじ込んでも困る。呑み込めないよ、太いもん。入口で暴れないで、腰がひくひくする
「いや……もう無理……」
「もっと力を抜いて、動いてごらん」
 腰を動かすとようやく入って来た。
でも足が震える、このまま夏都兄が僕の体を突き抜けそうで怖い。


「くっ、うん。ん……」
 ああ、腰を前後に振ると楽になる。
これで誘えるんだ。あ、あとどのくらい?

「ううんっ……」
「あ、そんなによがって」
 夏都兄が僕の腿を持上げて激しく突始めた、このまま貫かれてしまいそう!
「いっ、嫌だ! 待って、アッ、いやあ!」
「千里、もっと。もっと声を聞かせて」
 突上げてくる力は加減を知らない。
(強引過ぎるよ)


 中で擦れる感覚に思考が飛びそう。 
目の前がチカチカ光るよ……? アア!


「あっ! 千里、千里!」
 ……大声で呼ばれて、はっとした。
でも胸が苦しくて、肩を上下させながら大きく息を吐くと、夏都兄が背中をさすってくれた。
「千里、急がせてごめん」
「な、夏都兄。夏都……」

「震えないで。ね、ゆっくりするから」
言葉通りに僕の中をゆっくりと夏都兄がかき回す。あ、さっきよりきつくない。
「夏都、ん……あ、ん……ううん」
「いいよ、千里。気持いい……」
半円を描く腰の動きは僕の中を突いて、いい場所を探り当ててくれた。
「アッ! んっ、んー! そこ……」
「千里、いい声。感じちゃう」

「夏都っ。そこ、そこが……!」
 体が疼くんだ、どうにかして! 
「あっ、ああん!」
「ん、もっと良くしてあげるよ」
 夏都兄がこの角度を集中的に突いてきた。
「アアッ!」
突き上げられて気持がいいし、肌の触れ合う音が聞えて興奮する。
「ア・ああっ、んっ、んっ!」
 のけぞる体を更に追い込んでくる腰に壊されそう。
「千里、千里っ。もう、持たないっ」
夏都兄の荒い呼吸が僕の肌を濡らし、反らした胸に力んだ後の吐息がかかる。
同時に僕の中に何かが注がれたのを感じた。溢れた雫が腿を伝う。あ、これって……。

「……千里、凄く良かった」
 夏都兄の首筋に汗が光っている。
「僕も。……ねえ夏都兄」
 かすれる声で恥かしいけど、聞いて欲しくて夏都兄の手をぎゅっと握った。
「好きだよ」
「ありがとう」
 いつもの穏やかな笑顔。その瞳に奪われたままの心ごと、抱きしめて貰った。



クラブを出ると、夜風が涼しい。
ようやく秋の気配かな。頬に触れた髪を除けると、夏都兄がキャリーケースを引きながら微笑んだ。
「今夜は、一緒にいよう」
「一緒? えっ!」
 クラブの前で慌てる僕を促して歩き出した。

「話とかしたいし。ね?」
驚いて口が半開きの僕を見て、夏都兄が笑いを堪えている。
「母さんに聞いたけど、昨日は焼肉じゃなくて炭を作ったんだって? 俺がいないと千里が寂しがるから側にいてと言われたよ」
 母さん、余計なことを!
「父さんが怪しがらないかな」
「兄弟だから平気でしょう」
(そうかな) 

夏都兄を見上げると、すぐ僕に気づいて微笑みながら少しかがんでくれた。

「他に、何か心配?」
「一緒に寝てくれるか、聞いておかないと」
「……それは考えておこうかな?」
震える指先を夏都兄が握ってくれた。
もう、手を離さないで。お願いだよ。

「千里、ゆっくり歩こうか?」
その気配りが嬉しくて頷いた。

終わり  ありがとうございました!

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Last updated  2008/10/11 10:05:05 AM
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