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カテゴリ: カテゴリ未分類
【永遠】という響きに弱かった少女の成長物語。


 「小学生の頃、学校の先生は、神様だった」

 「十六歳の私はまだ未熟で、人との距離の取り方を知らなかった」

 「それからの数日間は諸行無常の境地だった」


森絵都さん、初めて読みます。
小学生高学年の頃を扱った『黒い魔法とコッペパン』でやられました。
教師による、成績至上主義、えこひいき。
そのさらに上をいき、授業を中断してまで不気味な話を何度も繰り返す。
つけられた綽名は【黒魔女】。生徒たちは立ち上がれるか?


先生に対する張り詰めた空気、独特の緊張感だとか、ちょっとかわってしまった友達への思いだとか、ほろ苦いというか、懐かしいというか、あの頃へ帰って教室の中で座っているような感じ。
(冬眠を宣言する友達はいませんでしたが、笑)
さすが、児童文学の旗手といったところ。

やがて主人公は小学校を卒業し、様々な経験をして成長していく。
あっちに揺れ、こっちに揺れ。見失い、見つめなおし。
大人の期待と、自分の主張、強がり。
環境が変わる度に自分も変わっていく。決して順風満帆ではないけれど。
永遠の出口は、何処にあって、何処へ通じていたのだろう?

ある意味とても素直。誰もが通りそうな、通ったかもしれない道。
甘ったるく感じる人もいるかもしれないが、私は共感できる部分も多く、一気に読めました。

・・・・・・・・・・・・・・


もうだいぶ任期も長く、ある意味ヌシのような存在の女性、タマエ。
【えこひいき】はかなりあったと思う。特にかわいい女の子は嫌われた。
「あんた、顔だけ可愛くてもねぇ、頭カラッポじゃどうしようもないのよ」

ある日、タマエがホウキとチリトリを取り出して言った
「ゴミを取るには、どっちを動かせばいい?」

「ブッブゥー、だからダメなのよ!チリトリ動かさなきゃゴミとれないでしょ!」
と皆の前で怒り出す。生徒達は、ハッとする。そうか!チリトリを動かすのか、と。

もちろん無意識にチリトリを動かしている子は多かっただろうし、ホウキだって動かさなければゴミは取れるわけがない。ゴミを取る要領が悪かった子のそばで、「チリトリも動かせば取りやすいよ」と一声かければいいものを、タマエは劇的な効果を狙い、それが功を奏して生徒は畏怖する。

それに輪を掛けて、隣のクラスの若い男の先生が言う
「タマエ先生は、人の考えていることがわかってしまう」と。
こうして神格化していく。

一日の大半をタマエと過ごさなければならないのは、正直しんどかった時もあった。でも振り返ってみると悪かったことばかりではないし、「たいしたこと言ってたわけじゃないや」と笑う余裕も今はある。卒業と同時に引越してしまったので、その後のタマエを知らないけれど、ちょっと会ってみたい気もする。

と、例によって余話のほうが長くなる(苦笑)





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最終更新日  2003年09月26日 09時30分01秒
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