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鑑賞日:2017年2月18日(土)14:00開演入場料:¥2,000 (E席:5階R1列) 【主催】(財)東京二期会、(社)日本演奏連盟2017都民芸術フェスティバル 参加公演ローマ歌劇場との提携公演 東京二期会オペラ劇場歌劇「トスカ」プッチーニ作曲 全3幕(イタリア語上演/字幕付)会場:東京文化会館大ホール指 揮 :ダニエーレ・ルスティオーニ 演 出 :アレッサンドロ・タレヴィ 舞台美術:アドルフ・ホーエンシュタイン 照 明 :ヴィニチオ・ケリ 合唱指揮:佐藤 宏演出助手:菊池裕美子 舞台監督:村田健輔 公演監督:大野徹也管弦楽 :東京都交響楽団合 唱 :二期会合唱団 児童合唱:NHK東京児童合唱団 出演:トスカ :木下美穂子カヴァラドッシ :樋口達哉スカルピア :今井俊輔アンジェロッティ:長谷川 寛堂 守 :米谷毅彦スポレッタ :坂本貴輝シャルローネ :増原英也看 守 :清水宏樹 感想: 早春恒例、都民芸術フェス参加公演による格安チケットを購入し、春が近づいている天候の下、上野へ出掛けた。 本公演は『ローマ歌劇場との提携公演』で演出、舞台装置、衣装は、ローマ歌劇場公演をそのまま持ってきたもの。 原作通りの時代設定で、第1幕教会内、第2幕スカルピア公邸の宮殿、第3幕サンタンジェロ城屋上の牢屋と処刑場を大きな舞台装置で再現。 第3幕で天使の像が無かったのは、上から見ている設定のためか。 第1幕フィナーレ「テ・デウム」は客席側に向かっての大合唱で素晴らしい盛り上がりになった。 歌手は主役3人何れも良かった。タイトルロールの木下美穂子は素晴らしい明る目の高音を聴かせており、2幕アリア「歌に生き、愛に生き」も思いの込められた歌唱になっていた。 カヴァラドッシ役の樋口達哉は1幕「妙なる調和」、3幕「星はきらめき」のハイC含め、最後まで落ちることなく歌いきって立派。スカルピア役の今井俊輔も1幕フィナーレ「テ・デウム」の大合唱の中でもよく聞こえ、演技含め悪役を良く演じていた。翌日も代役出演したとのこと。 この日の一番は管弦楽。東フィルや東響と比べオペラ演奏機会が少ない東京都交響楽団だが、4プルト構成にも関わらず、1幕フィナーレの大音量は圧巻。アンサンブルで乱れが無く、一斉に鳴るため分厚い音になるのでしょう。 楽器ソロも丁寧で、安心して聴くことが出来た。 今回5階舞台寄りの席のためオケピット内の指揮者が良く見え、背が高く長い手を使っての大きな振りでオケ、歌手を引っ張っていることがよく分かる。ダニエーレ・ルスティオーニはまだ33歳にも関わらず、既にミラノ・スカラ座でも指揮をしており、プッチーニ作品は大好きで得意とのこと。1幕フィナーレでは、全身を使って、更に飛び跳ねての指揮で、プッチーニの音楽世界を表現させていた。 東フィルのバティストーニといい、イタリアには素晴らしい若手オペラ指揮者が出てきており、今後聞く機会が増えることを楽しみに。End
2017.02.18
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鑑賞日:2017年2月11日(土)14:00開演入場料:¥5,000 (C席:4階4列) 【主催】(財)日本オペラ振興会、愛知県芸術劇場藤原歌劇団公演歌劇「カルメン」ビゼー作曲 全4幕(フランス語上演/字幕付)会場:愛知県芸術劇場大ホール総監督 :折江 忠道 指 揮 :山田 和樹演 出 :岩田 達宗 合唱指揮:須藤 桂司美 術 :増田 寿子衣 裳 :半田 悦子照 明 :大島 祐夫舞台監督:菅原 多敢弘振 付 :平 富恵舞 踊 :平富恵スペイン舞踊団 合 唱 :藤原歌劇団合唱部、東京少年少女合唱隊管弦楽 :愛知室内オーケストラ 出演:カルメン :ミリヤーナ・ニコリッチ ドン・ホセ :笛田 博昭 エスカミーリョ:王 立夫ミカエラ :伊藤 晴スニガ :伊藤 貴之モラレス :押川 浩士フラスキータ:平野 雅世メルセデス :米谷 朋子ダンカイロ :安東 玄人レメンダード:狩野 武 感想: 創立以来初めて藤原歌劇団定期公演を愛知で行うことと、指揮者が今若手注目の山田和樹とのことで雪がちらつく中、名古屋栄まで出掛けた。 入場時にチラシと一緒にビニール袋に入ったプログラムが配られる。印刷は愛知公演専用で東京公演との内容差は不明だが、東京公演では通常有料(¥1,000)なので得した気分に。 45分前からの解説には間に合わず、終了後に客席へ。場内は8割程度の入りで4階中央は満席状態。客席は高年齢者だけでなく、若い人女性や、演目のためか家族連れも見られ、幅広い年齢層となっている。 時間になり暗転、スポットライト浴び指揮者登場、有名な序曲がスタート。所々管の音が不安定だったり、弦が遅れ気味に聞こえる部分あり。しかし幕が進むに連れて安定した音楽となり、3幕から4幕では、ダイナミックで緩急のテンポも揃って盛り上がった。今回管弦楽が日本オーケストラ連盟未加入の愛知室内オーケストラのため出来を心配したが、山田和樹が演奏会で振ったこともある若手オーケストラとのことで上手く指導が出来たのでしょう。けして大音量やテンポでごまかすことなく、ソロパート、アンサンブルとも一つ一つの音が明快に聞こえてきて、ビゼーの美しい旋律の音楽を表現できていたのは指揮者の功績でしょう。 演出は、第1幕たばこ工場、第2幕酒場、第3幕山中、第4幕闘牛場とも左右置かれた灰色の壁の位置や角度を変え、その前に門やテーブル、椅子、荷物を配置することで各場面を表していた。 全場面中央付近に赤い月を出現させ、情熱的な愛、血の色を表現していたのか。そのためかカルメンは赤いドレスを着ることなく、4幕も白のウェディングドレスの様な衣装となっていた。 また4幕冒頭に闘牛場前で群衆が開場を待っている場面で「知事万歳」となり、なんと大きなシルクハットを被り大村愛知県知事ご本人が登場、客席も盛り上がる。 歌手ではドン・ホセ役の笛田博昭が素晴らしい。花の歌は余裕のハイCで客席からは思わずブラボーの連発。演技含め、ホセの心境を上手く表現できていた。地元出身の凱旋公演で力が入っていたのでしょう。タイトルロールのミリヤーナ・ニコリッチは容姿はカルメン的なのだが、こもった歌声でビブラート多く音程も下がり気味のため客席まで飛んでこないのは残念。ミカエラ役の伊藤晴は高音で少々叫び気味も良く聞こえてきた。エスカミーリョ役の王立夫は若干力不足でヒーローには見えず。 本オペラは合唱場面が多いのだが、さすが藤原歌劇団合唱部で素晴らしい。少年少女も演技含め良かった。 終演後ロビーには出演者が出てきて見送り、バレンタインデー間近で出口では来場者にチョコレートのプレゼントあり。色々観客へのサービスが盛り込まれ、主催者側も愛知初公演に力を入れていることが判る。東京一極集中の観客の奪い合いの現状から、地方での新しい観客の開拓を目指しているのでしょう。 来年2月の定期公演「ナヴァラの娘/道化師」には既に愛知公演が組まれており、オケはセントラル愛知となっている。また今年10月には東京二期会「ばらの騎士」公演もオケが名フィル、本ホールで公演予定されており、東京と同じオペラ公演を名古屋で聞けるとのことで、今から楽しみ。End
2017.02.11
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