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怪異が起こる屋敷。道士は【桃の木霊】が原因だという。

が、道士は騙りだという白衣の青年が現れる。
自らが怪異を断つ、といとも簡単にいってのけるこの男の正体は?
『桃夭記』他3作収録の短編集。


中国を舞台にした、幻想的な雰囲気のある短編集。
唐の時代を描いたもの(特定されてはいないが)から、近代までと幅広い。
さっぱりとした読みやすい文章で、伝奇小説といってもオドロオドロしさはない。

表題作『桃夭記』よりも、『迷宮譚』のほうが好き。


元の持ち主は、古い友人であり、商売敵であったが、二ヶ月前に亡くなっていた。
そして今「屋敷を守るのが私の使命」と言う青年と、この屋敷の売買交渉をしている。
「この屋敷には、化け物が出るというわさがありまして」
房の隅にある磁器の甕(かめ)には不思議な力が・・・

読み進むうちに、結末のシーンは予想出来るが(使い古された感がある)、
全体を通しての妖しさ、ちょっとしたクラクラ感がなかなか良いです。

他にも、まさに中島敦の『山月記』(しっかり読みたい)を連想させる『虎嘯録』、かつては師弟関係にあった二人の墨匠(墨(すみ)をつくる)の浮沈みを描く『墨匠伝』、といった具合にバラエティに富んでいて面白い。

重々しい感じはあまりしないし、場面設定やらの描写がさりげなくて、すんなりと話に入れる。この方はいろいろな文庫で名前を見かけ、作品数もかなりあると思う。シリーズものを読む前に本書を選んでみたが、正解でした。






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最終更新日  2003年07月25日 21時42分43秒
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