読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2006.09.11
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カテゴリ: その他の本
前にもどこかで書きましたが、私の家族は昭和が平成に変わる頃、ヨーロッパに住んでいました。

日本からドイツへ、ドイツからイギリスへ、そしてその後帰国したわけですが、
帰国してつくづく感じたのは、日本人って子どもだなあ、ということ。
それに比べてヨーロッパは、ほんとうに大人の国。成熟した人々が住んでいたなあ・・・
ということを、強く思いました。
どこが?って聞かれても、うまく説明するのはとても難しいんだけど、たとえばこうです。

ドイツでは、私が子どもたちを連れてバスや電車に乗るときは、誰かが必ず息子を抱き取ってくれました。
誇張ではなく、本当に必ず、100%助けてくれました。

大学生風の女の子や、髪を緑やピンクに染めたパンクなお兄ちゃんが、
とても自然に風のように寄ってきては、さりげなく息子を抱き取ってくれるのです。
男性だったら、娘も抱いて乗せてくれて、ついでに私の手までとってくれました。ふふ、いい気持ち
たまたままわりに誰もいないときは、バスの運転手さんまで降りてきて助けてくれたので、びっくりしたこともありました。
私も子どもたちも五体満足で、日本では助けが必要な弱者では決してないんですが、
日本では妊娠中でさえ、私は上の子を抱っこしてバスに乗っていたし、
席を譲られたことも一度もありませんでした。
ドイツでは小さい子どもを連れているだけで、助けてくれるんだ・・・
親切が体にしみついているんだなあという驚きで、感動しました。


イギリスに引っ越して、娘は小学校に入りました。
ある日、何やら一生懸命ポスターを書いています。

「絵を売ります。一枚5ペンス。収益は○○町のガンセンターに寄付します。」
私はなんのことか分からなかったんですが、娘の説明を聞くとこうでした。
「学校でガンセンターの話を聞いた。困っている人がたくさんいる。
また、今日、私が描いた絵を先生がとてもほめてくれた。
友だちがちょうだいって言ったからあげた。


たどたどしい娘の話ですが、そんなようなことでした。
まだ7歳だった娘に、福祉という気持ちが育っていたのです。
イギリスの人々の福祉の心が、こんなに幼い時から育ち始めるのだと驚き、嬉しく思いました。
これらの話はほんの一例で、他にも小さいエピソードはたくさんありました。


日本に帰ってきた私たち親子が、街に買い物に出かけたときのことです。
立派なみなりの紳士風の男性が、火のついたタバコを手に持ったまま歩いていました。
まるで何も持っていないかのように、手を前後に振って歩いています。
その高さがちょうど息子の目のあたりに来ます。
「危ない!タバコを気をつけてください」
彼は振り返ってじろりと私を見て、無言で行ってしまいました。

着飾った女性が重いガラスのドアを押してビルに入っていきました。
後ろから入ろうとした娘に、重いドアが閉まってきました。
女性は振り返りもせず、自分だけ入ったらすぐに手を離していたのです。

そこには弱者への思いやりもへったくれもありません。
自分のことしかないのです。
こういうところを、私は日本人って子どもだなあと思ったものです。


なぜ日本人は成熟できないのか



「なぜ日本人は成熟できないのか」曽野綾子・クライン孝子著
この本は、私が漠然と思っていたことを、民族の歴史、宗教、政治、経済、教育、家庭
その他あらゆる方向から論じたものです。
あまりにもいろいろとありすぎて、絶望的な気持ちにすらなってしまいます。
実際、最後の方は「もうわかったわかった、ゆるしてくれえ~」と思ってしまいました。
が、とても大切なことばかり書いてあります。
日本の教育者や政治家にぜひ読んで欲しい本です。
あ、もちろんすべての親にもね。


ところで、おまけ。
私はあの、24時間テレビというものが大嫌い。
福祉は仰々しく感動しながらするものではないのです。
もっとさりげなく、常に心の中に住み着いているものです。
あの番組こそ、日本人の幼稚さをあらわしていると思うのですが、どうでしょう。
良いことは、誰にも知られず、こっそりしましょうよ。
神様はきっと見ているよ。





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Last updated  2007.01.28 06:00:45
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