読書の部屋からこんにちは!

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2010.02.16
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カテゴリ: 小説
いやあ~、泣いた泣いた。

ひょっとしたら、宮本輝の 「彗星物語」 以来かも。
年とともに乾燥しがちだった涙腺の、大掃除ができたみたいです。
特に、下巻の後半は、ティッシュの箱が離せませんでした。


泣きはしたけど、泣けたから感動したと言っているわけではありません。
昨今の売れてる小説って、ちょっと泣かせるシーンがあったら、即それが「感動大作」という売りになるでしょう?世の中が「泣き」を求めているという社会分析をする人もいるそうですけど、この本は、そんな薄っぺらな本ではありません。
「許す」ということをテーマに、中年にさしかかった幼なじみたちの生き方を描いたものです。祖父の代にあった炭鉱の落盤事故、小学生同士の決闘から車椅子生活になった人、39歳の若さで肺がんになり、最愛の家族を残して逝かなければならない人。それぞれが、人を許す、あるいは許されることに、正面から悩む姿が描かれています。



許したくてもどうしても許せない人や、許してほしいのに許されない人もいることでしょう。
私自身の日常を振り返ってみても、娘の病気のこと、その原因のこと、夫婦の関係や親子の関係、さまざまなことを考えながらほんとうにつらく、私がここまで泣いたのは、自分のことも含めて泣いたのかなあとも思いました。


この本では主人公の死期が迫ったときに、「自分で自分を許せ」という言葉がでてきます。この言葉も、私にとってはつらいものでした。
普通は、そういう心境にはなれませんよね。
許せない人も、許されない人も、その悲しみを抱えながら生きるのだという、当たり前のことに、粛然とした気持ちになりました。


とても長い物語ですが、易しい文章なので、どんどん読み進むことができます。
おもしろいかと言われれば、絶対におもしろい。
私のように、つらさまで感じて読む人は少ないと思いますけどね。
おもしろい小説を読み終わったときの満足感もありますが、今日は珍しく内省的なぱぐらでした。


カシオペアの丘で(上)


カシオペアの丘で(下)





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Last updated  2010.02.16 15:08:01
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