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March 30, 2002
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カテゴリ: My journal of Book
~『ワイルドスワン』より~

歴史の中で、激動の時代と呼ばれるもの数多くある。どこまでが激動と言えるのかは定義できないが、穏やかに人々が暮らせた時代の方が歴史上考えると少ないのではないだろうか。そして、その激動の時代に生まれて過酷さの中を生き抜いた人が必ずいる。
『ワイルドスワン』は、作者の祖母から母そして作者と 娘三代に渡る、歴史の中でも、ある一つの激動の時代を生き抜いた実際の物語である。

歴史を教科として学んでいると、ある一つの激動の時代なんて、世界中の膨大な出来事の単なる一つでしかない。でも、そこにスポットをあててみると、一つ一つの激動の時代には、それぞれの壮大なドラマがあることを気付かせてくれる。

祖母は、最後の皇帝(ラストエンペラー)溥儀(プウイ) の時代に生また。その頃は、女性は男の所有物である時代、少しでも地位の高いところに嫁にいけるようにと、纏足というものが残っていた。それが、母の時代になると、纏足の習慣はなくなっていた。纏足の点から考えると、母は後の時代に生まれて幸せであると言える。しかし、母の時代にも、その時代に生まれた故の、文化大革命を中心にした毛沢東による全中国人がいいようにめちゃくちゃに踊らされた時代を生きる羽目になる。

纏足(てんそく)という習慣も、この本を読むまでは、私は詳しくは知らなかった。中国の女性は、足が小さい方がかわいいとされていた、ということくらいしか知らなかった。そこには、女性の苦しみがあったことも知らなかった。
纏足というのは、まず足の親指をのぞく四本の指を全部足の裏側へ折り込むように曲げ、六メートルほどの白い布でぐるぐる巻きにする。そして、上から大きな石をのせて、足の甲をつぶした。激痛に大声をあげて「お母さんやめて」と叫ぶが、母親は、娘の口に布を押し込んで声を封じる。あまりの痛みに何度も気を失う。
纏足は完成するまでに何年もかかる。骨を粉々にくだいた後も、足は昼夜ぐるぐる巻きに縛っておかなくてはならない。つまり、耐えがたい痛みに日夜さいなまれ続けるのだ。
母親も好きで娘を苦しめる訳じゃない。母親も涙を流して、纏足をやめればおまえの一生がだいなしになる、おまえの幸せのためなんだよと言い聞かせる。


当時の女性は「次の世では、絶対に女には生まれたくない」と願った。






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最終更新日  January 27, 2005 03:47:49 PM
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