コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

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2025.11.25
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カテゴリ: コミック感想

いわゆる「勇者パーティー」に追放・置き去りにされた主人公がその後才能を開花させてっていう、よくある「なろう」ものの一種なんですが、こちら、とても面白かったです。

絵も可愛くて読みやすかったですしね!

龍退治に出かけたパーティーに置き去りにされたヒロインのアマリアは白魔法使いなんですが、竜に救われて…なんと置き去りにされた時間から10年のちに帰還し、とある村でのんびり生活を始めるっていうのが冒頭で語られます。

アマリア、竜のユーゴ、そしてレオナルド、この三人がメインキャラなんですが、全員、いい具合なんですよ。

竜が人の姿をとり、しかも少年というか幼児姿のも、この場合はすごくいいんですよね。つまり竜は人間の営みについてそれほど詳しくはない、なのでしりたいという「好奇心」が原動力となってアマリアとともに行動することになるんですが、この「好奇心」が幼児姿とすごくマッチするんですよ。
キャラデザもちゃんとかわいい幼児の男の子で。
アマリアとは親子ってことにしようってんでそのようにふるまうんですが、いやー、実に可愛い。
それでいて年経た竜らしい分別もあるので、ものすごく空気読むし、ちゃんとかっこいいところもあるんですよね。



ヒロインのアマリアもごく普通の感覚をもった、気持ちのさわやかな女性です、年齢は21歳…にしてはしっかりしてて、ちゃんとユーゴの母親っぽくなってきてるんですよ。

タイトルにある紅茶に関しても、ちゃんとアマリアのこだわりが感じられる丁寧な作画で、見ていてとても美味しそうなんですよね。添えられるお菓子などもそうですが、食事のシーンが全部おいしそうなので、ここはほんとにポイント高いです。

白魔法については「癒し」が基本設定。ところがアマリアには、アマリアの淹れた紅茶を飲むと体が丈夫になるというか、免疫があがるというか、ともかく怪我をしにくくなる状態になる。「付与魔法」というか、体力アップの魔法みたいな感じですかね?
それをユーゴに明かされた時の感覚が、とても「わかる」んですよね。

驚きかたが常人的というか。
そうだよね、こわいよねってなる。
そしてじつくり考えて「良い方向に魔法を使おう」と自分自身でけっちゃくをつける。

ここにいたるまで、アマリアとユーゴの間でちゃんと情報共有できているのはかなり好感触です。

アマリアが「置き去り」にされた時から10年経ってしまっていた、というのはぶっちゃけると「ご都合展開」の一つではあるんですよ、この後再開するレオナルドのための設定でもあります。
でも、それが鼻につかないんですよね。

ご都合展開どんとこい、と思わせるやり方だと思いました。



幼い子供だったレオナルドにとって、アマリアは初恋のお姉さんだったわけですが、再開したときには年齢が近くなってるっていうね。

このレオナルドという青年も、すごくいいやつなんですよー
初恋ずっと引きずってたんかーいともおもわんでもないが、まあ、良い意味で一途ってことですね。

このレオナルドだけが、アマリアから事情を聞き、ユーゴの正体も明かされる。
ここも、そんなに不自然な流れではないと感じました。



そして、このレオナルドとユーゴが、なんのかんの仲良しになるのが見ててすんごい可愛いんですよ。
やりとりがもうほんと可愛いっていうか。

レオナルドは、何しろアマリアが初恋だし、ずっと好きでいる。
一方でアマリアはレオナルドに対してすぐに恋愛感情はもたないんですよ。頼りにはしているけれど、なにしろアマリアの中でレオナルドは「少年」ですものね。

なので、安易な恋愛に発展していかないのもいいし、レオナルドもちゃんとわきまえているのがいいんですよ。

そしてユーゴはあくまで「竜」であり、アマリアへの想いはとても純粋な愛情なんですよね。そしてレオナルドも好きだから、ふたりの行く末を守ってやろう、ってのがすごくよかった。
なんつーか、ユーゴ、健気というか、いい竜やんけ…

でもこれは、アマリアがいかにも大切にユーゴを育てて…というか愛してくれたからなんですよね。
そしてアマリア自身もユーゴをきちんと「竜」であることを忘れていないので「竜」に対する認識が変わっていくんですよ。

なんだかいい感じのホームドラマがベースにあるんですが、それでも「事件」はおこったりして、そんな時にちゃんとレオナルドのかっこよさも垣間見られますし、世界観的なものも見えてきます。


ものすごく派手な展開があったりするわけではありませんが、作画が丁寧なこともあって、先を読むのが楽しいし、どうなるんだろうと思わせてくれる要素もあるんですよね。
しばらくは、「レオナルド、がんばれっ」と言いたくなってしまいますしね。
レオナルドの片思いといっても悲壮感はないし、ユーゴには応援されてるしで、ほのぼのしちゃうんですよ。それでいてレオナルドは分別あるんで、仕事は仕事でちゃんとこなしてる。
うーわ、めっちゃいい青年やで…となり、アマリアが次第にレオナルドを「幼い少年」ではなく頼れる素敵な「青年」として意識していくのもわかるし、その過程はかなりゆっくりではあっても、いらっとはさせられません。

竜のユーゴが都度都度いい塩梅に手助けしてくれますからね。
アマリアがレオナルドの「恋心」に鈍感なのは仕方ないと読者側としても納得できますからね。


冒頭ではぶっちゃけあまり期待していなかったコミックでしたが、読み進めていくと楽しくなる話で、頬が緩む可愛いお話です。





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最終更新日  2025.11.25 22:00:05
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