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2010.05.12
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カテゴリ: フランス映画

アリス 』『 オテサーネク 』の監督、 ヤン・シュヴァンクマイエル は、チェコスロヴァキア、プラハ生まれの芸術家。シュルレアリストで、アニメーション作家で、映画監督でもある。

本編は、初期の映像作品から『オテサーネク』までの制作秘話や、チェコで催された展覧会の準備風景を交えつつ、豊富なインタビューと証言で彼の作品の魅力を解き明かすドキュメンタリー。
氏の作品に、少なからず興味をお持ちの方は、きっと楽しめるに違いないドキュメンタリーだった。

なぜ今どき シュールレアリスム なのか? この質問には、ヤン自身がしっかり応えてくれている。
そして氏の創作活動に欠かせない、最大のパートナーであるエヴァとの関係を見ることができるのもうれしい。
ルナシー 』で美術・衣装を担当したエヴァは、完成後に65歳の若さで亡くなっている。それ以降、ヤンに新作がないのは、最大のパートナーを失ったことが影響しているのかもしれない。

chimeres3.jpgchimeres2.jpg


個人的には『オテサーネク』の撮影風景がとてもたのしかった!
あのオテサーネク(切り株)が、どのようにして調達されてきたか。木に命が吹き込まれていく様を見るのは興味津々。
動きを出すために用意された、幾種類も切り株に囲まれて、まるで孫のようにオテサーネクを抱いているヤンが、かなり嬉しげだ。
隣家の少女・アルジュビェトカを演じる子役のオーディション風景なども興味深い。
あえて可愛らしい子をチョイスしないのは、こだわりなのか(笑) このクリスティーナちゃんも、『アリス』のクリスティーナちゃんも、お世辞にも美少女とは言えないのだった。求めているのは個性か?

007.jpgcouple.jpg



ともかく作品にはいろんな子どもの頃のトラウマが、影響しているらしいことを知った。主人公に女の子が多いのも、照れ隠しのためなのだそうだ。
時代遅れだと揶揄されてもなお、シュールレアリストとして様々な作品を造り続けるのが、シュヴァンクマイエルの道。
そこに驚くほど、エヴァのデザインや絵が魅力をもって投入されてくる。
本編中に登場する作品は、やはりどれもわたし好みで、見ているだけで楽しかった。
こんどはいよいよ初期の短編を観ていこうかな。買わないと、観れないけれどね。







監督/ ベルトラン・シュミット  ミシェル・ルクレール
出演/ ヤン・シュヴァンクマイエル  エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー

(カラー/58分)






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Last updated  2010.05.13 16:37:03
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