ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Feb 19, 2006
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 昨日はL大学オーケストラの演奏会でビオラを弾いてきた(僕は団友)。前半は管楽や弦楽アンサンブル、そして後半はフルオケという構成。

 我々弦楽は、アルボ・ペルトの「フラトレス」(バイオリンと打楽器と弦楽合奏)という現代音楽を演奏した。演出がまた妖しかった。舞台は真っ暗、トゥッティ奏者はホール中のあちこちに散らばって立つ。舞台上の壁ぎわの人もいれば、客席に下りて弾く人もいる。そして僕はなぜか二階席のバルコニーで弾くはめになった。

 で、譜面台に取り付けられたかすかな灯りを頼りに、無機的なリズムとハーモニーを変拍子で延々と繰り返す。舞台中央に蒼いスポットライトを浴びたバイオリンソロが、弦楽合奏と全く関係なく、あるいは理不尽に絡みつきながら、シュールな音楽を繰り広げる。
 基本的には余計な音が混じっていないシンプルな曲だと思う。癒しの音楽とさえ感じた。時の流れを超越して同じことをひたすら反復するなんて、多忙な現代人に対する警鐘なのだろうか。

 僕は舞台上のソリストを二階席から遠目に見下ろしながらトゥッティを弾いたが、そもそも手すりギリギリに立って弾くのって高所恐怖症の僕にはツラい。転落するのはイヤなので、身体を後ろに反らせながら弾き通した(いわゆるイナバウアー奏法)。そしたら今日はなぜか筋肉痛(笑)。

 一方、最後に全員で弾いたモーツァルトのジュピター交響曲(41番)は理屈抜きに楽しめた。ハ長調だからかもしれないが、ビオラにとって弾きやすくできてると思う。圧巻は第四楽章。音楽が丁寧に入り組んでいるのに、停滞せずに自然に流れていく。これを魔術と言わずに何と言おう。コーダの二重フーガがビオラによって口火を切るのも小気味よい。
 各パートがやってることは決して複雑ではないのに、それらが織り成す音楽は実に斬新で近未来的。高尚さと精巧さと普遍性を同時に兼ね備えている曲なんて凄すぎる!





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最終更新日  Mar 12, 2006 11:42:05 PM
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