コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

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2025.11.06
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カテゴリ: コミック感想





内容は…そんなに悪くはないと思うんですよ。ほのぼのストーリーとしてならこれもありかと思うんですが…シリアスっぽい部分はいらないように感じました。王がとてつもなく下衆だとかそういうの。
ごくふつうに王命で結婚した程度でいい内容です。

王城内でおこりそうな叛乱とかって描けないと思うし(絵的にも)、それをするには設定があますぎると感じたからです。

不快な内容ではないし、読んでて、まあこういうのもありなゆったりした話でいいんじゃないかな、とは思うんですが、惹かれる要素が薄い、絵がちょっと残念…という点で、読み続けるにはちょっとなぁ…と思ったコミックです。

さして身分の高くない「将軍」のもとに、かつての王朝の…つまり没落した家の令嬢が嫁いできて、なんやかんや幸せになりました的な内容です。
たぶん、なにかしらの「事件」は起こるのかもですが…どうもそうした「波乱」みたいなものが描ける内容ではないし、におわせもあまりないんですよ。なにより、↑にも書いたけど、絵が描けないとおもいます、そういうシリアス系。
ほのぼの系だからこそ許される絵という感じで、つまり、そんなにはうまくないんですよ。ただ、下手というほどでもない、というレベル。


ほんと、なんだろうかこれ…すごく日本語が…稚拙っていうか…わかるんだけど、わからんていうか。
説明がとにかく下手です。日本語の文章としておかしいところが散見されて、赤ペンしまくりたくなる

間違いとまではいかなくとも、その一文いらんやろとか、変な表現だなぁとか、もやもやすることがめっちゃ多い。
これは原作者さんがそうなのかもしれませんが、漫画家さんがコミカライズするにあたって直せる程度の文章なんですよ…ほんと、なおしたげて…

まずこういったなろう系のくだらなさの、シーン先取り表現で、しかも少女漫画にありがちな台詞

「どうしてこんなことに」

という台詞をこの漫画の主人公であるレオも内心で思うんですが、
「どうしてこんなことに」なんて思うこと自体が不思議なんですよ。だって、どうしてこんなことになったのか、レオは把握しているんですから。

とりま「どうしてこんなことに」と言わせとけ、ってのが透けて見えて萎えっ萎えです。

ここは看過するにしても、台詞や説明、会話の不自然さなど…とにかく日本語の使い方がおかしくて、描いてておかしいと思わんかったんかってのと、多分作者の中では繋がってるし会話になってるんでしょうけど、他人が読むと言葉足らずで、わかるんだけど、わかりにくい、という会話や説明になってしまってるんですよ。

あとは、やたらと「説明」だけのコマが多くて、絵として見せてくれない稚拙さがありますね。



「ノーウェル国で史上最悪と言われるほどの暴君として名をはせている」

表現が重複してるって多分きづいてないですね、これ。「言われるほど」「名をはせている」、ね。
ちなみに説明もすごく狭い範囲でしかなくて、暴君ならどれほど国民を虐げた圧政を敷いているのかと思えば、ただの悪口の羅列でしかなく、つまり「臣下」にとってだけ悪い「上司」でしかないっていう情報しか与えられない。
国民が貧困に喘いでいる、無辜の民を圧殺して喜んでる、とかいった表現も「絵」もない。


話は進んで友人との会話があるんですが、ここもなんかモヤる会話の仕方というか、言葉選びなんですが、そこはまあ許容するとして、

レオは「まったく」と内心でつぶやく。そして城?屋敷?の絵が描かれたコマを挟んで、レオをうつむきながらさらにつづけるんですよ

「国に忠義を誓った軍人、末端とはいえ将軍の立場にある者が、この言葉の先を続けることは許されない」

???んんん?「この言葉」とはなに?
続けることはっていうことは、「まったく」のあとに続ける言葉ってことなんでしょうが、どういう言葉を言おうとしてやめたのかが想像できないんですよ。

だって「まったく…」とつぶやいた後に想像できそうな言葉って、会話の流れからしても、せいぜいが「困ったな」とか「これからどうしたもんかな」とか、そんな程度でしょ?
「あの国王さえいなかったら」とでも続けたかったのかもしれませんが、レオにそうした言葉をいわせそうな雰囲気を「絵」で感じないんですよ。

それに「国に忠義を誓った」と言わせてしまったせいで「国王」にたいしての忠義、とは感じられないんですよ。たぶんレオとしても国王は嫌い、でも国民のためにある「将軍」だから、国を滅亡を望むような発言はしてはならない、とでも言いたかった?
いや、わからんですけど。つまり、わからんのですよ。これはわたしの想像でしかないので。

結婚後、メイドに女の扱いに対して注意されるんですよ、平たく言うと嫁を大事に扱えと。
「剣を扱うように女性を扱ってはなりませんよ」と。

で、その答えが頓珍漢で、レオは拗ねた顔で

「だって剣は完璧でスマートなエスコートを要求しないし少し仕事を優先しただけで怒ったり文句を言ったりしないから…」

と、返すんですよ?
話聞いてた?

優しく扱え、と注意された答えがこれって、おかしいでしょ?
「剣しか扱ったことないんだから女性の扱いなんてーわからんのだから仕方ないだろう」
といって拗ねるんならわかりますよ?

噛み合ってませんよね?

この後、ヒロインのリーフェとの会話もちぐはぐで、腹をすかせたリーフェに飯を用意して、リーフェはぱくつくんですが、その時にレオが薄着だからと上着をかけてやるんですよ。

で、そのあとすぐリーフェは礼も言わず
「まぁ、わたくしがふたりくらい入りそうですわ」
と。

一瞬意味が分からなかったんですよ。
なぜなら飯をめっちゃ食ってるので、おいしい飯が「二人分くらい入りそう」とでも言ってんの?
なぜそう思ったかって、次のコマで「お野菜かわいい」とか飯食うことに夢中になってるんですよ。
なので「飯」に関しての台詞だと思うじゃないですか。
そりゃ流し読みしなけりゃわかりますけど。

そして飯をぱくつくリーフェにレオは「レオで結構です」というんですよ
リーフェが「ヴェルグ将軍」といったところを拾って。

ところが会話になってなくて、リーフェは食レポを続けて語尾に「レオ将軍」

そしてレオは短く
「将軍も結構です」
と。

もうね、この名前で呼んでくださって良いですよ、という流れは別のところでやるべきなんですよ。

会話としてのやり方が不自然で読んでると、一瞬「ん?」と止まってしまう。
「将軍も結構です」
の「結構」がどこにかかる言葉かわかりにくくなってしまう。

いや、わかりますよ?
べつに会話としてわかるし別に間違ってるわけではないんですが、座りが悪いというか…

こういう、どうでもいいっちゃいいけど、一度気になるとずっと気になって仕方ない言葉遣いが多いんですよ…


とはいえ、内容自体はそんなに悪くはないと思うんですよね。

いちおうなにかしらの「イベント」を起こせそうなキャラは登場してきます。
国王の息子、つまり王位継承しそうな「王太子」の存在です。
この王太子はうすらほんやりしている「愚鈍」な王子として見られている。そしてその王太子に過去の王朝の血族であり、リーフェの兄が近侍としてついている。

ここらはおもしろくなりそうな気配があるんですよ。

リーフェの兄ヴィムというキャラがなかなかに面白く、しかもちゃんとしたたからしい性格として描かれている。
そんなヴィムが愚鈍な王太子の近侍になっている…しかもかなりなんとなく近侍になったのではなく、ヴィムの「意図」がそこにある。

またうすらぼんやりの王太子も果たしてほんとうに「愚鈍」なのか、と。
いや、この点に関してはわたしの妄想なのですが、実は「愚鈍」を装ってる可能性とか、そういうのあるんでは?だったらいいなーと。

なので、舞踏会イベントに移行する前に、このあたりをほのめかしてほしかったんですよね、実のところ。

そして違和感もここにあります。

現国王への不信感は募る一方で、反旗を翻すものはいないと説明がここらであったんですが、理由が弱い。
現国王は暗愚だが、王太子が次の王になってもよくなこっちゃにならんやろ…ってのは、安易なんですよ。

だって賢い悪人役の出しどころじゃないですかー。それこそヴィムでもいいんですよ、王権復興のために暗躍してるとかね。かつては王族だったヴィムのことですから、今の王朝をつぶして、復権したっていいんですよ。

もしそういう展開が今後あるのなら、そのにおわせをちゃんと書いておくべきなんですよ。

ヴィムがやらないにしても、凡愚な王なんて、後ろ盾に立つ側としちゃ大歓迎でしょ!!!
凡愚な王太子に「妃」をあげて、その後見人が国政をがっちりホールドなんて、どこの世界でも「あるある」ですよ!!
日本の歴史でもごくふつうにあることですよ?

そしてもしも王太子が凡愚を装っているのなら、「対抗馬」を用意しておかないと意味がないんですよ。
もう一人有力な王位継承者がいて、そちらの方に王位が傾きそうだが…対抗している側を油断させるためにも今はうすらぼんやりした出来損ない王太子ですよーアピールをして油断させ、その油断させている間に裏で対抗側の勢力を削るよう暗躍していて、「機」が熟したとみるや、態度を一変させる、という劇的な「逆転劇」をつくることも可能な要素が詰まってるんですよ、初期の段階のキャラ顔見せだけでも。


しかし、どうもそういった気配が感じられない。
実際そういう展開がまってるかもしれなくても、伏線をはってないので、上記のことはわたしの妄想でしかないんですよ。

そしてたぶん妄想でおわるだろうし、妄想で終わらずこういった展開が実際に来たとしても、「準備」がされてないので、ただの後付けご都合展開、としかならないんですよ。


このあたりはじつにもったないと感じた。


キャラに関しては、主人公レオも、ごくふつうの主人公で不快感はありません。ただ、個性がほぼないに等しいので面白みはありません。
リーフェに関しては、最初はウッザ…と思いかけたんですが、話が進んでいくとわりにまっとうで明るいいい子なので、けっこう好感の持てる子だなと印象は変わりました。

けど、二人ともいい子ですね、で終了しちゃもったいないなぁ。

おもしろくなりそうな要素はあるんですが、どうもそれをかけそうな力量がこの漫画家さんにはないかな…といった感じがしてしまい…うーん、惜しいな、といった印象です。



とはいえ、不快感はあまりないので、気軽に読む分には問題ない作品だと感じました。





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最終更新日  2025.11.10 15:25:43
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