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☆9月12日、東京都八王子市の高尾山に植物観察(17回目)に行きました。その内容を紹介しています。スズムシバナの花です。(2019年9月12日撮影)。☆このスズムシバナは、高尾山の「びわ滝道」の途中の道端で見つけました。スズムシバナは、本州(近畿以西)から九州の林中に生えるキツネノマゴ科イセハナビ属の多年草です。これは、園芸種が何らかの理由で、入ってきたものと考えられます。☆スズムシバナは、直立する数本の茎をのばしてまばらに分枝し、高さは40~80センチになります。☆スズムシバナの葉は対生し、葉柄が細長く、葉身は広卵形または三角状広卵形です。☆スズムシバナの花期は9~10月で、枝先に数個の柄のない花をつけます。☆スズムシバナの花冠はラッパ型の淡紫色で、先端が5つに分かれており、それぞれがさらに浅く2つに分かれているようです。この花は園芸種のようで、白色です。☆スズムシバナ(鈴虫花)の名は、スズムシが鳴く頃に開花することに由来します。☆スズムシバナの花言葉は、「可憐美の極致」です。林中でひっそりと咲いている姿から、この花言葉は最適であると感じました。
2019.10.21
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第8回は、スズランの花です。(2012年5月12日撮影)。☆スズランは、北海道・東北・本州中部以北の山地や高地の草原に生えるキジカクシ科スズラン属の多年草です。スズラン属の日本在来変種は、Convallaria majalis var. keiskeiのみだそうです。園芸品種が、庭や公園に植えられています。(2012年5月12日撮影)。☆ヨーロッパ原産のドイツスズラン(Convallaria majalis var. majalis)は、大型で花の香りが強く、日本に自生するスズランの花茎が葉より低く短いのに対して、ドイツスズランは花茎が葉と同じ高さか葉より高く上に伸びます。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの葉は、2枚(まれに3枚)が根生し、葉身は楕円形から卵状長楕円形で長さ10~18センチ、幅3~7センチ、裏面はやや粉白色です。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの花期は4~6月で、花茎は高さ20~35センチで、花が10個ほどつきます。(2012年5月12日撮影)。☆このスズランの花序は、8個の花が見えます。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの花は、広鐘形で、直径は10ミリ程で、裂片は外側に反り返っています。スズランの花は、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)が付け根の部分で合着しています。雄蕊が6本、雌蕊が1本あるそうです。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの苞は広披針形で長さ4~10ミリ、小花柄は長さ7~12ミリです。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの果実は球形の液果で、直径6~12ミリ、秋には赤色に熟します。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。(2012年12月16日撮影)。☆スズラン(鈴蘭)の名は、広鐘形の鈴のような形の花を咲かせること、葉の形が蘭に似ていることに由来します。別名のキミカゲソウ(君影草)は、花が葉の下に咲き葉の影に隠れるように見えることに由来するようです。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの花言葉は、「再び幸せが訪れる」「幸福の再来」「希望」「純愛」「純粋」「純潔」「謙遜」「無意識の美しさ」「リラックス」「平穏」などだそうです。「再び幸せが訪れる」は、スズランが北国の人々にとって春の訪れの喜びのしるしになっていることに由来するそうです。「純粋」は、スズランがヨーロッパで「聖母の涙」と呼ばれていることにも関係するそうです。「癒やし」は、イギリスで語り継がれている森の守護神であるセント・レオナードの伝説から来ているそうです。
2018.12.06
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[1]】はラン科の植物の番外編で、第14回はラン科でないのに「ラン」の名がつく花です。記事は、2015年1月24日の日記の再録です。☆名前の由来は、葉が洋ランに似ているもの、葉が野生蘭に似ているもの、花の様子に由来するもの、中国名に由来するものなどがあるようです。◎アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭)―ラン(蘭)の名の由来はわかりません。中国名からきている?☆ウォーキングコースで、毎年秋に見かけるアツバキミガヨランの花です。アツバキミガヨランは年に2度咲きで、5~6月と10月に花茎を長く伸ばして黄白色の花を咲かせるそうですが、右側の枯れた花茎は5月か6月に咲いたものなのでしょうか。(2014年10月8日撮影)。☆アツバキミガヨランは、日本には明治時代に渡来した北アメリカ原産でリュウゼツラン科(クサスギカズラ科)ユッカ属の常緑性低木です。アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭)の名は、学名(Yucca gloriosa)の種小名「グロリオサ(gloriosa)」の「栄光のある」という意味を「君が代は栄える」と解釈して名づけられたそうです。厚葉は、文字通り葉が厚手であることから。中国名は、ホウオウラン(鳳尾蘭)というそうなので、「蘭」の名は中国名からきているようです。(2014年10月8日撮影)。◎クンシラン(君子蘭)―葉が蘭に似ているので「ラン」の名が。☆玄関脇で冬越ししてきたクンシラン。花茎が、随分伸びてきました。クンシランは、ヒガンバナ科クンシラン属の総称だそうです。本来のクンシランは花が下向きで観賞用に適さず、花が上向きに咲くウケザキクンシランの園芸品種がクンシランとして市場で流通しているそうです。(2013年4月3日撮影)。☆クンシラン(君子蘭)の名は、本来のクンシランの学名が「高貴な」「気品がある」という意味で、それに日本では「君子」という言葉を当てたことと、葉が蘭に似ていることに由来するそうです。(2013年4月3日撮影)。◎ノシラン(熨斗蘭)―葉が常緑で光沢があり蘭の葉に似ているので「ラン」の名が。☆ウォーキングコースで、ノシランを1株だけ見つけました。直径60センチ以上あるような大きな株です。ノシランは、本州(東海地方以西)・四国・九州に分布するユリ科(APG分類体系ではキジカクシ科)ジャノヒゲ属の常緑性多年草です。本来は海岸線にある林の下などの薄明るい場所に自生するそうです。(2014年9月5日撮影)。☆ノシラン(熨斗蘭)の名は、葉や茎が扁平で熨斗に似ているという説、葉も茎も火熨斗(ひのし:昔のアイロン)で伸ばしたように平べったいことに由来するという説がありました。蘭の名は、葉が常緑で光沢があり蘭の葉に似ていることに由来するそうです。(2014年9月5日撮影)。◎ハゼラン(爆蘭)―蘭のような花が咲くや美しい花だからなどの説が?☆ハゼランは、南アメリカ原産で明治初期に花卉として導入されたスベリヒユ科ハゼラン属の帰化植物です。庭の花として栽培されていたようですが、野生化しており、道端でよく見かけます。本来は多年草ですが、日本では耐寒性がなく冬には枯れてしまうため1年草になるそうです。(2013年8月31日撮影)。☆ハゼラン(爆蘭)の名は、つぼみが爆ぜるように咲くという説や、丸いつぼみや実が付いている様子が線香花火を連想させるなどの説があるようです。ラン(蘭)という名が付いていることについては、蘭のような花が咲くや美しい花だからなどの説があるようですが、はっきりしません。(2014年9月19日撮影)。◎ヤブラン(藪蘭)―林内の藪に生える葉が蘭に似ている植物なので「ラン」の名が。☆ヤブランは、本州以南の山地の木陰に生えるユリ科ヤブラン属の多年草です。なお、APG植物分類体系ではユリ科ではなく野菜のアスパラガスなどとともにクサスギカズラ科に分類されています。(2014年8月21日撮影)。☆ヤブラン(藪蘭)の名は、林内の藪に生える葉が蘭に似ている植物から。園芸品種も栽培されています。(2014年8月21日撮影)。◎リュウゼツラン―ラン(蘭)の名の由来はわかりません。中国名からきている?☆リュウゼツランは、リュウゼツラン科リュウゼツラン属の植物です。リュウゼツランは、メキシコを中心に、米国南西部と中南米に自生し、食用作物・繊維作物・観葉植物として栽培されているそうです。(2014年11月18日撮影)。☆リュウゼツラン(竜舌蘭)の名は、葉の部分にある長くて固いトゲが竜の舌のようであることに由来するそうです。中国名は、龍舌蘭・世紀樹・萬年蘭というそうなので、「蘭」の名は中国名からきているようです。(2014年11月18日撮影)。
2018.08.25
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☆北海道では、高速道路の壁面や空き地などでルピナスの花が広範囲に広がって咲いているのを見かけました。6月10日から17日まで、故郷の北海道を訪ねました。そこで出合った植物を紹介しています。(2017年6月16日撮影)。☆ルピナスは、南北アメリカ、南アフリカ、地中海沿岸地域に200種以上が分布するマメ科ルピナス属の1年草、多年草、半低木です。☆紫色、ピンク色、白色などのルピナスの花が、北海道内のいたるところの高速道路の壁面、道端や空き地など、相当広範囲に群落を作って広がっており、生命力・繁殖力の強さを感じました。☆それもそのはず。ルピナスという名は、ラテン語でオオカミを意味する「ループス」という言葉に由来するそうです。ルピナスは、荒れ地でも生育できるように肥料を吸収する力が非常に強いという特徴をもっており、そのことを貪欲なオオカミに例えたものだそうです。気温が低い北海道で、異常ともいう繁殖力を持って相当広範囲に群落を作って広がっていたことが納得できます。☆寒さに強く暑さに弱いルピナスは、寒さには一定の強さがあり、マイナス5度くらいまで耐えることができるそうです。いっぽう、夏の暑さにはめっぽう弱く、25度で生育が止まり、30度以上になるとそのまま枯れてしまうそうです。こうした特徴は、北海道での生育に適しているのかも知れません。☆ルピナスの花言葉は、「想像力」「いつも幸せ」「あなたは私の安らぎ」「貪欲」だそうです。想像力」「いつも幸せ」「あなたは私の安らぎ」は、古代ヨーロッパでルピナスを食べると心が明るくなり、想像力が高まるといった俗信があり、薬草やビールのつまみなどにされたといわれることに由来するそうです。「貪欲」は、ルピナスの吸肥力の強さにちなむそうです。☆ルピナスの和名は、根生葉が掌状複葉であることからハウチワマメ(葉団扇豆)、花の様子がフジに似て花が下から咲き上がるのでノボリフジ(昇藤)という別名もあります。
2017.06.29
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☆クリスマスローズの花について調べている中で、クリスマスローズの花は雌性先熟であることを知りました。雌性先熟とは、両性花で雌性が先に熟して現れる植物を雌性先熟といい、自家受粉を避けるための植物の仕組みです。これまでの自然観察の中から、雌性先熟の植物を振り返ってみました。☆クリスマスローズは、キンポウゲ科クリスマスローズ属の多年草です。多数の雄しべの中から、2本の雌しべが伸びています。クリスマスローズの花は雌性先熟で、雌しべが雄しべより数日先に熟し、受粉のチャンスを待っているそうです。(2014年3月3日撮影)。☆こちらのクリスマスローズの花は、雄しべが外側に広がり花粉を出しているようです。(2014年3月3日撮影)。☆3月に花が咲くモクレン科モクレン属のコブシとハクモクレン。コブシの花は雌性先熟の両性花で、雌しべは柱状に集まり、雄しべはへら型でらせん状に雌しべを取り囲んでいます。(2013年3月19日撮影)。☆ハクモクレンの花の雄しべ・雌しべは、コブシと同じような形です。雌性先熟の両性花で、先に雌しべが柱頭を突き出します。その後、雌しべの柱頭は中心にへばりつくようになり、へら型の雄しべが突き出して両側の隙間から花粉を出すそうです。(2013年3月19日撮影)。☆シバは、イネ科シバ属の多年草です。(2012年5月18日撮影)。☆シバの花は雌性先熟で、雌しべから先に伸び、白い雌しべが枯れた後に雄しべの葯が出てきます。花序には雄しべの葯がたくさん見えます。(2012年5月18日撮影)。☆ソシンロウバイは、ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木です。これは、咲き始めたばかりの花です。開花直後は雌性期で、真ん中に雌しべ柱頭が見え、他の花からの花粉で受精します。この時期、6本の雄しべは外側に広がっています。雄しべ花糸の外側に葯があります。(2015年2月2日撮影)。☆ソシンロウバイの花が咲いてから数日後、花は雄性期になり、雄しべが立ち上がり中央に集まって雌しべを覆い隠し、その後葯の外側から花粉がたくさん出てきます。葯の外側から花粉が出始めているようです。(2015年2月2日撮影)。☆ヘラオオバコは、ヨーロッパ原産でオオバコ科オオバコ属の帰化植物です。花穂の上の方には、細長く先が尖った雌しべが見えます。下の方の雌しべはしおれており、穂状花序の下の方からクリーム色の葯がある雄しべが次々と出てきています。(2014年5月26日撮影)。☆オオバコは、オオバコ科オオバコ属の多年草です。花穂の上の方には細長い雌しべが見え、下の方では雄しべが出てきているようです。(2012年5月21日撮影)。☆ミズバショウは、サトイモ科ミズバショウ属の多年草です。ミズバショウの純白の仏炎苞の中央の花序には数百の小花があり、それぞれの花には4枚の花被片、4本の雄しべ、1本の雌しべがあります。仏炎苞が開いた直後は、雄しべは出ておらず、雌しべが出ているそうです。(2014年4月1日撮影)。☆ミズバショウの花は、開花して数日たつと雄しべが伸びてきて、花粉を出すそうです。こちらの花序は、黄色い葯がある雄しべが見えます。(2014年4月1日撮影)。☆自然観察を振り返ってみると、雌性先熟の8種類の植物がありました。
2015.02.22
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☆道端で咲いていたガザニアの花です。ガザニアは、キク科ガザニア属(クンショウギク属)の多年草です。開花期は4月から10月上旬までで、寒い地域では冬に枯れてしまいますが、暖かい東伊豆ではたくさんの花が咲いていました。房総半島でも、冬に咲いていたのを思い出します。(2014年11月17日撮影)。☆ガザニアは南アフリカ原産で、野生種をもとにヨーロッパで改良された園芸品種。日本には、大正末期に渡来したそうです。ガザニアの名は、ギリシャの古典書物をラテン語に翻訳したギリシャ人ガザの名前に由来するそうです。和名のクンショウギク(勲章菊)の名は、花が勲章のような形から名づけられたそうです。☆ガザニアの花は、外側に15個程度の舌状花があり、内側は管状花です。朱色の花粉も見えますが、管状花は2つに分かれる雌しべ花柱が伸びており、雄性期から雌性期になったようです。☆アザミの花も見かけました。葉の切れ込みが深く葉の棘が長いので、タイアザミかと思いましたが、はっきりしません。☆タイアザミの特徴は、花が横や下を向いており、総苞片が反り返っているのが特徴です。クモ毛が見え、総苞片が短く、先が少し反り返る程度なので、東海地方に多く分布するスズカアザミかもしれません。☆スズカアザミは、花期が9月から11月だそうですが、新たな株も成長してきています。☆ツワブキは、東伊豆のいたるところで見かけました。☆ツワブキは、日本海側の石川県、太平洋側の福島県以西の日本各地に自生しているキク科ツワブキ属の多年草です。☆これまで見てきたツワブキは、園芸的に植栽されたものばかりでした。ツワブキは低地から山地の日陰や海岸に多いそうなので、東伊豆のツワブキは、もともとここに自生しているものでしょう。☆花びらが幅広のツワブキを見つけました。花びらの形には、さまざまな変異があるようです。☆ツワブキ(石蕗、艶蕗)の名は、葉が丸くフキのようで光沢がありつやがあるので、「艶葉蕗(つやばぶき)」「つやブキ」の意味から転訛してツワブキになったという説、「厚葉ブキ」から「あ」が省略されて「つわぶき」になったという説があるそうです。艶葉蕗(つやばぶき)がふさわしい光沢のあるツワブキの葉です。☆道路脇で大きく成長したハイビスカスです。11月中旬ですが、やはり暖かい東伊豆だけあって、たくさんの花が咲いていました。☆ハイビスカスは夏の花のイメージですが、真夏の高温下では開花がにぶり、花の盛りは秋の9月から10月が見頃だそうです。今年の4月、沖縄では街路樹のハイビスカスがたくさんの花を咲かせていたのを思い出しました。☆ベニバナボロギクも見かけました。☆ベニバナボロギクは、アフリカ原産で、第2次大戦後に日本の暖地に広がったキク科ベニバナボロギク属の1年草です。ベニバナボロギクの花は、管状花を束ねたような形で先端が赤くなっており、横向きか下向きに咲いています。
2014.11.28
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☆畑や庭で見かけるスベリヒユです。スベリヒユは、日当たりの良い畑や道ばたに生えるスベリヒユ科スベリヒユ属の1年草です。☆スベリヒユの茎は赤紫色で、葉は長円形の肉質です。スベリヒユ(滑莧)の名は、「スベリ」は茹でると独特のぬめりがあることと、ヒユ(莧:草かんむりに見るの字)は「ひよこ」と同語源で小さく可愛らしいという意味から付けられているという説がありました。☆一昨年観察したスベリヒユの花です。黄色い5弁花で、たくさんの雄しべ、雌しべの柱頭は5裂、萼片は2枚で花の後に大きくなって実を包むそうです。(2012年8月28日撮影)。☆雑草のスベリヒユと同じスベリヒユ科スベリヒユ属の園芸植物には、マツバボタンやハナスベリヒユ(ポーチュラカ)がありますが、ハナスベリヒユが咲いています。ポーチュラカは、スベリヒユ属の学名です。葉や茎の形は、スベリヒユによく似ています。☆ポーチュラカの花のつくりはスベリヒユと同じで、花びらが5枚、たくさんの雄しべ、先端が5裂する雌しべです。☆インターネットで検索するとスベリヒユのレシピがたくさん出てきますが、スベリヒユは畑や庭の雑草という印象が強い植物です。
2014.09.05
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☆弘前城植物園での自然観察の続き、今回で最終回です。弘前城植物園のカタクリは、ちょうど満開の時期でした。☆今年の春は、近所の雑木林のカタクリの大群落、ウォーキングコースで初めて見つけたカタクリ、そして弘前城植物園の満開のカタクリと、3度カタクリの花を楽しみました。☆植物園でキクザキイチゲについで目立ってたくさん咲いていたのは、チオノドクサの花です。☆チオノドクサは、地中海沿岸から小アジア原産のヒヤシンス科(APG3版ではクサギカズラ科) チオノドクサ属の球根植物です。高山植物なので、北海道・東北や高地での栽培に向いているそうです。立川のウォーキングコース(玉川上水)でも見かけます。☆チオノドクサの名は、「クサ」の名がついているので和名かと思ったら、実は学名(Chionodoxa)の日本語読みでした。ギリシャ語で、chion(雪)+doxa(輝き)の意味で、雪解けの頃に咲いている姿を発見されたことに由来するそうです。☆ニリンソウは、咲き初めでした。花びらのように見える萼片は通常5枚と言われており、ウォーキングコースで見たのは5枚でしたが、この花は8枚です。☆こちらのニリンソウは、6枚でした。☆ヒメリュウキンカの花も、たくさん咲いていました。☆ヒメリュウキンカは、ヨーロッバ原産のキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草で、日本には園芸用として渡来し、野生化しているものもあるそうです。☆ヒメリュウキンカ(姫立金花)の名は、「立金花」は花茎が直立し金色の花を咲かせること、「姫」は小型であることから。☆ミスミソウの花は、満開を過ぎていましたが、まだ咲いている花を観察できました。☆ミスミソウは、本州中部以西の山間地に自生するキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草です。☆花びらのように見えるのは萼片で、白・紫・ピンク色などがあり、栽培品種もあるそうです。ミスミソウ(三角草)の名は、葉の形が3裂し先が尖っていることに由来するそうです。☆懐かしい仲間との30年・40年ぶりの再会、満開の桜を十分に楽しむことができ、さらに植物園では新たな山野草との出合いもあり、充実した弘前への旅でした。
2014.05.08
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☆近くの公園で、クリスマスローズの花が咲いており、数種類の品種があったので花のつくりを調べてみました。これは白い花の品種ですが、どの品種も見頃でした。☆クリスマスローズは、キンポウゲ科クリスマスローズ属の多年草です。他のキンポウゲ科の植物と同じく、花びらのように見えるのは萼片で、本来の花びらは、退化して小さな筒状の蜜腺という形になり雄しべ束の外側に並んでいるというのですが、萼片と雄しべの間に薄黄緑色の筒状のものが見えます。☆クリスマスローズの花は、花びらのように見えるのは萼片なので、花弁(花びら)のようにすぐ散ることがなく、花のように長く鑑賞することができるのが特徴です。こちらの品種は、赤紫色の花です。☆やはり、萼片と雄しべの間に赤紫色の筒状のものが見えます。☆こちらの品種は、白い花でまわりが少し赤紫色になっている花です。☆花の中央に2本の雌しべ、それを取り囲む多数の雄しべ、少し赤紫色がかった萼片、数は少ないですが萼片と雄しべの間に薄黄緑色の筒状のものが見えます。☆こちらの花は、濃い赤紫色の品種です。萼片と雄しべの間にたくさんの大きな筒状のものが見えます。☆こちらの花は、チョコレート色の品種です。花の中央に5本の雌しべ、それを取り囲む多数の雄しべ、その周りに大きなチョコレート色の筒状のものが見えます。☆クリスマスローズの5種類の品種の花を観察してみましたが、それぞれ大きさや数は違っても、退化して小さな筒状の蜜腺という形になった本来の花びらがあることがわかります。先日観察した同じキンポウゲ科のキバナセツブンソウの花(3月1日の日記)でも、花びらは退化し先が2唇形になる黄色の蜜腺になっていました。☆昨年観察した同じキンポウゲ科のセツブンソウの花(2013年2月23日の日記)では、退化した花びらは黄色い蜜腺になっていました。
2014.03.05
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☆曇り空でしたが、東南方向にかすかに伊豆大島が見えました。先日の台風26号で大きな被害を受け、多くの方が犠牲になり、まだ行方不明の方がいること、今後の復旧・復興のことなどを考えると胸が痛みました。☆熱川バナナワニ園の植物園で栽培されている植物は、9,000種類にもなるそうです。そのうち、印象に残ったものの一部を紹介します。☆世界一大きな葉を持つ植物として知られるオオオニバスです。オオオニバスはアマゾン川流域を原産地とする熱帯植物で、スイレン科オオオニバス属の1年草です。葉は最大で直径3メートルにもなり、100キログラムの重さのものを乗せても沈まないそうです。☆次に印象に残ったのは、数多くのスイレンの花です。昨年3月に訪れた時も、花が咲いていましたので、1年中花を咲かせているのでしょうか。全て品種名が表示されていました。これは黄色い花が綺麗な「セントルイスゴールド」です。☆明るい紫色の花びらで中央がオレンジ色の花は、「ブルーカーペンシス」です。☆薄黄色の花びらで中央がオレンジ色の花は、「セントルイス」です。☆花のつくりを再発見したのは、ブーゲンビリアの花です。ブーゲンビリアは、中南米原産のオシロイバナ科ブーゲンビリア属のつる性低木です。☆白やピンク色に見えるのは、花びらではなく3枚の苞です。苞の中に2~3個見えるのが花ですが、この小さな花は花びらではなく萼です。☆ピンク色に見える花も、同じようにピンク色のものは3枚の苞で、真ん中に見えるのは花の萼です。☆同じオシロイバナ科で、熱帯アメリカ原産で江戸時代初期に渡来した帰化植物オシロイバナ属のオシロイバナも、花のように見えるのは萼筒が変化したものでした。☆熱川バナナワニ園では、最初に本園でワニを見ました。ワニは、世界に3科8属21種いるそうですが、熱川バナナワニ園には20種約200頭のワニを飼育しているそうです。園内の通路脇には、ワニに詳しくなるためのクイズ形式の看板が何枚かありました。☆ワニは、種別が難しそうで、写真に撮って自然観察という気にもならなかったので、ワニ園の通路のワニの人形を記念に撮ってきました。☆熱川バナナワニ園には9,000種類の植物があるということですから、じっくり観察すれば、もっと別の収穫があったのかもしれません。しかし、今回は何としてもバナナの花を観察したいと思い、その念願がかなったので満足でした。熱川バナナワニ園は、一通り見るだけでも1時間半はかかります。園内でも温泉がわき出していました。
2013.10.30
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☆シュウカイドウは、中国やマレー半島の原産で、日本には江戸時代初期に園芸植物として渡来したシュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニアBegonia属)の多年草です。葉が、左右非対称なのが特徴です。秋の終わりに葉の付け根にムカゴをつけ、これが落ちて翌年発芽して増えていきます。☆シュウカイドウは、雌雄同株・雌雄異花です。花被片が4枚で、雄しべが黄色く球状の形になっているのは雄花です。☆シュウカイドウの雄花です。4枚の花びらに見えるのは、大きな外花被(萼)2枚と小さな内花被(花弁)2枚です。雄花は、横向きに咲いています。☆シュウカイドウの雄花の中央には、黄色い球状の雄しべが目立ちます。☆シュウカイドウの雌花は、斜め下向きに咲くものもありますが、ほとんどが下向きです。☆シュウカイドウの雌花の子房には3枚の羽状の翼がついています。☆シュウカイドウの雌花は3枚の花被片があり、大きな外花被(萼)2枚と小さな内花被(花弁)1枚からなります。雌花の中央に、黄色い雌しべがあります。花柱は6本あるようで、柱頭が複雑な形になっています。柱頭が複雑な形になっているのは、花粉がある雄花の形に似せて虫を呼び込むためだそうです。☆同じく雌花です。柱頭が複雑な形の雌しべと3枚の花被片。なお、ネットで調べると、「雌花は萼2枚で花弁はない」という記述もがありましたが、写真では3枚の花被片(大きな外花被・萼2枚と小さな内花被・花弁1枚)を確認できます。☆シュウカイドウ(秋海棠)の名は、漢名「秋海棠」の音読みで、秋にバラ科のカイドウに似た花をつける植物に由来するとのこと。下向きに垂れ下がる花の形が、春に咲くバラ科のカイドウ(海棠)に似ていることから、名付けられたそうです。
2013.09.12
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☆箱根湿生花園での自然観察は一時中断し、ウォーキングコースでの自然観察を掲載します。箱根湿生花園での自然観察は、後日再開します。☆ウォーキングコースでショウキズイセンを見つけました。昨年より10日間ほど早く咲きました。☆ショウキズイセンは、四国や九州以南に自生するヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年生球根植物です。園芸用に植えられていたものが、何かの理由で持ち込まれたようです。☆ショウキズイセンの花のつくりは、6枚の花被片、上向きに弓状に曲がる6本の雄しべ、1本の雌しべです。花被片の基部に鱗片状の副花冠があるそうですが、写真では確認できません。☆ショウキズイセン(鐘馗水仙)の名は、波打っている花被片を、子どもの病気除けや学業成就に効がある鐘馗様の波打つ長いひげにたとえて名付けられたそうです。
2013.09.11
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☆ウォーキングコースで、昨年より2週間早くカノコユリが咲き始めました。☆カノコユリは、四国・九州の山地に自生するユリ科ユリ属の多年草です。☆花がきれいなので、古くから観賞用に栽培されており、白やピンクなどの品種があるようです。この花も、誰かが玉川上水に植えたものでしょうか。☆カノコユリ(鹿の子百合)の名は、花びら(花被片)に鹿の子模様があることから付けられたそうです。☆花の大きさはヤマユリより小さめですが、花はきれいで、花びらの白さが日陰で浮き立って見えます。江戸後期にシーボルトがヨーロッパに持ち帰り、美しい花がセンセーションを巻き起こしたそうですが、うなずけます。☆花のつくりは、花被片が6枚、雄しべが6本、雌しべが1本です。花は下向きで、花被片が後ろにそり返り、花被片には鹿の子模様があり、花被片の内側には棘状の突起がたくさんあります。
2013.08.04
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☆雑草のスベリヒユと同じスベリヒユ科スベリヒユ属の園芸植物には、マツバボタンやハナスベリヒユ(ポーチュラカ)がありますが、ハナスベリヒユが咲いています。☆ポーチュラカは、スベリヒユ属の学名です。花の色は、赤や黄色とともに、白、ピンク、オレンジ、ムラサキなどさまざまです。☆ポーチュラカの花のつくりは、花びらが5枚、たくさんの雄しべ、先端が5裂する雌しべです。☆赤・黄色・白花ともに、たくさんの雄しべとともに先端が5つに分かれている雌しべが見えます。☆雑草のスベリヒユは、まだ花が咲いていません。スベリヒユは、日当たりの良い畑や道ばたに生えるスベリヒユ科スベリヒユ属の1年草です。食用にするところもあるそうですが、子どもの頃の記憶では、畑の雑草です。☆スベリヒユ(滑莧)の名は、茹でると独特のぬめりがあることと、ヒユ(草かんむりに見るの字)は「ひよこ」と同語源で小さく可愛らしいという意味から付けられているそうです。
2013.07.30
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☆昨日に続き、ツツジ科の植物です。ツツジは今が満開の時期ですが、花を見ていて気になったのは、一重咲きと二重咲き。気になって花のつくりを調べてみました。品種はわかりませんが、一般的に見かける赤紫色の大きな花が咲く一重咲きのツツジです。☆花は一重で、枝先の花柄に萼があり花冠があります。☆小さい赤い花が咲く一重のツツジですが、花冠の根元に萼があります。☆ピンク色の二重の花が咲くツツジです。萼は見えません。☆近寄り拡大してみると花柄の先に萼はなく、二重の花冠が付いています。☆赤い色の二重の花が咲くツツジです。こちらも、萼は見えません。☆薄いピンク色のツツジです。完全な二重ではなく、外側の花冠は内側の花冠の半分以下の大きさです。これも、萼は見えません。☆同じく、薄いピンク色のツツジです。花冠の外側には、細く分かれた萼のような花冠が見えます。やはり、萼は見えません。☆このように見てくると、断言はできませんが、二重咲きのツツジの外側の花冠は萼が変化したものなのでしょうか。八重咲きの花は、雄しべが変化した花びらがあると聞いたことがありますが。☆そんなことを考えていた時に、昨年観察した一重と二重のホタルブクロのことを思い出しました。こちらは、一重のホタルブクロです。花冠と萼が見えます。(2012年6月1日撮影)。☆こちらは、昨年ウォーキングコースで見つけた二重のホタルブクロです。一重のホタルブクロのような萼片は見えませんし、外側の花冠は萼が変化したようです。(2012年6月18日撮影)。☆ユリ科やヒガンバナ科の花は、花びらのような6枚の花被片があり、3枚の外花被(萼)と3枚の内花被(花弁)からできています。ツツジ科でも同じような花のつくりなのでしょうか。調べていると、この記事を見つけました。クルメツツジ―nehttp://www.ne.jp/asahi/osaka/100ju/Kurume/Kurume.htmキリシマツツジ系の二重咲きツツジhttp://midori7614.exblog.jp/17906728/☆何気なく見ていたツツジの花ですが、今年はしろうと自然科学者として花のつくり・構造にこだわって調べてみました。☆なお、ツツジ(躑躅)の名は、「ツヅキサキギ(続き咲き木)」、「ツヅリシゲル(綴り茂る)」、朝鮮語からなどの説があるとのこと。漢字の「躑躅」は、漢名で「行っては止まる」という意味があり、見る人の足を引き止めることから名付けられたそうです。
2013.04.25
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☆近所の庭先で、レンギョウが一斉に開花しました。☆葉と同時に花を咲かせているので、モクセイ科レンギョウ属のシナレンギョウのようです。☆雌雄異株だそうです。雄しべは2個で、花柱が雄しべより長いので、やはりシナレンギョウのようです。チョウセンレンギョウは、花柱より雄しべが長いので区別できるそうです。☆そのレンギョウの下を見ると、ニリンソウ(?)が咲き始めていました。☆花は一輪ですが、ニリンソウの咲き初めは一輪が多いそうで、葉の形から判断するとニリンソウのようです。☆ウォーキングコース(玉川上水)でニリンソウが本格的に咲くのは、4月中旬です。この花も数日間観察して、その後の花の様子など注意深く見ていきたいと思います。☆コブシやユキヤナギも咲き始め、別の種類のスミレもつぼみが伸びてきています。毎日、どんな花が咲き始めるか楽しみな3月中旬です。
2013.03.17
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☆庭の芝生で、何度取り除いても次から次と生えてくるトキワハゼ。トキワハゼ(常磐爆)の名は、トキワ(常磐)は葉が一年中あること、ハゼ(爆)は実が弾ける・爆ぜる(はぜる)のに由来します。飛び散った種がすぐに芽を出し、1年中増えていくので、トキワハゼ(常磐爆)の名が納得できます。花が目立つようになりました。☆トキワハゼはゴマノハグサ科と覚えていたのですが、新しいAPG植物分類体系ではハエドクソウ科に分類されているそうです。ただし、まだ研究中で変更の可能性があるそうです。☆トキワハゼは、日本各地に分布し、ハエドクソウ科サギゴケ属に分類される1年草です。ムラサキサギゴケに似ていますが、全体に小さく、花の下唇が白色です。☆同じハエドクソウ科サギゴケ属に分類されるムラサキサギゴケです。花の下唇は薄紫色です。(2012年4月23日撮影)。☆同じくゴマノハグサ科からハエドクソウ科のツタバウンラン属に分類されているツタバウンランです。(2012年4月10日撮影)。☆この花が、ハエドクソウ科ハエドクソウ属のハエドクソウです。ハエドクソウの花は、口唇花で上唇が2裂し下唇が3裂していることなど、トキワハゼ・ムラサキサギゴケ・ツタバウンランに似ているようです。(2012年10月13日撮影)。☆APG植物分類体系は、マクロ形態的な従来の分類に対して、ミクロなゲノム解析から分類する手法だそうですが、形態的にも似ており、ハエドクソウ科に分類されるのが理解できそうです。☆なお、従来はゴマノハグサ科に分類されていたキンギョソウ属のキンギョソウやクワガタソウ属のオオイヌノフグリ(2月24日の日記で紹介)は、ミクロなゲノム解析からでしょうか新たにオオバコ科に分類されていますが、しろうと自然科学者にはよくわかりません。キンギョソウの花。(2012年6月15日撮影)。
2013.03.10
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☆自然観察の振り返り(その70)は、キク科の植物(その3)です。キク科の植物を、昨年観察した順に時系列で振り返っていきます。☆昨年の自然観察を振り返り今年の自然観察に活かすために、随時まとめを掲載しています。◎フキ(キク科フキ属)☆3月初め、ウォーキングコース(玉川上水)の雪が融けたところに、フキノトウが咲き始めていました。例年、小さな葉の蕗がたくさん見られるところです。フキは、本州以南の日本全土に分布します。(2012年3月2日撮影)。☆フキの日本古来の呼び名は、ヤマフフキまたはオオバと呼んでいたようで、ヤマフフキ(山生吹)の名の由来は、自生地が山地で、生吹は生長が早く繁茂する意味だそうです。日本固有の種で、学名「Petasites Japonicus」。(2012年3月8日撮影)。☆フキノトウは、フキのつぼみ・花茎で、雌雄異株で雄花・雌花は別々です。これは、雄しべが出ており雄花のようですが、今年は雄花・雌花とも区別して観察したいものです。(2010年3月21日撮影)。☆北海道・本州北部には、フキの変種である大型のアキタブキ(秋田蕗)が自生し、そのうち北海道・足寄町の螺湾川(らわんがわ)に沿って自生するのがラワンブキ。富良野で見かけたフキノトウです。アキタブキだからでしょうか、立川で見かけるフキノトウに比べて、大きさは3倍から4倍以上です。(2012年5月7日撮影)。◎フユシラズ(キク科キンセンカ属)☆公園の隅に、フユシラズが一株咲いていました。飛び散った種が飛んできたのでしょうか。南ヨーロッパ原産、キンセンカ(金盞花)と同属で、別名ホンキンセンカともいいます。フユシラズ(冬知らず)の名は、11月頃から5月頃まで、真冬でも霜にも負けないで次々と花をつけることに由来します。(2012年3月7日撮影)。◎ノボロギク(キク科キオン属)☆1月から見かけるノボロギクですが、3月になると茎が次第に伸びてきます。茎に細い毛があるのがわかります。ノボロギク(野襤褸菊)の名は、野に咲くボロギク(種名サワギク)に由来します。もとになったボロギクの名は、花後の冠毛を襤褸(ボロ)に見立てたそうです(2012年3月7日撮影)。☆ノボロギクは、ヨーロッパ原産で、明治初期に入ってきた帰化植物。日本全国に分布します。ノボロギク(野襤褸菊)の名の通り、花後の冠毛は襤褸(ボロ)に見えるでしょうか。(2012年3月7日撮影)。◎オニタビラコ(キク科オニタビラコ属)☆3月に東伊豆で見かけたオニタビラコですが、ウォーキングコースでは5月に花が咲いていました。オニタビラコは、日本全国に分布し、道端や庭に自生します。(2012年5月17日撮影)☆オニタビラコ(鬼田平子)の名は、田平子より大きいことに由来するそうです。田平子は、田の畔や田の中に生え、葉が田の表面に平らに広がることに由来し、なお、タビラコ(コオニタビラコ)は七草粥に入れられる春の七草の一つで、仏の座(ホトケノザ)とも呼ばれます。(2012年5月17日撮影)。◎ノゲシ(キク科ノゲシ属)☆3月に東伊豆でノゲシを見かけました。ノゲシは、原産地はヨーロッパで、畑作の伝来とともに中国から伝わり、畑や道端などに生えています。(2012年3月14日撮影)。☆ノゲシ(野芥子)の名は、野に咲き、葉の形がケシ(芥子)に似ていることに由来します。ウォーキングコースで見かけるのは、4月になってからです。(2012年4月10日撮影)。◎ノースポール(キク科フランスギク属)☆3月に東伊豆で見かけたノースポールです。「ノースポール」はサカタのタネの商品名で、一般名として定着しています。(2012年3月14日撮影)。☆ノースポールは、辞書で引くと「北極」の意味。白い花が株全体にたくさん咲くので、命名者が北極をイメージしたのでしょうか。ノースポールは、北アフリカ原産で、1970年頃輸入され、栽培が始まったとのこと。ウォーキングコースで見かけたノースポール。(2012年4月23日撮影)。◎ヨモギ(キク科ヨモギ属)☆3月下旬、ウォーキングコースでヨモギの葉を見つけました。ヨモギは、日本全国に自生し、草餅などに使います。葉を乾燥させ、葉の裏面の綿毛を採取したものが、灸に使う艾(もぐさ)です。(2012年3月23日撮影)。☆ヨモギ(蓬)の名は、四方に地下茎を伸ばして増えることから、「四方草(よもぎ)」という説や、乾燥した葉が良く燃えることから「善燃草(よもぎ)」という説があるそうです。
2013.01.31
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☆写真整理と自然観察の振り返り(その29)は、シソ科の植物(その2)です。☆写真は全て楽天写真館から掲載していますので、クリックすると鮮明な画像になります。◎アキノタムラソウ(シソ科アキギリ[Salvia]属)☆ウォーキングコースでは、7月中旬からアキノタムラソウが咲き始めます。開花時期は長く、11月頃まで見かけます。(2012年7月21日撮影)。☆アキノタムラソウは、本州以西に分布し山地や野原に生えるシソ科アキギリ属の多年草です。10段前後に輪生する花をつけます。(2012年7月21日撮影)。☆アキノタムラソウの名の由来は、わからないようです。なお、同じ属にハルノタムラソウ、ナツノタムラソウもあるそうですが、見たことはありません。◎アキギリ(シソ科アキギリ属)☆箱根湿生花園で見かけたアキギリです。本州中部から近畿地方に生えるシソ科アキギリ属の多年草で、本来は箱根にはない植物だと掲示されていました。(2012年9月14日撮影)。☆アキギリの名は、花が桐の花に似て、秋に咲くことから付けられたそうです。(2012年9月14日撮影)。◎キバナアキギリ(シソ科アキギリ属)☆同じく箱根湿生花園で見かけたキバナアキギリです。キバナアキギリは、本州から九州の山地の木陰に生えるシソ科アキギリ属の多年草です。(2012年9月14日撮影)。◎サルビア(シソ科アキギリ属)☆一般的に栽培されているサルビアは、ブラジル原産のサルビア・スプレンデンスという種だそうです。(2012年11月7日撮影)。☆夏から咲き始め、花は次から次と下から新しい花が出てきて、12月まで咲いています。(2012年11月7日撮影)。☆サルビアでも、条件が揃えばシモバシラと同じように枯れた茎に霜柱ができます。「しろうと自然科学者」の自宅北側の庭で、サルビアの枯れた茎にできた霜柱。(2009年1月1日撮影)。◎メドーセージ(シソ科アキギリ属)☆ウォーキングコースで野生化しているメドーセージです。(2012年9月18日撮影)。☆日本で流通しているメドーセージは、サルビア・ガラニチカという種だそうです。本来のメドーセージは別種ですが、誤って流通名になったそうです。(2012年9月18日撮影)。◎シモバシラ(シソ科シモバシラ属)☆シモバシラは、枯れた茎に霜柱ができる植物として知識はありましたが、花は箱根湿生花園で初めての出合いでした。シモバシラは、関東地方以西の山地に生えるシソ科シモバシラ属の多年草です。(2012年9月14日撮影)。◎ミント(シソ科ハッカ属)☆箱根湿地花園でミントを見かけました。不思議に思ったので、箱根湿地花園に問い合わせました。これは洋種のハッカで、植えこんだものではないのですが、自然に生えてきたそうです。(2012年9月14日撮影)。☆ハッカは、シソ科ハッカ属の多年草です。(2012年9月14日撮影)。
2012.12.06
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☆写真整理と自然観察の振り返り(その27)は、アヤメ科の植物です。☆写真は全て楽天写真館から掲載していますので、クリックすると鮮明な画像になります。◎クロッカス(アヤメ科クロッカス属)☆庭では、3月中旬からクロッカスが咲き始め、4月中旬まで咲き続けます。(2012年4月9日撮影)。☆クロッカスとは、クロッカス属に属する園芸品種を総称したものです。このうち、秋に咲くものをサフランといい、薬用、染料、香料として用いられています。これとの対比で、早春に咲くものを春サフラン・花サフランともいいます。(2012年4月9日撮影)。☆原産地は地中海沿岸から小アジアで、80種が知られているそうです。庭では黄色や青紫の花が多いですが、白花もあります。(2012年4月9日撮影)。◎シャガ(アヤメ科アヤメ属)☆ウォーキングコースでは、4月上旬からシャガの花が咲きます。中国原産で、かなり古くに日本に入ってきた帰化植物です。日本のアヤメ科の中で唯一の常緑種です。(2012年4月10日撮影)。☆「シャガ」の名は、漢名の「射干」を音読みしたものですが、漢名で「射干(やかん)」は本来ヒオウギアヤメ(檜扇)のことで、葉が似ているので間違って付けられたらしいとのこと。現在は「著莪」の漢字が一般的です。(2012年4月17日撮影)。◎ニワゼキショウ(アヤメ科ニワゼキショウ属)☆5月中旬、都立武蔵国分寺公園でニワゼキショウを見かけました。(2012年5月13日撮影)。☆ニワゼキショウは、アヤメ科ニワゼキショウ属の1年草で、日当たりの良い道端や芝生の中に生える北アメリカ原産の帰化植物です。花は、赤紫と白です。(2012年5月13日撮影)。☆ニワゼキショウ(庭石菖)の名は、葉がサトイモ科のセキショウに似ているので、庭に咲くセキショウから。団地内の芝生の中で咲いているニワゼキショウ。(2012年6月3日撮影)。☆ウォーキングコースの道端に咲いていたニワゼキショウ。(2012年6月4日撮影)。◎アヤメ(アヤメ科アヤメ属)☆ウォーキングコース(玉川上水)では、5月中旬過ぎからアヤメの花が咲きます。アヤメは、北海道から九州までの草地に生える多年草です。「いずれアヤメ(文目)かカキツバタ(杜若)」という言葉がありますが、アヤメは草地、カキツバタは湿地に生えます。(2012年5月21日撮影)。☆アヤメ(菖蒲、文目、綾目)の名は、外花被片の基部中央に黄色地に紫色の綾目(あやめ)模様があり、これがアヤメの名の由来とする説があるそうです。古くは「あやめ」の名はサトイモ科のショウブのことで、現在のアヤメは「はなあやめ」と呼ばれたとのこと。(2012年5月21日撮影)。◎キショウブ(アヤメ科アヤメ属)☆ウォーキングコースでは、アヤメと同じ時期にキショウブの花も見かけます。キショウブは、西アジアからヨーロッパ原産で、明治頃から栽培されていたものが日本全国の水辺や湿地に野生化した帰化植物です。(2012年5月25日撮影)。☆キショウブの名は、葉が菖蒲(ショウブ)に似ており、黄色い花を付けることから。(2012年5月25日撮影)。◎サフラン(アヤメ科クロッカス属)☆11月上旬から、ウォーキングコース(玉川上水)の柵の中で、サフランが咲き始めます。(2012年11月11日撮影)。☆地中海沿岸原産で、江戸時代に日本に渡来したそうです。(2012年11月11日撮影)。☆雌しべが香辛料として使用されます。(2012年11月11日撮影)。
2012.12.03
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◎オオバギボウシ(ユリ科ギボウシ属) ☆7月初めから、ウォーキングコースでオオバギボウシが咲き始めます。(2012年7月2日撮影)。☆オオバギボウシ(大葉擬宝珠)の名は、キボウシ属の中では葉が大きく、蕾が橋の欄干の擬宝珠に似ているのことから。(2012年7月2日撮影)。◎コバギボウシ(ユリ科ギボウシ属) ☆8月初めからは、ウォーキングコースでコバギボウシが咲き始めます。(2012年8月4日撮影)。☆コバギボウシ(小葉擬宝珠)の名は、葉が小さいギボウシから。ギボウシ(擬宝珠)については、オオバギボウシ参照。◎ツルボ(ユリ科ツルボ属) ☆9月初めからは、ウォーキングコースでツルボが咲き始めます。(2012年9月4日撮影)。☆ツルボの名は、球根の外皮をとると、つるりとした坊主頭に似ているので、「ツルボウズ」からツルボになった説など、さまざまな説があるようです。(2012年9月4日撮影)。☆ユリ科の花らしく、花被片6枚、雄しべ6本、雌しべ1本という花の構造になっています。(2012年9月6日撮影)。☆なお、APG植物分類体系では、ツルボはヒヤシンス科に分類されていましたが、第3版ではクサスギカズラ科に分類されているそうです。◎ヤブラン(ユリ科ヤブラン属) ☆ウォーキングコースでは、8月下旬からヤブランが咲き始めます。(2012年9月8日撮影)。☆ヤブラン(藪蘭)の名は、林内の藪に生える葉が蘭に似ている植物から。昭和記念公園の日本庭園で咲いていたヤブラン。(2012年8月27日撮影)。☆なお、APG植物分類体系ではユリ科ではなく野菜のアスパラガスなどとともにクサスギカズラ(Asparagaceae)科に分類されています。◎ホソバシュロソウ(ユリ科シュロソウ属) ☆ホソバシュロソウは、箱根湿生花園で初めて出合いました。(2012年9月14日撮影)。☆ホソバシュロソウ(細葉棕櫚草)の名は、シュロソウに比べて葉の幅が細いシュロソウから。シュロソウ(棕櫚草)は、葉が枯れても葉の基部の繊維がそのまま残って毛のようになり、棕櫚の木の剛毛に似ていることから名付けられたそうです。なお、APG植物分類体系では、ユリ科ではなくシュロソウ科に分類されるそうです。◎ホトトギス(ユリ科ホトトギス属)☆ウォーキングコースや公園では、10月初めからホトトギスが咲き初めます。11月中旬過ぎまで咲きつづけます。昭和記念公園のホトトギス。(2012年10月21日撮影)。☆ホトトギス(杜鵑草)の名は、花被片の斑点模様が野鳥のホトトギス(杜鵑、不如帰)の胸の模様に似ていることから。団地内で見かけたホトトギス。(2012年10月2日撮影)。☆ユリ科ですので、花の構造は、3枚の外被片(萼片)と3枚の内被片(花弁)からなる6枚の花被片、6本の雄しべ、1本の雌しべです。雌しべは、柱頭が3つに分かれ、さらに先端が2つに分かれており、ホトトギスの花をひときわ魅力的にしているようです。(2012年10月2日撮影)。☆ユリ科の園芸植物、ムスカリとチューリップも紹介します。◎ムスカリ(ユリ科ムスカリ属) ☆ムスカリは、3月下旬から咲き始めます。球根(塊茎)の周りに子球ができ、どんどん増えていきます。(2012年3月28日撮影)。☆なお、ムスカリは、ツルボと同じようにAPG植物分類体系ではヒヤシンス科(第3版ではクサスギカズラ科)に分類されているそうです。◎チューリップ(ユリ科チューリップ属)☆春に咲くポピュラーな園芸植物のチューリップです。チューリップの花も、6枚の花びらに見えるのは、外側3枚が外花被(萼)で内側3枚が内花被(花弁)です。考えてみれば、チューリップの花の外側に萼らしいものは見えません。(2012年4月13日撮影)。☆明日からは、最近の自然観察、昭和記念公園の紅葉や花と実などを紹介する予定です。
2012.11.10
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☆写真整理と自然観察の振り返り(その7)は、ヒガンバナ科の植物(その3)スイセンです。スイセンは、ヒガンバナ科スイセン属の植物です。☆しろうと自然科学者の自然観察ブログ、スタートは2012年2月28日でした。最初に紹介したのは、ウォーキングコースで当日撮影したスイセンとロウバイでした。最初のブログで紹介したウォーキングコースで野生化しているニホンズイセン。(2012年2月28日撮影)。☆ニホンズイセンは、地中海沿岸地方原産の種が、中国を経由して渡来したといわれており、日本の気候に合っていて、野生化しているそうです。千葉県鋸南町のスイセン。(2008年1月3日撮影)。☆南房総の鋸南町は、越前・淡路と並ぶスイセンの日本三大群生地として有名です。12月中旬から1月下旬まで、「水仙まつり」が開催されています。水仙ロードのスイセンです。(2008年1月3日撮影)。☆「スイセン」という名は、中国名の「水仙」を音読みしたもので、中国名の水仙という名は、水辺で咲くスイセンの姿を仙人に例えたと言われています。宮城県気仙沼大島のスイセン。(2010年3月21日撮影)。☆気仙沼大島は、東日本大震災の1年前に訪ねました。宿泊した国民休暇村近くの海岸は、とても美しい景観で印象的でした。東日本大震災の1年後、再び訪ねましたが、海岸線は大きく変わっており、津波の大きさと恐ろしさを痛感しました。気仙沼大島で見かけたスイセン。(2010年3月21日撮影)。☆ウォーキングコースの民家の庭のスイセン。(2010年3月14日撮影)。☆ウォーキングコースのニホンズイセンは、12月末から2月末まで咲いています。(2010年12月30日撮影)。☆ウォーキングコースのスイセン。(2012年1月24日撮影)。☆自宅の庭を取り囲むように咲くスイセンです。毎年、3月下旬に満開になります。(2008年3月30日撮影)。☆25年前に転居してきた時、わずか3個の球根をホームセンターで買って植えたのですが、最大で400本以上の花を付けました。(2008年3月30日撮影)。☆数年間植え替えをしなかったので、花の数が少なくなってきたようです。そこで、今年6月に全て掘出して植え替えしました。(2010年3月28日撮影)。☆これで、ヒガンバナ科の植物の紹介は終わります。次回からは、ユリ科の植物の整理と振り返りです。☆季節ごとに時系列で観察してきたものを、科別・属別に横断的に整理してみると、また新たな発見があります。ブログとしては新しい記事はありませんし、科別・属別に整理する手間暇も大変ですが、来年からの自然観察に大いに役立ちそうです。
2012.11.06
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☆ウォーキングコースで7月から10月まで、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の植物は、美しい花を咲かせていました。◎ナツズイセン(ヒガンバナ科ヒガンバナ属)☆ナツズイセンは、7月末から8月中旬まで咲いています。(2009年8月15日撮影)。☆ナツズイセン(夏水仙)の名は、葉や球根(鱗茎)が水仙に似ていて夏に咲く花から。(2012年7月31日撮影)。◎キツネノカミソリ(ヒガンバナ科ヒガンバナ属)☆キツネノカミソリは、7月末から8月中旬まで咲いています。(2010年8月10日撮影)。☆キツネノカミソリ(狐の剃刀)の名は、花の色が狐色で葉の形が剃刀に似ているので付けられたそうです。(2012年8月4日撮影)。◎ヒガンバナ(ヒガンバナ科ヒガンバナ属)☆ウォーキングコースのヒガンバナは、9月中旬から10月中旬まで咲いています。(2012年9月16日撮影)。☆ヒガンバナ(彼岸花)の名は、秋の彼岸ごろから開花することに由来します。別の説では、これを食べた後は「彼岸(死)しかない」というものもあります。別名の「曼珠沙華」は、法華経などの仏典に由来するそうです。(2012年9月30日撮影)。◎ショウキズイセン(ヒガンバナ科ヒガンバナ属)☆ショウキズイセンは、9月中旬から下旬に咲いています。咲く株数が少ないので、咲いている期間は限られています。(2010年9月25日撮影)。☆ショウキズイセン(鐘馗水仙)の名は、波打っている花被片を、子どもの病気除けや学業成就に効がある鐘馗様の波打つ長いひげにたとえて名付けられたそうです。(2012年9月18日撮影)。◎シロバナマンジュシャゲ(ヒガンバナ科ヒガンバナ属)☆シロバナマンジュシャゲは、9月中旬から10月上旬に咲いています。(2010年9月26日撮影)。☆シロバナマンジュシャゲは、中国の染色体が2倍体のヒガンバナとショウキズイセンの雑種で、九州では自生しているそうです。花の形は、確かに両種の中間のように見えます。(2012年9月21日撮影)。☆赤い花と黄色い花の雑種が白花になるのは、何とも不思議です。これは、ヒガンバナの赤い色素の生合成をショウキズイセンの遺伝子が阻害し、ショウキズイセンの黄色い色素の生合成をヒガンバナの遺伝子が阻害しているそうです。☆ウォーキングコースでは、この他に、ヒガンバナ科の園芸植物も見かけました。◎スノーフレーク(ヒガンバナ科スノーフレーク属)☆園芸植物のスノーフレークもウォーキングコースで野生化しているのを見かけます。(2012年4月14日撮影)。☆スノーフレークを辞書で引くと、「雪片」、小さな雪の塊の意です。別名のオオマツユキソウ(大待雪草)は、大きなマツユキソウ(スノードロップ)から。別名のスズランズイセン(鈴蘭水仙)は、スズランのような花が咲くスイセンから。◎ハブランサス(ヒガンバナ科ハブランサス属)☆民家の庭先で、園芸植物のハブランサスを見かけました。(2009年6月21日撮影)。次に紹介するゼフィランサス属は上向きに花を咲かせますが、ハブランサス属は横向きに花を咲かせます。◎ゼフィランサス(ヒガンバナ科ゼフィランサス(タマスダレ)属)☆ウォーキングコースでは、野生化した園芸植物のゼフィランサスが、あちこちに咲いています。(2012年10月15日撮影)。◎クリナム(ヒガンバナ科クリナム属)☆ウォーキングコースの民家の庭で、園芸植物のクリナムを見かけました。(2012年7月8日撮影)。☆引き続き、ヒガンバナ科ネギ属、スイセン属を紹介していきます。
2012.11.04
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☆いよいよ、今日夕方、大洗港からフェリーで北海道苫小牧港に向けて出発です。ウォーキングコース(玉川上水)の花たちとも、当分お別れです。☆ウォーキングコースのヒガンバナは、満開になりました。☆9月25日の日記に、「ヒガンバナは、ユリ科に分類されていましたが、子房下位(子房の位置が花被片や雄しべの付け根の下)なので、子房上位(子房の位置が花被片や雄しべの付け根の上)のユリ科と区別され、ヒガンバナ科に分類される」と書きました。☆ヒガンバナのつぼみです。子房下位なので、緑色に膨らんでいる子房の位置が、赤い花被片(花びらと萼片)の付け根の下にあるのがわかります。花全体を包んでいる白っぽいのは、苞でしょう。☆同じヒガンバナ科のキツネノカミソリです。ヒガンバナと同じように、黄緑色に膨らんでいる子房の位置が、オレンジ色の花被片の付け根の下にあるのがわかります。☆いっぽう、ユリ科は、子房上位なので、子房の位置が花被片の付け根の上にあるので見えません。ユリ科のオニユリです。☆タカサゴユリの花です。花の後、花被片が散ると、花被片の付け根の上に、雌しべの下端に膨らんでいる子房が見えてきます。☆ホトトギスが咲き始めました。ホトトギスは、ユリ科ホトトギス属の多年草です。☆ホトトギスは、日本に13種自生しており、そのうち10種が日本固有種だそうです。変種があり、園芸用に栽培されているので、これは園芸種の1種かも知れません。☆ユリ科ですので、花の構造は、3枚の外被片(萼片)と3枚の内被片(花弁)からなる6枚の花被片、6本の雄しべ、1本の雌しべです。雌しべは、柱頭が3つに分かれ、さらに先端が2つに分かれており、ホトトギスの花をひときわ魅力的にしているようです。☆ホトトギス(杜鵑草)の名は、花被片の斑点模様が野鳥のホトトギス(杜鵑、不如帰)の胸の模様に似ていることから。☆ヤブマメです。ヤブマメは、9月17日の日記で紹介しました。箱根で初めて見た時は、花しか見ることができませんでした。ウォーキングコース(玉川上水)で葉を一緒に観察でき、葉は、3小葉に分かれた複葉であることがわかります。花は、もう終わりのようでした。☆園芸種のチョウセンアサガオです。これは、ナス科キダチチョウセンアサガオ属の園芸種で、園芸植物図鑑によれば「フロリダ・ビーチ」という品種だそうです。☆一般的には、キダチチョウセンアサガオ属の園芸種を総称して、「エンジェルトランペット」「エンジェルストランペット」と呼ぶそうです。☆「アサガオ」と名がついているだけあって、少し朝早く撮影すると、花も大きく開いているようです。(2012年10月3日午前8時4分撮影)。☆「しろうと自然科学者」は、園芸植物は殆ど取り上げませんが、今回の台風を乗り越えて、ウォーキングコースで大きな花を咲かせているので、紹介しました。☆ウォーキングコース(玉川上水)に9日後に戻ってきた頃には、いっそう秋が深まり、花たちも景色も様変わりしていることでしょう。
2012.10.04
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☆畑や道ばたに、スベリヒユが目立つようになりました。☆スベリヒユは、日当たりの良い畑や道ばたに生えるスベリヒユ科スベリヒユ属の1年草です。食用にするところもあるそうですが、子どもの頃の記憶では、畑の雑草です。☆スベリヒユ(滑莧)の名は、茹でると独特のぬめりがあることと、ヒユ(草かんむりに見るの字)は「ひよこ」と同語源で小さく可愛らしいという意味から付けられているそうです。☆スベリヒユ科スベリヒユ属の園芸植物には、マツバボタンやハナスベリヒユ(ポーチュラカ)があり、ハナスベリヒユが咲いています。☆ポーチュラカは、スベリヒユ属の学名です。葉や茎の形は、スベリヒユによく似ています。☆たくさんの雄しべとともに先端が5つに分かれている雌しべが見えます。
2012.08.07
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